いわし歯科

「患者さまの1本の歯を大切にすること」です。できる限り自然の歯を残せるように方法を考えますが、どうしても残せない歯があっても患者さまが残したいというご希望があれば、その意思を尊重しつつ、治療を進めていきます。しかし、その歯を残すことが原因で周りの歯が共倒れするような場合に関しては、近い将来の口内状態を想定し、説明を行った上で、患者さまに判断していただくようにしています。私は歯科オタクなので、治療に使用する器材や材料は現行の商品の中で自分で使用したいものを使って治療を行っています。

また、歯科口腔外科として多くの症例に向き合ってきたこともありますので、患者さまのお口の健康をお守りできるよう努めていきたいです。

歯科医師になった当初から、いずれは開業しようと決めていました。開業を思い立って最初の3年半くらいは、場所として神奈川や千葉、埼玉を検討していました。しかしなかなか開業する条件を満たした物件が見つかりませんでした。ある日、いつもと別の電車で帰宅している途中、ふと電車の窓から外を見るとコンビニにも関わらず、シャッターが半分閉まっているコンビニが見えました。コンビニってシャッター閉まりませんよね？
もしかしてと思い、慌てて中野駅で降りて、総武線に乗り東中野駅に向かいました。シャッターの下から挨拶をしてコンビニの店長らしき人にお話を聞くと大家さんでした。1カ月後には閉店するというので、直ぐに貸して下さいとお願いしました。それがこの場所を借りることができた経緯になります。失礼ですが、最初から東中野で開業しようと思っていませんでした。本当に出会いというか運命的なご縁だと思っています。

路地とか軒を連ねる店とかを含めて、街並みにレトロな感じがあるところが好きです。春には桜も咲くのでとても風情がありますし、当院の向かいにある喫茶店は60年から70年くらい前から店を構えていると聞いたことがあります。東中野の歴史は、ここに行けば大体把握できるようになります。色白マスターに教えていただきました。

16年前に、インプラントを装着した患者さまが当院にお越しになりました。その患者さまは7本のインプラントを装着していました。上に乗せている歯14本は全て連結しており、これをすべてセメントで本止め（合着）していました。
仮止めであれば、容易に外せましたが、しっかりセメントで付いているため外れません。それにも関わらず、インプラントの周りの歯肉は腫れあがり、過度な負担により周りの骨にまで炎症を引き起こしている悲惨な状態でした。本当に今にも上の歯が全て落ちてきそうな状態だったのを覚えています。私が歯科口腔外科で得た知識や培ってきた技術を用いて処置を重ねた結果、7本とも維持した状態で1年半を過ごすことができております。もちろん現在も治療中です。放っておくと危ない状態でしたので、患者さまのこの窮地を救うことができた事は、とても印象に残っています。この経験は今まで自分が行って来たこと（職歴）の全てが集約されていると考えさせられました。
インプラントは正直に言ってしまえば、入れる（埋入する）のは容易です。他人の治療の後のリカバリーとメンテナンスが本当に難しいのです。
注）上部構造（上に乗せる歯）は、破壊せずに治療を行っております。

当院がいわし歯科なので、初めは知り合いに魚の鰯を可愛く書いてもらうように依頼しました。魚って可愛く書こうとすると、辿りつくところは金魚になります。
リアルに描くと、魚屋さんみたいになってしまう。だから、ワシにしました。いわしの先頭の一文字「い」を抜いて「ワシ」。意外と可愛かったので前向きのバージョンも書いてもらいました。実はかなり気に入っています。