なぜ野球選手やボクサーはスポーツマウスピースをするのか?

コラムを読んで、歯に関してわからないことや不安なことがあれば、歯科矯正の歯医者さんに相談してみましょう。

今回は野球選手やボクサーはスポーツマウスピースをする理由についてご紹介致します。スポーツマウスピース使用の目的をよく理解して購入を検討してみてください。

この記事の目次

色々な場面で用いられているマウスピース

歯医者さんの治療で、マウスピースが使われることがあるのをご存知ですか?最近では、歯列矯正にマウスピースを用いる機会が増えてきていますので、実際に使ったことのある人も多いことでしょう。でもそもそも、マウスピースと言うと、ボクシングを思い浮かべる人の方が圧倒的に多いかと思います。あるいは、野球やラグビーなどのスポーツでも、マウスピースを使っていますね。では、こうした格闘技やスポーツでマウスピースを使用する場合、そこにはどういった目的があるのでしょうか。

歯列矯正に使われるマウスピース

インビザラインなどの歯列矯正では、マウスピースをはめることで、歯並びを良くしていきます。ですので、お口の中にはめるマウスピースは、理想の形に近い、歯並びの形をしています。もしくは、出っ歯などの歯列不正を治すような形に、予めマウスピースが成形されています。ですから、歯列矯正に用いられるマウスピースというのは、乱れた歯列を正常なものに整えるのが目的であると言えますね。

ブラキシズムの治療に使われるマウスピース

ブラキシズムというのは、いわゆる「歯ぎしり」などの口腔習癖です。歯ぎしりは、歯や歯茎に多大な悪影響を及ぼしますので、とっても有害であると言えます。これを治すために、歯医者さんではナイトガードというマウスピースを使用します。このナイトガードというのは、夜間の睡眠中に、お口の中にはめることで、半強制的に歯ぎしりを防止してくれるのです。ですから、この時にはめるマウスピースの目的は、歯ぎしりを抑えるためのストッパーのようなものであると言えます。矯正治療で用いられるものとは、少し目的が異なりますね。

スポーツで用いられるマウスピース

では最後に、格闘技やスポーツで用いられているマウスピースについてです。冒頭でも述べたように、ボクシングやラグビー、それから野球といったスポーツは、顔面に強い衝撃を受ける可能性が非常に高いです。例えば、ボクシングで顎や口元に強烈なパンチを受けたとしましょう。その際、もしもマウスピースを装着していなかったら、自分の歯で舌を噛み切ってしまうかもしれません。

野球やソフトボールでも最近良くマウスピースが使われるようになりました。これは、世界大会に出場したある選手がマウスピースを使って好成績を上げたので広まったものです。最近では高校球児も使うようになっています。甲子園に出場する球児たちに、野球部OBの歯医者さんが一人ひとりにオーダーメイドのマウスピースを作ってあげたりしているニュースも先日ありました。この場合は、ボクシングの場合とやや異なります。野球やソフトボールでは、ピッチャーの投球時や、バッターが球を打つときに、力を入れようとして歯を食いしばることがあります。マウスピースがないと、歯が磨り減ったり、口の中を切ってしまったりします。

また、唇を歯で切ってしまったり、歯そのものが折れたり、抜けてしまうこともあるでしょう。つまり、スポーツにおけるマウスピースというのは、歯をプラスチックで覆うことで、舌や唇などを傷つけないために装着しているのです。

もちろん、歯自体を衝撃から守る役割も果たしてくれます。それに加え、衝撃で歯並びが乱れるのを防いだり、食いしばりや歯ぎしりを抑える働きも持っています。その上、野球では、噛みあわせを安定させて、体の軸をブレないようにすることで、うまく投げられたり、打てたりすることが知られており、マウスピースの使用が広まってきたのです。これらは、歯医者さんの治療でも期待されている、マウスピースの機能ですね。歯医者さんでは、自分の歯にあったオーダーメイドのマウスピースを作ってくれますよ。

監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院 院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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