歯が茶色くなっていて虫歯かと思ったけれど、痛みなどの症状はないから、と対応に困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、歯が茶色くなってしまう要因や、歯医者さんには行くべきなのか、自宅でできる対処法などを紹介していきます。
茶色い歯が気になっているという方や、白くできる方法について知りたい方は、ぜひご覧ください。
歯が茶色になっているのは虫歯ではない?原因や対処方法を紹介
- 94
- 95
- 43
- 22
- 37
この記事の目次
1.歯が茶色くなっているのはなぜ?
1-1.茶色になっているのは虫歯なのか
歯の溝や隙間など、茶色になっている部分を見つけると虫歯と勘違いしがちではないでしょうか。しかし、それは虫歯とは限りません。虫歯ではなくその前段階の状態、もしくはただの着色という場合もあります。後述しますが、歯が茶色くなる原因はさまざまです。放置していると虫歯になることもあるので、まずは歯医者さんに判断してもらいましょう。
1-2.茶色になった歯はそのままにしても良い?
茶色い歯が虫歯でないのなら、そのままにしても良いのではないかと考える方もいるでしょう。しかし、それは危険なことです。万が一虫歯であった場合、そのままにしておくのは重症化する危険性がありますので、早めに処置する必要があります。また、まだ虫歯になっていないケースでも、セルフケアでは汚れや着色が取りにくい箇所を放っておくと、そこから歯周病や虫歯に進行する危険もあります。そのため、早めに歯医者さんを受診することをおすすめします。
2.歯が茶色になってしまう原因を紹介
2-1.虫歯による変化
虫歯は、菌によって歯の表面が溶けることで進行します。痛みがない初期虫歯の段階から穴は開き始めていて、その穴が茶色く見えてしまうことがあります。この穴は白い斑点のようになる場合もあり、ホワイトスポットやブラウンスポットと呼ばれ、進行していくと穴が大きくなっていきます。
2-2.歯の神経が死んでしまった
神経、つまり歯髄が死んでしまうと、その部分の血液が流出してしまいます。血液の中の鉄分が歯髄の外の象牙質という部分に侵入し、変色してしまうことで茶色く見えてしまいます。原因としては虫歯や噛みあわせ、ぶつけたなどの衝撃によって神経が死ぬことがあります。
2-3.レジンの経年劣化
虫歯などで歯を削った後、欠けた部分の補修にレジンと呼ばれる樹脂製の素材を使うことがあります。このレジンという補修剤は経年劣化によって変色してしまうことがあります。この場合、レジンを削ってもう一度修復することでもとに戻せるケースが多いようです。
2-4.食べ物などの着色
コーヒーやチョコレートをはじめ、飲食物に含まれる色素が要因となり、いわゆるステインによって歯が茶色く見えることがあります。食べ物のほか、喫煙もステインの原因になります。また、歯垢が付着することも着色の原因となり、黄ばみを目立たせてしまうため、注意が必要です。
2-5.加齢による変化
歯の表面にはエナメル質という部分があり、加齢によって摩耗し薄くなっていきます。エナメル質自体は半透明なのですが、薄くなることで中の象牙質が透けて見えてしまいます。この象牙質の色によって、歯が変色したように見えてしまいます。
2-6.抗生物質の影響
幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると、象牙質の色が濃くなるという副作用があります。この象牙質の色が透けて見えることで、変色したように見えてしまいます。この場合、歯の表面の漂白(ホワイトニング)をしても、中の色が原因となるため白くならないことがあります。
3.茶色い歯のセルフケア
3-1.初期虫歯の場合は毎日のていねいなケアを
初期虫歯の場合は、表面のエナメル質が溶け始めた状態です。ていねいなケアによって、虫歯の進行を食い止める必要があります。また「再石灰化」といって、初期虫歯であればきちんとケアをすることで修復できる場合もあります。ザラザラした表面も、徐々にツルツルした表面に戻せます。
3-2.着色汚れに対応した歯磨き粉
歯磨き粉の中には、歯についた着色を落としてくれるものがあります。歯ブラシで無理に擦って汚れを落とそうとすると、歯やその周囲を傷つけてしまうこともあるので、こうした作用が期待できる歯磨き粉を活用してみてください。
4.歯医者さんでおこなう着色落とし
4-1.エアフローを使用したクリーニング
エアフローは、重曹やアミノ酸の一種といった成分が含まれたジェット噴流を使い、歯の表面にこびりついたステインを除去する方法です。自由診療となりますが、通常のクリーニングでは落とせない頑固な汚れにも対応できます。ホワイトニングではなく、あくまでクリーニングなので、歯そのものは白くならない点に注意しましょう。
4-2.専用機器を使用するPMTC
PMTCは自由診療のクリーニングです。歯科医師や歯科衛生士が、専用の機器とフッ素入りの研磨剤を使っておこないます。歯の表面の汚れを落とすだけでなく、お口の病気を予防する作用も期待できます。自宅での除去が難しい深くこびりついた歯石や、歯周ポケットの汚れまで除去して、ツルツルの表面に近づけることができます。
4-3.ホワイトニングをおこなう
薬剤を使って歯を漂白し、表面を白くする方法です。自由診療となり、着色の原因によってはホワイトニング治療ができない場合もありますが、歯そのものを削ることなく白くする方法になります。歯医者さんでおこなうホワイトニングと、自宅でできるホワイトニングがあります。
5.まとめ
歯が茶色くなる理由をまとめてきました。茶色い歯を白くしたい、という希望を持っている方も少なくないと思いますが、そのための方法は、変色・着色してしまった要因次第で異なってきます。そのため、どうして茶色いかを知ることが重要になります。ケアが必要な初期虫歯の場合や、歯医者さんによるクリーニングで改善できる場合もあるので、まずは歯医者さんを受診して歯の状態を調べてもらいましょう。
【あわせて読みたい】
・着色や汚れを落としたい!歯のクリーニングのメリット・デメリットを解説
監修医
小川 隆介先生
後楽園デンタルオフィス 院長
経歴
2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る