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この記事の目次

矯正治療の主な4つのストレス

矯正のストレスは、大きく分けて主に4つあります。それは、痛みによるストレス、違和感によるストレス、目立つことによるストレス、治療期間が長いことによるストレスです。詳しくご説明しましょう。

痛みによるストレス

歯が動く痛み(ブラケット矯正、マウスピース矯正)

歯が動くときの痛みは、人それぞれ感じ方が違いますが、歯の根っこあたりに鈍痛を感じたり、歯が浮くような感じになったりします。これは、歯の周囲の組織が圧迫されるためです。

主に、初めて装置を付けた際や、ワイヤーの再調整をした後などに感じるもので、1週間くらいまでにピークを迎えると、その後は和らいでくるものです。

ブラケット矯正(歯にワイヤーを固定して、ワイヤーの弾力で歯を動かす矯正法)と比較すると、マウスピース矯正(マウスピースを定期的に交換しながら、徐々に歯を動かす矯正法)の方が、痛みの度合いは軽いものです。

食事をする際の痛み(ブラケット矯正)

歯が動く痛みがあるときには、特に食事で噛む時に、その痛みを強く感じるものです。特に、歯が動く痛みがピークにあるときには、噛む時の痛みもピークになります。しかし、歯が動く痛みと同様に、次第に和らいでくるものです。

装置が口内に当たる痛み(ブラケット矯正)

ブラケット矯正では、ブラケット(歯にメインワイヤーを固定する器具)やリガチャーワイヤー(メインワイヤーをブラケットに固定するためのワイヤー)が口内に当たって痛みを感じることがあります。

表側矯正(歯の表側にブラケットを付ける矯正法)では頬の内側に、裏側矯正(歯の裏側にブラケットを付ける矯正法)では舌に、装置が当たって痛みを感じることがあります。

口内炎による痛み(ブラケット矯正)

ブラケット矯正の装置が口内に当たると、そこが口内炎になりやすいものです。表側矯正の場合には唇や頬の内側、裏側矯正の場合は装置が当たる舌などが、口内炎になりやすい部分となります。

口内を噛んでしまう痛み(ブラケット矯正)

装置に慣れない間は、頬の内側や舌など、口の中を誤って噛んでしまうこともあります。また、措置によって徐々に歯が動き、噛み合わせも変わってくるので、噛む感覚にもズレが生じ、口内を誤って噛むことも多くなります。しかし、歯並びが改善されてきた証でもあります。

違和感のストレス

食べかすが引っ掛かる(ブラケット矯正)

ブラケット矯正では、どうしてもワイヤーと歯の間に、食べかすが引っ掛かるものです。食事では、とても違和感があるものですが、次第に慣れてくるものです。表側矯正よりも、裏側矯正の方が引っかかりやすくなります。

話しにくくなる(裏側矯正)

裏側矯正では、装置が舌に当たるので、舌のポジションがうまく定まらない違和感もあり、話しにくくなるものです。しかし、装置に慣れるに従って、話にくさも次第に解消されてきます。

また、何もしないときの舌のポジションは、歯に接触せず、上の前歯の手前に舌先が収まるものです。裏側矯正には、悪い舌癖を改善するメリットもあるのです。

ブラッシングに手間取る(ブラケット矯正)

ワイヤーについた食べかすや、装置と歯の境目の歯垢などを取るために、ブラッシングに手間取ってしまうものです。特に、裏側矯正の場合には、汚れのある箇所などを見づらいので、適切なブラッシングがしにくくなります。しかし、慣れてくれば、日々のセルフケアの煩わしさも軽減されるものです。

見た目が気になるストレス

装置が目立つ(表側矯正)

表側に装置をつける場合には、どうしても人目についてしまうものです。こうしたことを気にしない方であれば、特にストレスにはなりませんが、職業上人目に気を使う方などの場合、装置が目立たないように口元を隠すなどといったことに、ストレスを感じることもあります。

また、会食する際には、装置につく食べかすが目立ってしまうというのも、大きなストレスになります。

口元が盛り上がって見える(表側矯正)

装置を表側につけると、装置の厚みによっては、口元が盛り上がって見える場合もあります。極端に突き出るわけではありませんが、人によっては口元の印象が変わってしまうことに、ストレスを感じる方もいるはずです。

治療期間のストレス

長期におよぶ装置の装着

矯正治療は年単位の治療期間がかかるものです。部分矯正(前歯など部分的にブラケットを装着する矯正法)では、半年から1年程度ですが、全体矯正では、およそ1年半から3年程度かかるものです。上記でご紹介したストレスは時間とともに慣れてくるとはいえ、装置を長期間付け続ける煩わしさがあるものです。

定期的な通院が必要

ブラケット矯正では、1ヶ月に1回程度、装置のチェックやワイヤーの調整をするために、通院が必要となります。マウスピース矯正では、ブラケット矯正よりも通院頻度は低くなりますが、定期的なチェックが必要です。

長期間の保定が必要

矯正治療は、矯正装置が取れたら終わりではありません。特に装置を外した直後は、後戻りしやすいので、保定(歯を支える骨が安定するまで、整えた歯列を保つこと)が必要となります。

矯正装置を外した後は、リテーナー(マウスピースなどの保定装置)という装置に切り替えますが、矯正装置を付けていた期間と同じくらいの保定期間が望ましいとされています。

 

 

痛みや違和感のストレスを改善する方法

1章でさまざまなストレスをご紹介しましたが、これから矯正を始めたいと思っている方は、ちょっと尻込みしてしまうかもしれません。しかし、歯並びをきれいにしたいという思いがあれば、誰でも必ず乗り越えられるものですし、こうしたストレスを軽減する方法もいろいろあります。

【自分でできる痛みの改善】

ワックスやプレイスガード

ブラケット装置が歯に当たる痛みを解消する方法として、ワックスやプレイスガードがあります。特に、痛みが出やすいところや、口内炎ができやすいところは、装置をワックスでカバーすることで改善できます。また、プレイスガードは装置全体を覆って、装置が当たる痛みを改善するもので、リップガードとも呼ばれています。

ソフトプレート

ソフトプレートは、歯が動く痛みを和らげるためのアイテムです。歯のアーチに沿った形をした柔らかい素材で、痛みを感じたときにこれを10回程度噛むことで、痛みを和らげます。別名では、ソフトウエハースとも呼ばれています。

歯茎のマッサージ

矯正では、歯茎に圧力がかかるので、炎症や血行障害が起こります。これが歯が動く痛みにつながります。電動歯ブラシなどで、歯茎の表面をマッサージし、血行を促進することで、こうした痛みを軽減することができます。

痛み止め

歯が動く痛みがピークを迎え、食事でお米を噛むのさえ痛いと感じる場合もあります。どうしても我慢できないときには、市販の痛み止めを服用して、痛みのピークを軽減しましょう。

【痛みの少ない装置による改善】

薄いブラケット装置

装置が口内に当たる違和感や痛みは、薄くて滑らかなブラケット装置を選ぶことでも、軽減できます。特に、裏側矯正では舌が装置に当たり、話しにくくなる違和感があるものです。

装置をその人の歯の形状に合わせて、薄く角が滑らかな形にカスタムメイドできる、インコグニトやハーモニーといった裏側矯正システムもあります。

セルフライゲーションブラケット

一般的なブラケットが歯にかける力の、およそ数百分の1程度の力で、歯を効果的に動かす先進的な装置が、セルフライゲーションブラケットです。

一般のブラケットと違い、ブラケットにワイヤーを固定せず、ワイヤーが自由に動くようになっています。歯が動く痛みも少なく、装置がシンプルなので、装置が口内に当たる痛みも少ないものとなっています。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、少しずつ形の違うマウスピースに付け替えて、歯を動かすもので、ブラケット矯正と比べると、とても痛みの少ない矯正法です。自分で取り外しが可能なので、食事やブラッシングの際の煩わしさもありません。ただし、歯列を大きく動かす必要のある不正咬合には不向きです。

【違和感の改善】

食べかすが引っ掛かる違和感の改善

ブラケット矯正では、食べ物を噛み切りにくくなるものです。装置に慣れないうちは、咀嚼がぎこちなくなり、食べかすも挟まりやすくなります。

ですから、噛み切ることは避け、できるだけ小さく切ってから、口に入れることを心がけ、挟まりやすい食べ物は避けるようにしましょう。慣れてくれば、何でも食べられるようになるものです。

話しにくくなる違和感の改善

裏側矯正においては、舌が装置に当たるので、話しにくくなるものですが、慣れてくれば次第に解消されるものです。薄い装置をカスタムメイドできる裏側矯正システムを使えば、話しにくい違和感も少なくなります。

ブラッシングのしにくさを改善

歯とワイヤーの間にはさまる食べかすや、ブラケットの周囲の歯垢などは、今まで通りの歯ブラシによるブラッシングでは、落としにくいものです。毛束の細いワンタフトブラシなどを使うなど、ブラシを変えると、ブラッシングがしやすくなり、セルフケアの煩わしさが軽減されます。

 

 

目立つストレスを軽減する方法

審美ブラケット

金属性のブラケットは、薄くて強度がありますが、歯の表側に付けると、ギラギラした印象になって、見た目がとても悪いものです。特に女性は躊躇してしまうはずです。

しかし、現在では透明や白のブラケットやワイヤーもあり、審美ブラケットと呼ばれています。装置の色が変わるだけでも、口元を明るい印象にすることができます。

裏側矯正

歯の裏側にブラケットを付ける裏側矯正は、もっとも目立たない矯正法です。矯正していることを伝えなければ、家族でも気付かないほど目立たないものです。また、会食時にも装置に引っかかった食べかすが目立つことも少ないものです。見た目の印象に気を使う職業に就いている方などにも最適です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、薄く透明な樹脂なので、装着すると歯になじみ、とても目立ちにくくなります。1日20時間以上の装着が目安ですが、自分で取り外しが
できるので、食事やセルフケアでの煩わしさもありません。

 

 

長い治療期間のストレスを軽減する矯正法

セルフライゲーションブラケット

前述した通り、セルフライゲーションブラケットは、痛みの少ない先進の矯正装置です。メリットはそれだけでなく、適切な弱い力をかけることによって、歯周組織の新陳代謝を生かし、効果的に歯を動かすことができます。従って、治療期間の短縮も見込めるものです。

インプラント矯正

一般のブラケット矯正は、奥歯などの動きにくい歯を支点にして、歯列を引っ張るものです。しかし、支点とする歯自体も動くので、大きな力を加えることができません。そこで生まれたのがインプラント矯正です。

これは、顎の骨に埋め込んだチタン製のネジを支点とすることで、強い力を加えることができ、短期間で歯列を動かすことが可能です。インプラントの手術は局所麻酔により20分程度で終わる簡単な手術です。

外科手術を併用したスピード矯正

一般の矯正は、歯に力を加えることで、歯槽骨(歯を支える骨)が歯を収める穴の向きを 変えていくというものです。外科手術を併用したスピード矯正は、歯槽骨に切れ目や亀裂 を入れることで、歯槽骨自体を動かすというものです。

わずか2時間程度の手術ですが、これにより土台となる骨から動かすことができるので、治療期間の大幅な短縮が見込めます。ただし、あくまで外科手術となりますので、術後の腫れなどに対しては充分に備える必要があります。

 

 

まとめ

矯正のさまざまなストレスを知ってしまうと、矯正治療を躊躇してしまう方もいるかもしれません。しかし、あらかじめ知っておいた方が、心の準備ができます。もちろん、ストレスを軽減する方法もあります。さらに、矯正法を選ぶことで、最初からストレスを少なくすることもできます。ご紹介したストレスの中で、これはどうしても避けたいところがあれば、歯医者さんにその思いをしっかりと相談してみてください。きっと、自分にとってベストな矯正法が見つかるはずです。

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2022-08-16T15:03:13+00:00