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7つの代表的な悪い歯並びとその原因について

1本だけ斜めに生えていたり、捻れていたり、どこか部分的に気になってしまう歯列の乱れはあるものですが、ここでは主に、上下の歯が適切な噛み合わせにならない、不正咬合といわれる悪い歯並びの7つのケースについてご紹介します。

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が前方に傾き、著しく前歯が出ている状態です。従って、口を閉じた際に、上唇が前方に盛り上がってしまったり、唇が閉じにくかったりといった状態になります。専門用語では上顎前突(じょうがくぜんとつ)といいますが、前歯だけが前方に出ている場合と、上顎全体が出ている場合とがあります。

【原因】
顎が小さく、歯が生えるスペースが狭かったり、前歯が大きかったりといった先天的な原因や、舌で前歯を押す癖があったり、子供の頃に指しゃぶりの癖があって前歯を前方に押してしまっていたり、口呼吸の癖があるなどといった後天的な原因があります。

受け口(反対咬合)

歯を噛み合わせた時に、下の歯が上の歯よりも前方になってしまう状態で、通常とは噛み合わせが逆になることから、反対咬合(はんたいこうごう)または下顎前突(かがくぜんとつ)と言われています。下顎が前に出るため、横顔の見た目も悪く、しゃくれた感じになります。

【原因】
先天的な原因としては、上顎よりも下顎の発達が大きかったり、上顎の成長が悪かったりといったことが考えられます。また、後天的な原因としては、下顎を突き出して上唇を噛む癖や、舌を前に突き出したり、下の歯を押す癖などがあります。

凸凹な歯並び(叢生)

上顎前突や反対咬合のように、上下の歯の片側が著しく前方になるのではなく、個別の歯が前後に重なったり捻れたりして、上下の噛み合わせが悪くなるケースです。俗に乱杭歯といわれ、専門用語では叢生(そうせい)といいます。また、犬歯が外側に出ている状態となる八重歯も、叢生の一種です。

【原因】
後天的な癖が原因であれば、上下どちらか一方の歯列が前方に乱れやすくなりますが、叢生の場合は主に先天的な原因が多いといえます。顎の成長が悪く、歯の生えるスペースが十分でなかったために、狭い隙間に無理やり生えようとした結果、歯が前後に重なったり捻れたりという形になります。

前歯が閉じない(開咬)

前歯は、適度な深さ(1.5ミリ程度)で下の前歯と噛み合わさることで、ハサミのように噛み切る機能があります。前歯が接触することができず、噛み込んでも前歯がいつも開いた状態になってしまう状態を開咬(かいこう)あるいはオープンバイトといいます。

【原因】
顎の骨が前後に長かったり、上下の顎の成長のバランスが悪かったり、歯が大きかったりといった先天的な原因による場合と、指しゃぶりや舌で歯を押す癖、口呼吸などといった、生活習慣による原因などが考えられます。

すきっ歯(空隙歯列)

歯の間に隙間が空いている状態で、専門用語では空隙歯列(くうげきしれつ)と言います。前歯の間のみに空間が空いていることもあれば、複数本の歯にわたって、隙間がある場合もあります。

【原因】
上顎前突や叢生など、顎の骨が小さいケースとは逆に、空隙歯列は顎の骨が大きかったり、歯が小さかったりする場合に、こうした隙間ができやすくなります。乳歯期や混合期(乳歯と永久歯がある時期)には、歯に隙間が空いてしまう場合もありますが、永久歯が生えそろう段階で隙間がなくなるケースもあります。

深い噛み合わせ(過蓋咬合)

歯を噛み合わせた時に、下の前歯が上の前歯に、完全に隠れてしまう状態を過蓋咬合(かがいこうごう)と言います。前歯の位置の異常によるケースもあれば、顎自体の位置の異常によって起こる場合もあります。

【原因】
大きな上顎や上下の顎の大きさのバランスが悪いことが主な原因となります。また、生活習慣による原因としては、指しゃぶりや舌の癖などによって、前歯の位置が前方にずれることなどが上げられます。

顎の左右へのズレ(交叉咬合)

上の歯と下の歯は、前歯の間を中心にして噛み合うものですが、噛み合わせが左右にズレてることを、交叉咬合(こうさこうごう)と言います。

【原因】
歯の位置の異常によって、まっすぐに噛み合わさらないケースもあれば、顎自体が少し左右にズレているために、そうなるケースもあります。顎の成長がアンバランスであったり、頬杖や片側のみでの咀嚼といった生活習慣に起因する場合もあります。

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悪い歯並びにはどんな弊害があるの?

悪い歯並びに共通する弊害

悪い歯並びでは、もともと舌のポジションが悪かったり、歯並びが悪いことで舌を適切に動かせない状態になりがちです。また、上手く噛み合わさらないことで、十分に食べ物を噛むことができず、顎にも負担をかけてしまうことになり、頭痛や肩こりの原因にもなり得ます。ます。歯列が乱れてブラッシングが疎かになる箇所では、虫歯や歯周病にもかかりやすくなります。もちろん、歯列の乱れによって口元やフェイスラインも乱れます。悪い歯並びに共通する弊害は下記の通りです。

・咀嚼が不十分になる
・飲み込みにくい
・発音の異常
・顔の変形
・顎関節症(口が大きく空けられなかったり、噛む時に痛みや異音がある疾患)
・胃腸障害(咀嚼が不十分で胃腸に負担がかかることによるもの)
・頭痛や肩こり
・虫歯や歯周病
・内向的になりがち
・各歯並び別の弊害

悪い歯並びには、多少の差はあれ上記のような共通する弊害があるものです。これに加えて、それぞれの悪い歯並び別の弊害を列挙してみましょう。

出っ歯(上顎前突)

口が閉じにくいので、口内が乾燥しやすく、口内環境の悪化を招きがちです。また、前歯が出ているので、前歯に外傷を受けやすいことなども上げられます。

受け口(反対咬合)

受け口も口が閉じにくいので、口内環境の悪化を招くほか、よく噛まずに飲み込んでしまったり、サ行、タ行が発音しにくいといった弊害があります。

凸凹な歯並び(叢生)

見た目の印象が悪いので、歯並びに劣等感を持ちやすくなり、内向的な性格になることもあります。

前歯が閉じない(開咬)

前歯が噛み合わず、奥歯だけで噛むので、食事中にくちゃくちゃといった音が出やすくなったり、サ行、タ行、ラ行が発音しにくくなります。また、奥歯に大きな負担がかかりすり減りが大きいため、奥歯の知覚過敏にもなります。さらに、出っ歯や受け口同様に、口が閉じにくいので、口内環境が悪くなりがちです。

すきっ歯(空隙歯列)

食事でくちゃくちゃという音が出たり、サ行、タ行、ラ行の発音が不明瞭になります。笑顔の印象が悪く、口が閉じにくいため、口内が乾燥しやすくなります。

深い噛み合わせ(過蓋咬合)

口元全体が出っ張ったり、下顎が下がった印象になり、顔の見た目が悪くなり、発音がしにくくなるケースもあります。顎の左右へのズレ(交叉咬合) 歯がまっすぐに噛み合わせることができないため、正面から見た時に、顎が左右に歪んで見えてしまう弊害があります。

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どう治す?悪い歯並び別の治療例

歯並びを治す主な治療法は、ブラケット矯正(固定金具を歯の1本1本に装着してワイヤーで締める矯正法)や裏側矯正(ブラケットを歯の裏側につける方法)、マウスピース矯正(形状の違うマウスピースを段階的に付け替えて理想の歯並びにする方法)などが上げられます。また、歯を移動するスペースを広げるため、抜歯を行うケースもあります。

上顎前突

成人の矯正の場合には、歯を移動するスペースを作るために、抜歯をした後、ブラケット矯正を行うのが一般的です。矯正力の強いインプラント矯正(顎の骨にネジを埋め込んでブラケットの支点にする方法)であれば、歯を抜かないで治療できるケースもあります。また、裏側矯正では前に出た歯を矯正しやすいというメリットがあります。軽度の上顎前突ではマウスピースでも対応可能です。

反対咬合

歯並びだけを治すブラケット矯正では、一般的に上の歯を前方に出し、下の歯を後方に移動することで反対になってしまった噛み合わせを正常に戻していきます。ただし、反対咬合では下顎自体が大きくなっていたりズレていたりというケースもあり、ブラケット矯正に加えて、顎の骨の外科手術が必要となることもあります。

叢生

叢生も上顎前突同様、顎が小さく歯の生えるスペースが少ないことが原因なので、抜歯をした後にブラケット矯正で整える治療法が一般的です。ブラケット矯正で大きく動かした後に、マウスピース矯正で整えるといったハイブリッド矯正などもあります。

開咬

軽度の開咬の場合には、ブラケット矯正で歯の向きを移動することで、前歯が噛み合わさるようにすることもできます。重い開咬で、矯正後も前歯が正常に並ぶスペースがないと診断される場合には、抜歯を伴ったブラケット矯正が必要となります。

空隙歯列

前歯などに部分的な隙間がある場合には、部分矯正(ブラケットを部分的に装着する方法)で対応できることもあります。隙間が歯の各所で見られる場合には、通常のブラケット矯正を行います。また、歯を移動するスペースには余裕があるため、抜歯を必要としない治療が一般的です。

過蓋咬合

一般的にはブラケット矯正で、前歯の位置異常を整えることによって、噛み込み過ぎを改善します。また、歯列の乱れが少なく、大きく移動する必要がない場合にはマウスピース矯正でも対応できます。

交叉咬合

上下の歯列弓(歯のアーチ状の形)を整えることで治療できる場合には、ブラケット矯正で上下の歯の左右へのズレを改善可能です。上下の顎が大きくズレてしまっているケースでは、ブラケット矯正での改善が難しく、顎の外科的な手術が必要となることもあります。

保険の適用が可能な歯並びについて

歯並びを改善することによって、歯の機能や口内環境を改善できますが、見た目を綺麗にするという審美的な側面もあるため、基本的には健康保険が適用されないのが実情です。しかし、先天的な疾患や顎変形症と認定されたものであれば、健康保険を適用することができます。

先天性の疾患

唇顎口蓋裂(上顎や上唇に断裂が生じる疾患)をはじめ、定められた23の先天的な疾患と認められた場合には、保険の適用が可能です。

顎変形症

上顎前突や反対咬合、交叉咬合などで、顎の著しい変形が認められた場合には、保険の適用が可能です。保険の適用には、顎口腔機能診断施設により顎変形症が認められることが一つの条件となります。また、顎の外科手術や入院など、定められたプロセスに従って矯正治療を行うことも条件となっています。

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2022-08-16T15:21:49+00:00