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親知らずが生える時期は?抜歯の必要性やタイミングなども解説

親知らず 生える時期

親知らずは生えてこなければ気になるし、生えたときはいつ頃抜くべきか気になる、という方も多いのではないでしょうか。そもそも抜く必要性はあるのかと、悩んでいる方もいることでしょう。

この記事では親知らずが生える時期、抜歯はしなければいけないのか、生えないケースもあるのかなど、親知らずについての情報を紹介します。親知らずに悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。

この記事の目次

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1.親知らずの基礎知識

1-1.なぜ「親知らず」と呼ばれる?

親知らずは上下の奥に生えてくる4本の歯で、正式には「第三大臼歯」と呼ばれます。

「親知らず」の語源にはいくつかの説があります。

昔の日本人の平均寿命は50歳にも満たず、わが子の親知らずが生える頃には亡くなってしまっていることが多かったという説や、お口の管理を自身でできるようになってから出現するため、親御さんが知らない間に生えてくるからという説などさまざまです。いずれも、親知らずが生えてくる時期が思春期もすぎて、成人してからであることに起因しています。

英語ではwisdom toothと表現し、これは物事の分別がわかる年齢になってから生えてくる歯、という意味になります。

 

1-2.親知らずが生えてくる平均的な年齢は?

親知らずは一般的に、親が生えはじめを把握できない10代後半から20代前半頃に生えると言われています。ただし、すべての方がそうとは限らず、なかには30代から50代で生えてくる方もいれば、4本生えそろわない方もいます。

また、現在はやわらかい食べ物が多くなり、食べ物をよく噛んで咀嚼する機会が減って顎の骨が退化していく傾向にあります。明治や大正時代に比べて、えらが張って角ばった顔をした男性は現代ではあまり見かけなくなりました。そのため顎が全般に細く小さくなって、親知らずが生えるだけの奥行きがなく、顎の骨のなかに埋まったまま出てこなかったり、そもそも親知らずそのものが先天的になかったりというケースも多くなってきています。

 

1-3.親知らずが生えてこないが見逃している?

親知らずが生えてこなくて不安な方は、歯医者さんで確認することができます。近年は顎の小さい方が増えているため、親知らずが隣の歯の影響で横向きになっていたり、骨のなかに埋もれていたりして出てこないこともあります。こうした親知らずの状態は、レントゲン撮影や歯科用CTで検査することで診断できます。

 

親知らず 横向き

2.親知らずの抜歯について

2-1.抜歯の必要性はある?

親知らずは、必ずしも抜歯しなければいけないというわけではありません。例えば、上下がきちんと噛みあいお口に違和感がなく、歯茎にも炎症がない状態であれば抜かなくても問題ない場合もあります。また、虫歯や歯周病にならないように、歯ブラシがちゃんと届き清潔な状態で維持できることも大切です。

 

2-2.抜いたほうがよい事例

親知らずの周囲に痛みがあったり、歯並びが悪くなったりした場合は、抜歯を考慮する必要があります。虫歯や歯周病の原因となっていることや、隣の歯を押して悪影響を与えている恐れがあるためです。また親知らずは噛みあう歯がないと伸びてきて、反対側の歯茎や頬を傷つけてしまうことがあるため、噛みあわせのチェックも必要です。気になる方は、一般的に親知らずが生えだすと言われている20歳前後から、歯医者さんで抜歯の必要性を確認してみてください。

 

2-3.親知らずの再利用

親知らずを残しておくことで、ほかの歯を失ったときに代わりに移植することができる治療方法もあります。歯を失った部分に親知らずを埋め込み、生着したあとで根の治療をして、被せ物をするという方法です。移植が可能な歯は親知らずの手前2番目までの奥歯に限り、小臼歯や前歯、下顎から上顎への移動などはできません。また、サイズがあわない場合や親知らずが健康でない場合、移植できないケースもあります。

 

3.抜歯前後の注意点

3-1.抜歯前に気をつけたいこと

歯茎に腫れがあると、抜歯の際に麻酔が効きにくくなってしまうため、抗生物質などで鎮静させる必要があります。抜歯後に痛みや腫れが出る場合もあるため、大切な用事が重ならないように事前にスケジュールの調整が必要です。また、抜歯の際には空腹や睡眠不足で気分が悪くなる場合もあるので、体調管理も重要になります。

 

3-2.抜歯後に気をつけたいこと

抜歯後は、以下のような点に注意が必要です。

 

・傷の治りを遅らせないようにうがいの回数を少なくし、当日は抜歯した箇所の歯磨きはさけます。

・抜歯した穴に異物が入るのを防ぐために、食事はできる限り反対側で噛むことを心がけます。

・血行がよくなることで出血や痛みが酷くなる可能性もあるため、入浴や飲酒もひかえます。

運動やジム、ジョギングなどのトレーニングも当日はひかえましょう。

・血行が悪くなると痛みや腫れが長引いてしまうので、患部の冷やしすぎには気をつけましょう。

・抗菌薬や痛み止めは、処方通りに服用します。

・唇にしびれなどの症状がある場合は神経に影響がある危険性が高いため、歯科医師に報告します。

 

4.まとめ

親知らずが生える時期について、平均的な年齢などを紹介してきました。親知らずは退化の傾向にあり生えない方もいますが、不安な場合は歯医者さんで診てもらうことができます。また抜歯の必要性なども記載していますが、親知らずの生え方は千差万別のため、気になる方はまず自分の親知らずの状態を検査してもらいましょう。

 

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監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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