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主な4つの治療法と治療期間の目安

大人の矯正では、矯正装置別に大きく分けると、ブラケット矯正とマウスピース矯正があります。ブラケット矯正では、ブラケット(歯にワイヤーを固定する器具)を装着する部位によって、さらに矯正法の呼び名も変わります。ここでは、主な4つの矯正法の治療期間をご紹介します。ただし、歯列の状況や治りやすさの個人差によっても変わるものなので、あくまで目安としてください。

表側矯正 およそ2年から3年程度

歯の表側にブラケットを付ける、もっとも一般的な矯正方法です。歴史の古い治療法で治療実績があるので信頼性が高く、さまざまな不正咬合に幅広く対応することができます。装着しやすく、定期的なワイヤーもしやすいので、大きの歯医者さんで広く扱われています。

裏側矯正 およそ3年程度

歯の裏側にブラケットを付ける矯正法が、裏側矯正です。表側矯正と違って、歯の裏側に装置が隠れるので、治療中もまったく目立たないものです。ただし、表側矯正よりも一般的に矯正期間が長くなります。

マウスピース矯正 およそ1年から2年程度

マウスピース矯正は、理想の歯並びに向かって、少しずつ形の異なるマウスピースに交換していくことで、歯列を整える矯正法です。大きな歯列の乱れを治すのには不向きで、マウスピースで治せる軽度な歯列の乱れを扱うので、ブラケット矯正と比較すると、矯正期間は短くなります。

部分矯正 およそ半年から1年程度

1本から数本の部分的な歯列の乱れを矯正するのが部分矯正です。ブラケットで矯正する場合もあれば、マウスピースで治せる場合もあります。歯列全体を矯正するものではないので、矯正期間はもっとも短くなります。
※ただし、上記でご紹介した期間の目安は、矯正装置を付けている間の期間です。矯正全体の期間に関しては、次章で詳しくご紹介します。

矯正,期間,平均

矯正治療の流れとそれぞれにかかる時間

【初期相談から診断まで】およそ1ヶ月から2ヶ月程度

1.初診相談 およそ30分から1時間程度
歯並びの悩みなどをカウンセリングし、矯正治療のおおまかな説明をします。

2.精密検査 およそ30分から1時間程度
診断をするために必要な情報を収集するため、レントゲン撮影や問診などを行います。

3.診断 およそ1時間程度
診断結果を元に、歯医者さんが治療プランを立てた後、治療方法や治療期間、治療にかかる費用などについて説明します。

【矯正期間】 矯正法別の期間の目安は1章をご参考のこと

4.矯正装置の装着 およそ1時間から1時間半程度
ブラケット矯正の場合は、ブラケットを歯に固定して、ワイヤーを取り付ける施術を行います。マウスピース矯正の場合は、出来上がったマウスピースを受取り、装着を開始します。

5.装置の調整 1ヶ月に1回程度
ブラケット矯正の場合は、定期的に通院して、ワイヤーの調整を適宜行いながら、歯の移動をコントロールしたり、緩んでいるワイヤーを直したりします。マウスピース矯正では、定期的に新しいマウスピースに交換します。交換頻度はマウスピースメーカーによって異なりますが、2週間から6週間に1回程度となります。

【メンテンナンス期間】 およそ1年程度

6.保定
保定とは、装置による矯正が完了した後、歯列が後戻り(元の歯並びに戻ること)しないように、マウスピースなどの保定装置(リテーナー)を使って、矯正した歯並びを安定させることです。矯正装置が外れたら終わりではありません。

7.メンテナンス
数ヶ月に1回程度の頻度で、歯の後戻りがないかを観察したり、噛合せなどをチェックする期間となります。

矯正期間の目安より早くなるケースは?

1章と2章で、矯正治療にかかる期間をご紹介しましたが、前述した通り、これはあくまで目安ですので、もちろん目安よりも早くなるケースもあります。また、先進の装置や矯正法によって早めることもできます。詳しくご紹介しましょう。

新陳代謝などの個人差

歯の移動する鍵を握っているのは、歯の周囲の組織の新陳代謝であることが分かっています。歯に力をかけることで、歯を支えている歯槽骨の吸収(減退すること)や再形成が起こり歯が移動します。新陳代謝の良い方は、骨の吸収と形成が早いので、治療期間も早くなります。

歯列の乱れ方の程度

歯の移動するスペースがなければ、歯列全体を移動するのに時間がかかるケースもあります。また、一口に不正咬合と言っても、その程度はさまざまで、一般的に乱れ方が大きいほど、整えるにも時間がかかります。

歯医者さんの技量

ブラケット矯正の場合、的確なポジションにブラケットを装着する必要があります。ここ
に、ワイヤーを固定して、そのたわみが戻る力や捻れが戻る力を利用して、歯を個別に移動させるので、適切なワイヤーの調整技術が必要となります。従って、歯医者さんの技量が良ければ、歯に的確な矯正力を加えることができ、歯の移動が効率的にできることになります。
また、マウスピース矯正においては、コンピュータ・シミュレーション技術を使って、交換するマウスピースの形が決まります。しかし、ここに歯医者さんの経験による微調整を加えることで、移動の効率を高めることもできます。

先進的な矯正法

近年では、特殊なブラケットや外科手術を併用することで、矯正期間を大幅に短縮できる矯正法も広まりつつあります。弱い力を効果的にかけることで、歯を圧迫せず新陳代謝を促すことのできるセルフライゲーションブラケットなどもあります。外科的な処置の併用では、インプラント(チタン製のネジ)を顎の骨に埋め込み、それを支えにすることで、歯を大きく動かす方法もあります。また、歯を支える歯槽骨に亀裂を入れたり、切断することで、歯の土台から動かす方法もあります。

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目安よりも遅れてしまうケース

逆に、矯正期間の目安よりも遅れてしまう場合もあります。歯医者さんの技量が悪いことケースもその一つに上げられますが、主に患者さんが治療に協力的でない場合に、治療期間が長引いたり、後戻りしてしまったりすることがあります。

装着が疎かになるマウスピース矯正

マウスピース矯正は一般的に、1日およそ20時間程度の装着が必要となります。透明で装着しても目立たず、とても薄いものなので違和感の少ないものですが、自分で取り外しができるので、ついつい外したままにしてしまうことも多くなります。

虫歯などによる治療の中断

ブラケット矯正では、装置をつけた状態が続くので、セルフケアがしにくいところから、虫歯や歯周病になることもあります。この場合には、一度矯正を中断して、虫歯や歯周病の治療を優先しなければなりません。こうした中断があれば当然、治療期間も長引きます。

保定を疎かにしてしまう

矯正治療において、実は保定期間がもっとも重要であるともいえます。大人の矯正では、年齢を重ねるほど、後戻りする力も強くなるものです。従って、矯正装置が取れた後、歯の状態が安定するまで、保定を続けなければなりません。この保定を疎かにしてしまうと、後戻りしてしまい、矯正期間が長引く結果となります。せっかく、長い間装置をつけた努力も台無しです。

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まとめ

矯正期間の目安を改めて知ると、とても長くかかることで矯正を躊躇してしまう方もいるかもしれません。しかし、良い歯医者さんを選べばそれよりも早くなる可能性もありますし、近年ではさまざまなスピード矯正を受けることもできます。何より、歯医者さんの言いつけを守り、決められたことに協力的に応じることが、治療を長引かせないための大前提となります。

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2022-08-16T14:59:26+00:00