この記事の目次
リテーナーの種類や装着の仕方について
矯正装置によって歯並びが整い、その矯正装置を外した後に、後戻りや歯列の乱れを防止するための装置がリテーナーです。保定装置とも呼ばれています。リテーナーを大別すると、取り外し可能のタイプと固定式のタイプがありますが、取り外しできるタイプが一般的なものとなります。
【取り外し可能タイプ】
ベッグタイプ
樹脂とワイヤーを組み合わせたリテーナーで、樹脂部分は歯を裏側から押さえ、ワイヤー部分で表側から歯列全体を保定します。リテーナーはこのベッグタイプが多く使われています。装着の仕方は、ワイヤー部を歯列に合わせた後、樹脂の部分が裏側の歯列にはまるように手で押し込む形になります。
ホーレータイプ
ホーレータイプはベッグタイプと同様に、樹脂とワイヤーを組み合わせたリテーナーです。樹脂部分が歯の裏側になり、ワイヤーが歯の表側になるのもベッグタイプと同じです。その違いは、ベッグタイプが歯列全体を保定するのに対し、ホーレータイプは主に前歯をワイヤーで保定するものです。装着の仕方は、ベックタイプと同様です。
マウスピースタイプ
樹脂を使ったマウスピース型のリテーナーで、ソフトリテーナーやトゥースポジショナーとも呼ばれています。ワイヤーを使わない透明の素材なので、装着時に目立ちにくいのが特徴です。歯の形に沿って位置を合わせた後、手で押し込むように装着します。
【固定式タイプ】
ワイヤー固定式
ワイヤーを歯の裏側などに接着剤で固定するタイプのリテーナーです。自分で取り外すことはできませんが、取り外し可能タイプのリテーナーよりも、装置が目立ちにくいものです。自分で取り外せないので、ブラッシングをしにくいといったデメリットがあります。
リテーナーの装着期間はどのくらい?
リテーナーの装着期間は、矯正装置をつけていた期間と同じくらいが一つの目安です。つまり、矯正装置を2年間付けていたなら、保定期間も2年程度になります。ただし、その間リテーナーを付けっぱなしにするのではなく、歯列が安定していくとともに、徐々に付ける頻度を減らしていく形になります。
最初の1年程度は24時間装着
矯正装置を外してから1年程度は、基本的には食事やブラッシング時を除いて、毎日24時間、リテーナーを装着します。というのも、矯正装置を外した直後は、歯槽骨(歯を支える骨)の形成が不十分で、歯が動きやすく後戻りをしやすいからです。リテーナーを付けることで、整えた歯列をキープしながら、歯がしっかり噛み合うようにしていきます。
徐々にリテーナーを付ける時間を短縮
リテーナーを装着してから、およそ1年を経ると、歯槽骨が矯正後の歯列に従って形成され、歯列が安定してきます。リテーナーを付ける時間を、少しずつ短縮していき、最終的には夜間のみリテーナーを付けるようにします。この頃には、噛み合わせがかなり安定しているものです。
歯医者さんと相談して保定を終了
リテーナーを使うのをやめるタイミングは、歯医者さんと相談して決めることになります。ただし、歯は徐々に動くものなので、矯正を完了後の歯並びを、長く維持したいのであれば、定期的に歯医者さんでチェックして、必要であればリテーナーの装着を継続し、適宜ズレなどを確認してもらうようにしましょう。
リテーナーを取り扱う注意点
飲食中は取り外すこと
ブラケット矯正(歯の表面にワイヤーを固定する矯正法)と比べると、リテーナーは壊れやすいものです。特に、リテーナーをつけたまま、食事をすると、樹脂の部分が割れたり、樹脂とワイヤーの接合部が損傷する可能性があります。食事だけでなく、飲み物を飲む時にも外すようにしましょう。
リテーナーを外した際の破損に注意
リテーナーを外した時には、専用のケースや固い入れ物に入れておきましょう。ティッシュや布などに包んで持ち歩くと、樹脂が割れたり、樹脂とワイヤーの接合部が外れたり、ワイヤーが歪んだりしがちです。
専用の洗浄剤を使う
リテーナーには専用の洗浄剤があります。入れ歯の洗浄剤のように、浸けておくことで、洗浄や除菌を行うものです。歯ブラシなどで汚れを落とす際は、リテーナーを破損しないように気をつけましょう。
激しい運動の際は外す
矯正装置を外して、リテーナーに切り替えたばかりのときは、1日中装着することが望ましいものですが、激しい運動をする際には、装置の破損のおそれがあるので、リテーナーを取り外すようにしましょう。
自分で調整しないこと
装着時に、いつもと違う違和感があったり、痛みを感じたりした場合には、自分でワイヤーを調整しないようにしてください。違和感を感じたら、すぐに、歯医者さんでリテーナーの再調整をしてもらいましょう。
リテーナー使用中のよくあるトラブル
話しづらく感じる
リテーナーを装着して間もないころは、矯正装置を付けはじめた頃と同様に、多少の違和感があるものです。舌が当たって、話しづらくなることもあります。これは、矯正装置と同様に、1週間程度経てば次第に解消されるものです。もし、違和感がずっと続くようなら、歯医者さんでリテーナーを調整してもらいましょう。
装着中に痛みがある
リテーナーは矯正装置と違って、装着に痛みを伴うようなものではありません。どこかがきつく感じたり、歯茎に当たってしまうといった痛みを感じたら、歯医者さんで再調整をしてもらう必要があります。前述した通り、自分で調整しないように気をつけましょう。
リテーナーの汚れがひどい
リテーナーの汚れは、専用の洗浄剤や歯ブラシなどによるブラッシングで落としますが、汚れが落ちにくい場合には、市販の入れ歯洗浄剤を使っても問題ありません。もし、汚れが改善されない場合には、歯医者さんに相談してみましょう。
リテーナーの破損
リテーナーは、樹脂の部分にヒビが入ったり、ワイヤーの接合部分が外れたり、ワイヤーが歪んだりというトラブルがあるものです。装着時に歪みや痛みを感じたら、すぐに歯医者さんで再調整してください。
まとめ
リテーナーは、矯正治療において、最後の仕上げとなる欠かせないプロセスです。矯正装置を付けていた期間と、同じくらいの期間がかかるものですが、歯を支える骨がしっかりしてくれば、リテーナーを付ける頻度を減らしていくことができます。自分で取り外しができるからといって、決められた装着時間を崩してしまうことのないように、頑張って保定しましょう。また、装着の痛みや破損があった場合には、放置せず、すぐに歯医者さんで再調整や修理をおこなってください。
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