歯茎が黒ずんでいて不健康に見えたり、歯のホワイトニングを行ったけれども歯茎の黒さが気になっているといったお悩みはありませんか?現在の歯科医療では、歯だけではなく歯茎のホワイトニングもできるのです。この技術は歯肉ホワイトニングやケミカルピーリング、ガムピーリングと言った呼ばれ方もあります。
黒ずんだ歯茎を健康的で綺麗なピンク色の歯茎にすることができる技術で、ホワイトニングした白い歯をより美しく演出するのにも効果的です。見た目も若々しくなり、口元が美しくなることで顔の印象もアップすることが期待できます。美容意識の高い方を中心に注目されている歯茎のホワイトニングについてまとめてみましたので、是非参考にしてみて下さい。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.歯茎のホワイトニングについて詳しく知りたい!
歯茎のホワイトニングってどんな技術?
通常のホワイトニングが歯の変色を対象としているのに対し、歯茎のホワイトニングは歯茎の黒ずみ等の変色を解消して、ピンク色の綺麗で健康的な歯茎を実現するホワイトニング手法です。歯茎にピーリングの効果があるホワイトニング剤を塗布して、変色を起こした部分を剥がし取り、新しい歯肉を再生させることによって変色を解消するという仕組みになっています。
歯茎の黒ずみは不健康な印象を与えるだけでなく、通常の歯のホワイトニングを行ったとしても歯茎が黒いままだと印象もダウンしてしまいます。歯茎のホワイトニングを実施することにより、白い歯もより引き立たせるという効果があります。歯茎のホワイトニングは、歯茎の変色に悩んでいる方や、美しい口元を実現したい方を中心に、ニーズが高まっている注目の技術です。
2.歯茎の色が変色する原因について知っておこう!
2-1 メラニン色素の沈着による歯茎の黒ずみ
歯茎のホワイトニングで効果的なのが、メラニン色素が沈着することによって起きた歯茎の黒ずみです。メラニン色素は体外からの刺激に対する防御反応として作られるのですが、通常は自然に体外に排出されます。しかし刺激を受け続けると排出が追い付かなかったメラニン色素が蓄積して、色素沈着の原因となります。
歯茎のメラニン色素沈着の原因は、喫煙によるニコチンやタールの刺激、過度の歯磨きや力の入れ過ぎによる刺激、口呼吸の習慣により口内の粘膜が乾燥してダメージを受けた場合等が挙げられます。これらになる刺激が多いほど、当然ながら色素も沈着しやすくなるため歯茎は黒ずみやすくなる傾向にあります。
2-2 歯周病による歯茎の変色
歯茎の変色には、歯周病が原因となっている場合もあります。赤紫色の歯茎の変色がみられるのが特徴で、歯周病菌により歯茎が炎症したり、腫れを引き起こしている状態です。症状が進行してしまうと、変色が酷くなり黒っぽくなってくることもあります。歯茎のホワイトニングではこの変色を改善することはできませんが、歯周病の治療をすることで改善できます。変色を解消させるためだけではなく、このような症状を放置しておくと、歯槽膿漏になり歯が抜けてしまう可能性もありますので、早急に治療することが重要です。
2-3 差し歯や被せ物の影響による変色
虫歯治療等により、歯に被せ物や詰め物を使用する場合は多いと思いますが、保険診療で使用されている金属の詰め物などを使用していると変色の原因となることがあります。金属の色が歯茎から透けて見えることで黒く見えたり、金属が溶けだして歯茎が変色したり、また金属を削った際の細かい粒子が歯茎に沈着することにより変色したりもします。
こちらについても歯茎のホワイトニングで解消させることはできませんが、歯茎に付着した金属を取り除いたり、詰め物や被せ物をセラミック素材のものに取り換えることにより変色を改善することができます。セラミック素材は歯茎の変色の改善のみならず、自然歯に近い見た目を実現できますので、審美性を求める方にはオススメです。
3.歯茎のホワイトニング治療の流れ
3-1 施術の前にすること
歯茎のホワイトニングを実施する前にやっておくべきことをご紹介します。まずは歯のクリーニングを行って、歯垢や歯石を除去し歯茎の炎症を抑えます。虫歯がある場合は薬剤が浸みて痛みが生じたり、神経に悪影響を及ぼす可能性があるので、先に治療をしておきます。
歯周病についても歯茎の状態が悪いとホワイトニングができない原因となりますし、変色の原因が歯周病にある場合はホワイトニングでは効果が期待できませんので、歯周病の治療を行う必要があります。これらを事前に行って、歯や歯茎のコンディションを整えてから実際の施術に入ります。
3-2 当日の治療の流れはこんな感じ
では実際に歯茎をホワイトニングする施術の流れをご紹介します。まず歯肉の表面を乾燥させて、乾いたのが確認できたら表面麻酔を施します。麻酔の効果が現れてきたら歯肉の表面に塗布した麻酔薬を丁寧に洗い流します。そしてホワイトニング剤を塗布していきます。薬液が徐々に反応して、歯肉が白く変色してきます。塗布した薬液を無水アルコールで中和して当日の施術は完了です。
施術後3日~7日後で歯肉の状態が徐々に変化してきて、薬液を塗布していた歯肉にかさぶたのように薄い膜のようなものができてきます。この膜がはがれると下にはピンク色の新しい歯肉ができています。歯茎の状態が落ち着いてきたら歯科で確認をしてもらい、ホワイトニング効果が十分でない場合には再度ホワイトニングを実施します。以上が歯茎をホワイトニングする施術の流れです。
4.歯茎のホワイトニングを実施する際の注意点
4-1 痛みが強い場合は痛みどめを服用
歯茎のホワイトニングは、薬剤で歯茎の表面を剥がし取りますので、薬剤の刺激で痛みが生じたり、潰瘍ができて痛む場合があります。痛みの程度や発生する可能性については個人差があり、事前に予測することができないのが難点です。どうしても痛みが酷い場合には、歯科医院で処方して貰った痛みどめを服用するようにしましょう。
4-2 刺激の強い飲食物は控える
歯茎のホワイトニングを実施した直後は、ピーリングによって組織を剥がし取っているため非常に敏感な状態になっています。喫煙はもちろん、香辛料のたくさん入った食べ物やコーヒー、炭酸飲料などの飲み物といった刺激のある物の摂取は控えるようにしましょう。
4-3 膜を無理矢理剥がさない
歯茎のホワイトニングは、薬剤によるピーリング効果で表層の組織を剥がすため、施術後はかさぶたのような役割の薄い膜のようなものができます。3日~1週間程度経過すると、この膜がはがれてきて下から新しいピンク色の歯茎が再生されてくるのですが、違和感や痒みを感じる場合があります。不快に思ってもこの膜を無理に剥がしたりせず、自然にはがれてくるまで我慢することが大切です。歯磨きによる刺激にも注意が必要です。
5.歯茎のホワイトニングにかかる費用や期間は?
5-1 歯茎のホワイトニングにかかる費用の相場
歯茎のホワイトニングは、通常のホワイトニングと同様に歯を白くしたいという審美目的の治療であるため、すべて保険適用外の治療となります。自費診療であるため、施術にかかる費用も歯科医院が自由に設定できるため様々です。費用の相場は片顎ずつもしくは上下顎で表記している医院が多く、約3,000円~40,000円とかなりの開きが確認されました。
殆どの方は歯茎全体をホワイトニングすると思いますので、総額だと約6,000円~65,000円程度が費用の相場です。このように歯茎のホワイトニングにかかる費用は歯科医院によってかなり大幅な違いがありますので、実績や評判も含めて通える範囲の歯科医院をよく比較検討してみることが大切です。
5-2 歯茎のホワイトニングにかかる期間や回数はどのくらい?
歯茎のホワイトニングを検討している方は、必要となる施術の回数や、効果が得られるまでの期間も気になるところです。歯茎のホワイトニングは基本的に1回の施術で大きな効果がみられ、追加で施術を行ったとしても多くの場合2回以内で施術を終えることができます。
薬剤を塗布してからかさぶたが剥がれ、新しい歯茎が再生してくるまで時間がかかりますが、およそ1~2週間でピンク色の綺麗な歯茎を手に入れることができます。効果が持続する期間は2、3年と言われており、歯茎の美しさを維持したい場合は定期的にホワイトニングを実施する必要があります。施術に要する期間や手間はそれほどかからないため、忙しい方や時間がなかなか取れない方でも取り組みやすいと思います。
6.歯茎のホワイトニングのメリット・デメリットについて
6-1 歯茎のホワイトニングのメリット
歯茎のホワイトニングで得られるメリットについてご紹介します。やはり何と言っても黒く変色した歯茎をピンク色に戻すことができますので、健康的で美しい印象の口元を実現できることです。歯のホワイトニングだけ行っても、歯茎が黒ければあまり良い印象は受けませんが、両者を併用することで効果的に見た目の印象を良くすることができます。
黒ずんだ歯茎は年齢を感じさせる原因となりますので、歯茎のホワイトニングを実施することによりいつまでも若々しい印象を保つことができて、気持ちの面でも変化が現れます。歯茎にコンプレックスを感じていた方はもちろん、見た目の印象が重視される職業の方にも適しています。
口元の印象は人のイメージに大きく関係してきますので、歯茎のホワイトニングによって得られるメリットはとても大きいと言えます。
6-2 歯茎のホワイトニングのデメリット
歯茎のホワイトニングは美しい口元を手に入れることができる魅力的な手段ですが、デメリットも存在します。まずすべての歯茎の変色に対応できるわけではないということです。飲食物や喫煙等による主にメラニン色素が原因での歯茎の変色には対応できますが、歯周病等の疾患が原因の変色や、詰め物や被せ物の金属が原因での歯茎の変色等に関しては他の治療法での改善が必要となります。また歯茎のホワイトニング効果についても個人差があるため、期待していた効果が得られない場合もあります。
そして、その効果も永続的なものではなく、およそ2、3年が経過すると元の状態に戻ってしまうため、綺麗な歯茎の状態を維持するには定期的に歯茎のホワイトニングを実施する必要があります。また施術を行う際に、人によっては薬剤が染みて痛みが生じる可能性があるのもデメリットです。施術直後は歯茎が敏感な状態にあるため、飲食や歯磨き等に気を付ける必要もあります。
このようなデメリットはありますが、注意すれば避けられるものもありますし、実施する前にカウンセリングで歯茎のホワイトニングに適している状態かを確認することもできます。疑問点を明確にすることで、ある程度のリスクは避けることが可能です。
6-3 歯茎のホワイトニングに向かないケース
歯茎のホワイトニングが得意とするのは、メラニン色素の沈着が原因で歯茎が黒ずんでいるケースです。歯茎の変色が別の原因である場合には、向いていないこともあります。
具体的な例をあげますと、歯茎の変色が生まれつきであったり、歯周病が原因での歯茎の変色、差し歯や詰め物に使用している金属が原因での歯茎の変色等です。
また、歯茎のホワイトニングに使用する薬剤についてアレルギーのある方や妊娠している方、子供、高血圧等の持病のある方、その他病気で薬を服用している方は歯茎のホワイトニングを受けるべきではありません。どのような歯茎でも綺麗にできるというわけでは無いので、気になる方は歯科医院でよく相談してみることをオススメします。
7.まとめ
いかがでしたか。歯茎のホワイトニングは、黒ずんでしまった不健康な歯茎をピンク色の綺麗で健康的な歯茎に戻すことのできる魅力的な技術です。ホワイトニングを行った歯をより美しく見せる効果もあります。口元が人の印象に与える影響は大きいです。関心のある方は、是非とも検討してみて下さい。
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監修医髙橋貫之先生
本町通りデンタルクリニック
【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
【取得資格・専門医資格】
日本歯周病学会認定 歯周病専門医