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※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

下顎前突の症状と原因

下顎前突とは

下顎前突とは、下あごが上あごよりも前に出ている状態を指し、「しゃくれ」や「受け口」とも呼ばれます。通常は、上あごが下あごよりも少し前に出ていますが、あごの骨格異常や歯の生え方によって、下あごが前に出てしまうことがあります。なかでも、骨格に原因がある症状を「顎変形症」といいます。

下顎前突の原因

下顎前突の原因は、さまざまなものが考えられます。例えば……

◆ 遺伝的要因
・ 遺伝により、あごの骨が小さい
・ 遺伝により、歯が大きい

◆ 成長過程での要因
・ 上あごの成長が十分でない
・ 下あごが過度に成長している
・ 歯がうまく生え変わらない

などが挙げられます。

下顎前突による弊害

下顎前突は、体の機能にさまざまな影響を及ぼします。例えば……

・ 噛み合わせが悪い
・ 前歯で食べ物をかみ切れない
・ うまく飲み込むことができない
・ サ行やタ行の発音がしにくい
・ 口がとじにくい
・ 歯みがきがしにくい(虫歯や歯周病の原因に)
・ 胃腸障害
・ 肩こり

などが一例として挙げられます。また、見た目が気になることによる精神的負荷やコンプレックスを感じる人もいるでしょう。

下顎前突の治療

下顎前突の治療には、大きく2つの方法があります。ひとつはあごの骨を切る外科手術をともなう矯正、もうひとつは歯の矯正のみで治療する方法です(それぞれの治療法については、2章と3章でご紹介します)。
どちらの治療法を選択するかは、症状の度合いや原因によって変わります。例えば、矯正のみで治療をしたいと思っていても、外科手術をしないと症状を改善することができないということもあります。
まずは歯医者さんを受診して、どのような選択肢があるかを確認してみるとよいでしょう。

手術をともなう下顎前突の治療法

歯の矯正と外科手術を併用

あごの骨の異常が原因で下あごが出ている状態を「顎変形症」といいます。この場合は、外科手術が必要になるケースが多いようです。手術には「下顎骨切り術」という方法が用いられることが多く、下あごの骨を一部切除し、残りの骨を正しい噛み合わせとなるよう移動します。
また外科手術をともなう下顎前突の治療では、手術の前後に歯の矯正もセットで行います。そのため、口腔外科と矯正歯科の両方を受診する必要があります。

治療の流れと期間の目安

(1)術前矯正(矯正歯科にて)/期間の目安:1〜2年

手術後のあごの状態に対し、適切な歯並びにするための前準備です。矯正の前には、虫歯や歯周病の治療も行う必要があります。

(2)入院・手術(口腔外科にて)/入院期間の目安:7〜10日前後

手術日の1〜2日前から入院します。手術は全身麻酔で行い、手術にかかる時間は1〜5時間です。

(3)術後・退院(口腔外科にて)

術後は口の中を固定するため食事や会話に制限があり、口を開けられるようになるまで4〜5日かかります。その間の食事は鼻に通したチューブから胃に流し込む経管食や、歯の隙間から流し込むようにして摂取する流動食となります。
退院する頃にはおかゆが食べられるようになり、普通食となるのは術後2〜3ヶ月ほど経ってからです。(個人差により、流動食や普通食をとれるようになるタイミングは異なります)

(4)術後矯正(矯正歯科にて)/期間の目安:6ヶ月〜1年

歯並びを微調整したり、術後の後戻りを防ぐために矯正を行います。
術後は口腔外科と矯正歯科の両方を定期的に受診し、骨のつき具合を確認しながら矯正器具を調整します。個人差はありますが、骨が完全につくまで約2年を要します。

治療にかかる費用の目安

顎変形症と診断された場合の外科手術と、それにともなう歯の矯正は保険適用となります。費用の目安は、総額で30〜50万円(3割負担の場合)です。
ここで注意しなければならないのは、保険適用とするには、国が指定する機関で手術や治療を行う必要があるということです。また外科手術をするための術前矯正を始めた後、何らかの理由で手術をやめてしまった場合、術前矯正にかかった費用は全額自費負担となってしまいます。
全ての治療を始める前に、その病院が国の指定を受けているかを確認するとともに、治療計画を理解し、治療に向けて心の準備をしておくとよいでしょう。

歯の矯正による下顎前突の治療法

2章でご紹介したように、下顎前突の治療には外科手術という選択肢がありますが、すべての症状で外科手術が必要なわけではありません。個人の状態によって、歯の矯正のみで治療を行える場合もあるので、外科手術には踏み切れないという人も、まずは歯医者さんに相談してみるとよいでしょう。
この章では、矯正のみで行う下顎前突の治療法をご紹介します。

下顎前突の矯正治療の一例

◆ブラケット矯正

歯に金属の矯正器具をつけて行う治療方法です。下顎前突の原因が歯の生え方にある時に用います。また、指しゃぶりや舌癖などが見られる場合には、MFT(機能的筋機能療法)というリハビリテーションプログラムを同時に進め、口周りの筋肉を正しく使えるようにし、症状を改善させていく場合もあります。

◆リンガルアーチ

上の前歯が内側に傾いていることが原因の下顎前突の場合に、歯の軸を改善し、傾斜を正すために用いられます。

◆拡大床

プレートやワイヤーでできた拡大装置を口の中に装着し、あごをひろげていきます。食事をする際には取り外すことができますが、その分、矯正期間が長くなる場合もあります。

矯正治療の期間と費用

下顎前突の状態や選択する方法によって、矯正期間には個人差があり、費用も異なります。詳しくは歯医者さんに相談してみてください。

なお、歯の矯正のみによる下顎前突の治療は保険適用外となるため、全額自費負担となります。

まとめ

下顎前突は、そのままにしておくと体によくない影響を及ぼしてしまう可能性もあります。今さら治せないかもしれない……と諦めていた人は、この記事を参考に治療を検討してみてください。
どのような治療を行うにしても、かかる費用や治療期間、治療中の生活への影響など、気になることがたくさんあると思います。歯医者さんを受診する際は、自分がどのような治療を望んでいるのかを明確に伝えるようにしましょう。

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2022-08-16T13:48:58+00:00