妊婦さんはホワイトニング厳禁!?できるケアとできないケア

妊婦さんはホワイトニング厳禁!?できるケアとできないケア

27129 View
★役に立った!10

つわりでブラッシングが疎かになり、沈着汚れが目立つようになって、ホワイトニングで白くリセットしたいと思う方もいるはずです。また歯を白くして、新たな気持ちで出産を迎えたいと思う方もいるでしょう。しかし、ホワイトニング薬剤の中には、妊婦さんや出産後の授乳期には控えるべきものもあります。

この記事では、妊婦さんが控えるべきホワイトニング薬剤についてお伝えし、それに代わるホワイトニングの方法や、妊娠中に害しやすい歯の健康を、良好に保つ方法などについて、詳しくご紹介いたします。

この記事の目次

1.妊婦さんが控えるべきホワイトニングの薬剤

過酸化水素を使った薬剤

一口にホワイトニングといっても、さまざまな薬剤があります。その中で、妊婦さんが控えたほうがいいとされる薬剤は、主に過酸化水素を使った漂白系のホワイトニングです。妊娠中のみならず、出産後の授乳中も使用しない方が無難です。このことは、過酸化水素を使用したホワイトニング薬剤の注意書きにも記載されています。

過酸化尿素を使った薬剤

自宅で行うホームホワイトニングの薬剤は、主成分が過酸化尿素となっているものもあります。過酸化尿素は使用時に分解されて、過酸化水素を発生するものなので、こちらも妊婦さんおよび、授乳中の使用を控えた方がよいものとなります。ホームホワイトニングの薬剤にも、このような注意書きが記載されています。

従って、過酸化水素や過酸化尿素を薬剤として使用する、下記のホワイトニングは、妊婦さんや授乳中は控えた方が良いものとなります。

・オフィスホワイトニング
・ホームホワイトニング
・デュアルホワイトニング
(オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの併用)

妊娠中の過酸化水素の影響

結論から先にいうと、過酸化水素をホワイトニング剤に用いた妊婦さんへの影響は不明です。正確にいえば、臨床試験などによって、その影響を立証するデータを得られていないというのが実情です。一般の方の使用においては、その安全性が確認されている薬剤ですが、妊婦さんの胎児への影響や、授乳時の影響が確認されていないので、100%安全とは言い切れません。従って、万全を期すためにも、妊婦さんの使用は控えた方がよいとされているのです。

2.妊婦さんが可能な歯を白くするケアは?

妊婦さん

市販のホワイトニング歯磨き粉

日本で市販されているホワイトニング歯磨き粉であれば、歯科医院で取り扱う過酸化水素や過酸化尿素を配合するものは販売されていないため、妊娠中や授乳中でも問題ありません。ホワイトニング歯磨き粉の成分は、ポリリン酸やメタリン酸などで、主に、歯の表面のステインを除去するものなので、漂白効果はありませんが、食べ物などの色素の沈着を抑えることもできます。ただし、市販のすべての歯磨き粉を検証したわけではないので、念のため、使用前に必ず注意書きを読んでおきましょう。

サロンなどのセルフホワイトニング

歯医者さんの在籍しないホワイトニングサロンでは、基本的に過酸化水素系の薬剤を使用できません。サロンで提供されるホワイトニング薬剤の成分は、主にポリリン酸など、市販の歯磨き粉にも使われているものとなります。従って、妊婦さんでも施術が可能だと思われますが、こちらもすべてのホワイトニングサロンで使われる薬剤を検証したものではないので、施術前にご自身で確認するのが無難です。

歯のクリーニング

歯医者さんで行うPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)など、自分では落としにくい歯垢や歯石、ステインなどを落としてくれる歯のクリーニングはとても有効ですし、歯周病の予防にも役立ちます。妊娠中に歯周病があれば、血液を通じて胎児にも歯周病菌が感染する可能性があり、早産の一因にもなると言われています。また、妊娠中はつわりで歯磨きが疎かになったり、ホルモンバランスの変化によって、口内環境が悪化するリスクもあるからです。

色素沈着の強い飲食を控える

これは歯を白くするものではなく、予防の側面が大きいものですが、色素沈着の強い飲食物は避けるようにしましょう。特に、妊娠初期のつわりがひどくブラッシングが疎かになると、食べ物の色素が沈着しやすくなるので、食生活を見直すことも検討してみましょう。

3.妊娠中に気をつけるべきはまず歯の健康!

妊娠中でも歯を白く保ちたいという気持ちはあるはずですが、前述した通り、歯医者さんで提供する過酸化水素系薬剤のホワイトニングは受けられません。妊娠期は歯の健康を損ないやすいので、歯の健康を保つことに重点を置いてみてください。妊娠中に考えられるリスクは下記のとおりです。

歯のケアが疎かになりがち

特に、妊娠初期のつわりの時期は、ブラッシングが疎かになりがちです。つわりがひどい場合には、歯磨きを想像しただけで、気持ち悪くなってしまうという方もいます。すべての妊婦さんに通じるような決定的な解決策はありませんが、下記に示した中から自分に合った改善策を見つけてみてください。

・歯磨き粉を変えてみる

・歯磨き粉を使わずに磨く

・朝晩や食後にとらわれず、1日の中で磨けそうな時に磨く

・ヘッドの小さい歯ブラシを使う

・歯磨きができないときはうがいをする

・デンタルフロスや歯間ブラシで磨く

・マウスウォッシュを使う

・キシリトールガムを噛む

虫歯や歯周炎などを引き起こしやすい

ブラッシングが疎かになると、さまざまな細菌の温床である歯垢がたまって、口内環境の急激な悪化につながります。さらに、妊娠の時期に増える女性ホルモンによって活性化し、歯周炎を引き起こす細菌もあります。妊娠中は虫歯や歯周炎のリスクが高まるということを心得ておきましょう。

歯周病菌や虫歯菌は赤ちゃんにも感染する

前述した通り、歯周病菌は胎児にも感染する可能性があり、重度の歯周病は早産の一因にも上げられています。また、虫歯のある方は出産後も要注意です。虫歯菌は生まれたばかりの赤ちゃんには見つからないもので、主にお母さんの口から感染するものだからです。妊娠中の口内環境が気にかかる方は、4章でご紹介するマタニティ歯科を利用してみてください。

4.マタニティ歯科を活用しよう!

歯医者

マタニティ歯科とは?

マタニティ歯科とは、その名の通り、妊婦さんを対象とした歯科です。保険診療でももちろん、妊婦さんの診療は可能ですが、マタニティ歯科を設けている歯医者さんは、妊婦さんに特有の歯のトラブルや対処法などを熟知している歯医者さんと言えます。

マタニティ歯科検診を受診しよう

マタニティ歯科検診では、既存の虫歯や初期虫歯などの状態を調べたり、歯石の有無や歯茎の炎症などに関して、一通りチェックします。初期虫歯や歯周病の疑いがあれば、妊娠中に悪化する可能性があるので、その処置や悪化させないための適切なアドバイスを得ることができます。

安定期なら歯科治療が可能

歯科治療においては、主に妊娠初期(1ヶ月から4ヶ月)と後期(9ヶ月以降)を除いた、安定期(5ヶ月から8ヶ月)に行うのが、もっとも安全とされています。この時期であれば、一般の方とほとんど同様の歯科治療を受けることができます。ただし、その際には必ず妊娠中であることを伝え、念のため、かかりつけの産婦人科の先生に、歯科治療が可能かどうか、確認しておきましょう。

妊娠中は控えたい歯科治療は?

一般的な歯科治療で用いられるレントゲンや麻酔は、胎児への影響もなく使用できるものです。ただし、痛み止めや抗生物質などの投薬が必要になる治療は、控えるべきです。たとえば、妊娠中の親知らずの抜歯などは、できるだけ抜歯をせず応急処置にとどめ、出産後に本格的な治療をする方が無難です。マタニティ歯科であれば、こうしたリスクのある治療は行わないはずですし、保険診療にかかるのであれば、あらかじめ妊娠中であることを伝えることが肝心です。

5.まとめ

妊娠中でも歯を白く保ちたい思いはあるでしょうが、歯医者さんで行う過酸化水素の薬剤を使ったホワイトニングは避けるべきです。ホワイトニング歯磨き粉を使ったり、着色の強い食事を控えることに努めましょう。

地域によっては歯科医師会を通じて妊婦検診や産後検診などを無料で受けられる制度があります。妊娠中は、歯の健康が損なわれるケースが多いので、歯の健康を維持することをまず第一に考え、かかりつけの歯医者さんで相談してみることをおすすめします。

 

この記事は役に立った!

監修医野崎康弘先生

医療法人社団 医康会 ジェイエムビル歯科医院 院長

■院長経歴

1990年 日本歯科大学 卒業
1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

該当部分を選んでください
メールアドレス
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
詳細コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

貴重なご意見をありがとうございます
スマイルラインはよりお役にたつ情報をお伝えできるよう、ご意見を参考にサイトの改善を行って参ります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
送信エラー
大変お手数ですが、ページを更新いただき、再度ご意見をご送信ください。
更新後も再び送信エラーが発生する場合は、 お問い合わせページ からご連絡いただけますと幸いです。

ホワイトニングの相談ができる歯医者さん一覧へ