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歯列矯正は歯並びだけを治療するものと考えられていますが、実は、歯並びを整えれば、それが全身にいい影響を与えることもあるのです。歯並びと身体の関連性についても、1度詳しく知っておいてみてはいかがでしょうか。

この記事の目次

肩こりの原因は歯並び・噛み合わせの悪さ?

顎周りの筋肉が原因

噛み合わせが悪いと、咀嚼や顎の開閉時に顎に負担がかかります。すると、顎周りの筋肉が硬直して血行が悪くなり、筋肉が痛くなるなどの不調が表れます。この筋肉の緊張は、最初は顎周辺だけで済むかもしれませんが、だんだんと全身へと広がります。それが肩こりとして表れるのです。

顎と肩は位置的にも近い

肩は顎と比較的近い場所にあります。そのため、筋肉の硬直が影響しやすく、その他の部位よりも不調が発生しやすくなります。他にも、頭痛や首の痛みがあるなら、それは顎の関節の不調が影響しているのかもしれません。

その他の部位の不調も歯並びが関係

歯並びが悪い、噛み合わせが悪いと、咀嚼に問題が表れるだけでなく、頭痛、腰痛、耳鳴り、不眠症など、さまざまな不調が表れます。手足のしびれや顔の歪みなどに発展することもあり、侮ることはできません。

矯正中も肩こりが発生する?

歯並びを正している途中である矯正中も、肩こりが発生することがあります。これは、歯の移動する痛みが関係しています。人は痛みに耐えるために食いしばることがありますが、それが筋肉を緊張させてしまい、肩こりを発生させるというメカニズムです。この肩こりには個人差がありますが、一時的に強く表れる可能性もあります。

噛み合わせを改善して肩こり解消を

自宅でもできる肩こり解消法

自宅で歯並びや噛み合わせを改善して肩こりを解消するなら、以下の方法を試してみるといいでしょう。続けてみると、だんだんと肩こりが改善されていくかもしれません。

・左右の歯をバランスよく使うこと

顎の関節に負担をかけないためにも、顎の左右を均等に使うことが大切です。どちらか一方の顎で食べ物を噛む癖があると、片方の関節に負担を掛ける結果に。できるだけ左右の歯をバランス良く使う意識を持ちましょう。

・うつ伏せ、頬杖など、顎に負担のかかる癖をやめる

寝姿勢は顎周りに負担をかけます。うつ伏せ寝は寝姿勢の中でもとくに負担をかける姿勢で、顎関節症などの原因にもなり得るのです。就寝時間は長時間に及ぶため、影響はより大きくなります。
他にも、頬杖は顎を下から上へ突き上げる力がかかるので、関節に負担がかかる悪癖です。

・歯の食いしばり、歯ぎしりを改善する

寝ている間に歯ぎしりをしていませんか?歯ぎしりは数十kgもしくは100kg以上もの力が顎にかかるといいます。また、歯ぎしりをすることで歯の表面のエナメル質が剥がれ、歯が染みるなどの知覚過敏が発生することも。
寝ている間のことは自分では確かめられませんが、歯ぎしりをする人は日中から食いしばる癖があると言われます。まずは自身に食いしばりの癖がないか、思い返してみましょう。
普段から重い荷物を運ぶなどの仕事をしている人は、食いしばる癖を持っていることが多いので気をつけてください。肩こりを助長している可能性があります。
もし、寝ている間の歯ぎしりが改善されないのであれば、ナイトガードなどと呼ばれる歯ぎしり専用のマウスピースを使ってもいいでしょう。矯正歯科などでも作ってもらえます。

・舌の位置を正しい位置に

舌が常に歯に触れていたり、下方に落ち込んでいるなら、上顎につけるように修正していきましょう。舌の位置が正しくないと、舌が前歯を押してしまったりして歯並びが乱れ、それが原因で噛み合わせが悪くなります。

・口呼吸を治す

口呼吸は、口周りの筋肉のバランスを崩す原因になります。それが原因で顎周りの筋肉が緊張し、肩こりへと発展しているかもしれません。そのため、口呼吸から鼻呼吸へと切り替える努力をしましょう。

・マッサージで緊張をほぐす

肩こりを改善したいなら、マッサージで緊張をほぐすようにしてください。血流がよくなり、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。ストレスを感じやすい人にもおすすめです。
マッサージを行うときには、スプーンを使います。スプーンを口の中に入れたら、頬の内側の粘膜にスプーンの丸みを当てます。この時、頬を引き伸ばすように上下に動かします。まんべんなく上下させるようにして、30回程度繰り返しましょう。

矯正が必要かもしれない顎の状態

さて、噛み合わせが原因で肩こりが発生しているのなら、歯列を整えることも重要です。以下のような状態の人は、歯列矯正が必要な可能性がありますので、ぜひ一度歯医者さんに相談してみてください。

・上の歯が下の歯を1/3以上隠しており、下の歯の隠れ方が多い

・奥歯で噛んでも、前歯に隙間ができる

・前歯の上下の真ん中の線が一致せず、どちらかにズレる

・口を開けると顎が鳴る

・頬を噛むことがある

・顎の関節が疲れる

・歯ぎしりなどの癖がある

セルフケアでどうにかなればいいですが、どうにもならない場合は根本原因を取り除くことが必要です。思い当たる項目があれば、歯列矯正が必要かどうか調べてみてください。つらい肩こりから逃れるためにも大切なことです。

不正咬合の主な治療法

マルチブラケット装置の装着

不正咬合とは、噛み合わせが悪いことをいいます。ワイヤーブラケット法などは悪いかみ合わせを治療する方法としてよく用いられるもので、専用の器具や装置を装着して歯を動かしていきます。
他にも、歯の動かす幅が少ない場合などは、マウスピースを使用した矯正方法もあります。マウスピースは取り外しが効きますが、一定時間装着しないと思ったような歯並びにならないこともあるという欠点を持ちます。また、マウスピース矯正は誰でもできるわけではなく、対応できる症状が限られます。その点を踏まえて、歯医者さんの事前の相談が大切になります。

抜歯

歯並びが悪い場合は抜歯することもあります。抜歯した上でワイヤーブラケット法を使って不正咬合を整えるなどの治療を行っていきます。特に出っ歯とも言われる、上顎前突症などの歯列矯正の場合は、抜歯が伴うことが多いです。

インプラント治療

インプラント治療では、人工義歯を埋め込んで歯並びを整える治療を行います。抜歯をしてインプラントと呼ばれるねじ状の部品を顎に埋め込んだら、骨と馴染んだところで人工義歯を被せます。
入れ歯のように、健康な他の歯を削る必要がなく、普通の歯と同じように手入れをすることができるのもいい点です。しっかりものが噛めるので、顎周りにも負担をかけず、肩こりの改善にも一役買うでしょう。

外科治療を伴う治療法

外科治療とは、外科的な手術が伴う治療のことです。例えば、出っ歯の治療をするときには、歯並びをある程度整えた後で顎の骨を切断し、移動させて顎の噛み合わせを正していきます。
顎の骨を削ったりスライドさせたり、歯列矯正だけではなく大がかりな手術が必要なのが外科治療です。大がかりで入院も必要ですが、その分歯列矯正では治らなかった症状も改善させることができます。

その他、ヘッドギアの装着等も

歯列矯正治療の中には、ヘッドギアを装着して歯を移動させるという方法もあります。取り外しが効くため、ひと目が気になる人にはおすすめの歯列矯正法です。
他にも歯列矯正には方法があり、例えば歯の表面を薄く削って、セラミックで補填するセラミック矯正や、歯が噛み合う部分へレジン(歯科用プラスチック素材)で補填をして噛み合わせを改善する方法など、さまざまな歯列矯正の手段があります。

まとめ

肩こりに悩んでいる人は、一度歯並びなどを確認してみましょう。もしかして歯並びが悪い、出っ歯や受け口等の噛み合わせに異常があるなどの症状があれば、もしかしたらそれが原因で肩こりが発生しているのかも…。
歯列矯正をしたからといって必ず肩こりが治るわけではありませんが、歯列矯正をすれば肩こりが改善する場合もあります。悪い噛み合わせは身体にさまざまな悪影響を与えますので、一度歯並びを整えて、肩こりなどの悩みを改善してみるといいかもしれませんね。

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2022-08-16T15:10:58+00:00