最近話題の目立たない矯正、マウスピース矯正なら周囲に気づかれることなく歯科矯正を行うことができます。歯医者さんで行うマウスピース矯正の他、市販のものや通販のものなど気軽に試すことができるものもあります。それぞれのメリットやデメリット、気になる費用や効果などをまとめてみました。
この記事の目次
市販のマウスピースは効果があるのか
市販されているマウスピースはスポーツ用品店などで手に入ります。大きなメリットは低価格で手に入れられるということです。しかし、自分で作成しなければならないため、手間がかかるだけでなく細部の調整が困難なことなどのデメリットが考えられます。
また、市販されているマウスピースは歯科矯正用ではないため、歯を動かすことができません。スポーツマウスガードとも呼ばれ、運動中に装着して外部からの強い衝撃や転倒などから歯や顎を守るために使用します。歯科矯正をお考えの方には効果がないので注意が必要です。
通販のマウスピースは効果があるのか
通販のマウスピースも市販のものと同様でスポーツ用のものやいびきや歯ぎしりなど睡眠中のトラブルに対応する目的で販売されています。自分で作成しなければならず、微調整も困難です。価格は市販のものと同様に低価格ですが、歯科矯正の効果はなく歯を動かすことはできません。
歯医者さんで行うマウスピース矯正
歯医者さんでもマウスピースを作成することはできます。スポーツ用、いびきや歯ぎしり用、顎関節症改善を目的としたものなど症状によってさまざまなものを提案してくれます。
歯科矯正をお考えの方にはマウスピースの装置をつくることも可能です。マウスピースによる歯科矯正は、装置が目立たないことや取り外しが自由なのでケアしやすいことなどのメリットがあります。
最新の矯正「マウスピース矯正」
歯科矯正で噛み合わせや歯列を整えることは、お口の中の健康を維持することができるようになるだけではありません。全身のバランスを改善することも期待できます。
しかし、接客業だったり、人前に立つ機会が多かったりと目立ってしまう矯正装置をなるべくつけたくないと考える患者さんが多いのも実情です。
目立たない素材を使用した歯科矯正もありますが、周囲には気づかれてしまいます。そこで、最新のマウスピースを使用した歯科矯正がおすすめなのです。今までのブランケットを使った歯科矯正とは大きく異なり、透明なマウスピースを使用した矯正のため、自由に取り外しができ、食事やブラッシングなども不自由なく行えます。
全世界で広く使用されているマウスピース矯正は、アメリカのアライン社が手掛けたインビザラインです。1997年に開発をされてから現在も患者数は増え続け、世界各国で39万人以上の実績があります。日本では2006年から導入され、見た目を気にしなくても矯正が行えると、人気が高まっています。
治療の仕組み
インビザラインはブランケットを使わず、透明なプラスチックのマウスピースで歯を動かす新しい矯正方法です。マウスピースは1日20時間以上の装着が必要ですが、食事やブラッシングの時は外すことができます。
使用するマウスピースはパソコンでシュミレーションされた歯の動きに合わせて2週間ごとつくり替え治療を進めます。症例によっては最終調整でワイヤーを使うこともありますが、とても短い期間です。
また、インビザラインと同じように透明なマウスピースを使用する歯科矯正クリアアライナーは、韓国の矯正専門医によって開発されました。治療の仕組みや適応症例はインビザラインとほとんど同じですが、それぞれの治療法によって装着感や審美性、費用などが異なります。
また、マウスピース矯正には適応症があり、すべての症例を治療することができるわけではありません。ご自身の歯並びを歯医者さんで検査し、治療ができるか相談をする必要があります。
適応症 | 非適応症 |
・抜歯せずに治療が可能な場合 ・抜歯する場合でも歯の根を移動しなくてよいな場合 ・最終治療ではブラケットを使用した矯正が可能な場合 ・既定の時間以上の装着ができる方 |
・顎の位置が上下や左右に大きくずれている場合 ・歯が大きくがたついていて抜歯が必要な場合 |
治療の流れ
インビザラインやクリアアライナーはどちらもコンピューターを使ってマウスピースを作成し、シミュレーションした歯の動きに合わせてマウスピースをつくり替えて理想的な歯並びへと導きます。
インビザラインではマウスピースをアメリカでつくるため手元に届くまでに約1ヵ月かかるのに対し、クリアアライナーは日本でつくるので3週間ほどで治療を開始することができます。2週間ごとに通院し、検査を行って新しいマウスピースを受け取ります。この際インビザラインは型どりは初回のみですがクリアアライナーでは毎回型どりをしなければなりません。
使用方法は簡単です。ブラッシングと食事の時以外はなるべく装着して毎日生活をします。インビザラインでは1日20時間、クリアアライナーは17時間以上の装着が必要ですが、取り外しが可能なため、装着時間が短いと、歯の動きは充分ではなく治療が長引いてしまうので注意が必要です。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
2つのマウスピース矯正にはメリット、デメリットがあります。それぞれの特徴をよく理解し、選択することは治療の成功率を高めるためにも大切です。
メリット | デメリット |
<共通>
・矯正装置が目立たないため周囲に気づかれない <インビザラインの場合> <クリアアライナーの場合> |
<共通>
・取り外しが簡単にできるため、ついさぼってしまうことがある。既定の装着時間を守らないとうまく矯正されない <インビザラインの場合> <クリアアライナーの場合> |
矯正治療中の注意
マウスピース矯正治療中は取り外しが可能なマウスピースで矯正を行います。煩わしいからといってすぐに外してしまっては効果が出ません。決められた時間をしっかりと守り、ゴールを目指して取り組みましょう。
また、食後のブラッシングはもちろん装置を清潔に保って虫歯や歯周病の予防をしましょう。2週間ごとに通院し、矯正の進行状況の確認、装置の調節などを行う必要があります。
子どものマウスピース矯正
本来、インビザラインは大人のために開発された治療法です。しかし、メーカーによっては子どもも使用できるマウスピース矯正装置が用意されています。見た目を気にする思春期の子どももマウスピース矯正ならコンプレックスを感じません。また、使用時の不快感、ブラッシングなどのケアなどを考えてもマウスピース矯正は子どもにもおすすめです。
いつから始めたらいい
症例によって、マウスピース矯正を始める最適な時期は異なります。子どもがマウスピース矯正を行う際は、乳歯がすべて抜け、第2大臼歯を含むすべての永久歯が生えそろう時期に開始するのがいいとされています。
なぜなら、矯正治療はすべての永久歯を正しい位置に整えるのが目的だからです。子どもはまだ発達の途中のため、顎の骨は成長を続けています。本格的に矯正を行う前に事前矯正を行うと目標の高いゴールが目指せます。
事前矯正では子ども用の矯正装置を年齢に合わせて選び、将来、きれいな歯並びを実現させるための準備をします。どの時期に、どのような矯正を行うか、症例によっても異なるので歯並びが気になったら、まずは歯医者さんに相談するといいでしょう。
大人に比べて期間は長い?短い?
子どもの矯正は大きく2つの時期に分けて行います。乳歯がまだ残っていて永久歯が生えそろっていない時期には事前矯正を行います。この時期を考えれば大人よりも長くなってしまいます。治療期間は症例によっても異なるので歯医者さんで検査をしたうえで相談してみましょう。
こんな人にはマウスピース矯正がおすすめ
マウスピース矯正のメリットは目立たないことや装着感に違和感が少ないことです。以前ブラケットによる矯正がうまくいかなかった方、接客のある仕事の方や、人前に立つ機会が多い方にはおすすめです。また、見た目を気にする思春期のお子さんも抵抗なく歯科矯正を行うことができます。
まとめ
マウスピース矯正にはいろいろな種類があります。その種類ごとにメリット、デメリットがあり治療期間や費用も異なります。また、症例によっても行えない治療法もあるので、マウスピース矯正が気になったらまずは歯医者さんに相談してみましょう。
特に子どもの場合は最適な開始時期を逃してしまわないよう、普段から定期検診に通い、歯医者さんと相談をしながら無理のない歯科矯正すると失敗の少ない納得できる治療が受けられます。
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