香里園レジデンス歯科・矯正歯科

日々の診療においては、「患者さまに納得いただいてから治療を始める」ことを大切にしています。当院では保険診療と自由診療の両方に対応していますが、被せ物ひとつを取っても、どのような素材が合うかは患者さまによって異なります。

例えば、耐久性があり見た目もいい素材でも、日々のお口のケアをしっかりできない方に関しては、他の素材を選んだほうが良いケースがあるのです。そのため、治療方法や治療方針、治療に使う素材についてご説明する際は、患者さまとよくお話ししたうえで「その方にどのような治療や素材があっているのか」ということを考えつつ、ご説明・ご提案をするようにしています。

患者さまにも一緒に考えていただき、いくつかの選択肢の中からご納得いただける治療方法や素材を選んでいただきます。ご自身で納得したうえで治療に臨むと、「こんなはずではなかった」と後悔するリスクを軽減できますし、治療に対するモチベーションも保ちやすくなるからです。

院内のデザインをするうえでこだわったのが、「圧迫感のない空間づくり」です。例えば、ユニットの向きを壁に向かって設置すると窮屈に感じやすくなるため、窓の近くに設置して、光が差す明るい方向に向けるようにしました。治療前や治療中の待ち時間はどうしても緊張してしまうかと思いますが、そういった時はぜひ、窓から見える景色に癒されていただければと思います。

他にも、あえて半個室の空間にしたり天井を高くしたりするなど、患者さまにできるだけリラックスしていただけるよう、様々な工夫をしています。「歯科医院特有の空間が苦手」「来た時は平気なのに、ユニットにあがると急に緊張してしまう」という方でも治療を受けやすくしています。

当院のスタッフには、ルールでガチガチに縛るのではなく、ある程度自由に日々の仕事に取り組んでもらうようにしています。言われたからする、命令されてする、というように「やらされている」状態では、いい仕事はできません。自分で考え「やりたい」と思って動くからこそ、いい仕事ができるのではないかと思っています。

スタッフは皆、自由な環境に甘んじることなく、やる気を持って日々の仕事にしっかり取り組んでくれています。また、スタッフ同士が率先してコミュニケーションを取り、患者さまの情報について互いに共有しながら、診療のサポートをしてくれています。和やかな雰囲気をつくってくれて、患者さまからも頼りにされる、これが当院のスタッフの自慢できるポイントだと思います。

私がリラックスできるのは、開院当初からご来院いただいている患者さまと会話している時です。開業して間もない頃は色々な悩みや不安を抱えていたのですが、そういった時に患者さまとお話しすると気持ちが楽になり、「また頑張ろう」という思いを持てるようになりました。それは、開業から何年も経った現在も変わっていません。

歯科医師と患者さま、置かれている立場は異なるかもしれませんが、「人と人」のお付き合いであることに変わりはありません。患者さまとお話しする時間は、私にとって癒しになっているようです。また、開院当初から来院されている患者さまとお話しすると、「初心を忘れず日々の診療に全力で取り組もう」という気持ちを再確認することもできます。

今後の展望として何か特別なことをやっていきたいということはなく、これまでと変わらず日々の診療に取り組んでまいりたいと思います。当院は近隣にお住まいの患者さまに多くご来院いただいており、中には長年にわたり通い続けてくださっている方もおられます。

歯科医師として、当院に来られる患者さまとの関係を大切に、一緒に年齢を重ねていきたいと思っています。お口の中の状態や必要なケア・治療は年齢に応じて変わってきますので、患者さまそれぞれに合った治療を模索しつつ、人生に寄り添っていくことができればと考えています。