※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
部分矯正とは
部分矯正とは何?
「部分矯正」とは、文字通り、歯並びが悪い部分の歯に矯正装置を付け、歯並びやかみ合わせを改善する矯正治療の事です。
部分矯正は全体矯正と比べて、治療期間が短く、費用も低く抑えることができます。
また、部分矯正を行う前に「そもそも部分矯正をすることが可能であるか?」という診断をします。
歯並びの悪さには個人差があるので、場合によっては部分矯正ではなく、全体矯正が必要なこともあるためです。
部分矯正の種類と費用/ブラケット矯正
歯の矯正治療をしている人は、歯の表面に金属をつけているイメージがありませんか?
その金属は、「ブラケット」と呼ばれる矯正器具です。
ブラケットを装着し、ワイヤーでつないで少しずつ歯の位置を変えていく治療法が、「ブラケット矯正」です。
ブラケット矯正は歯の表側から力を加えて歯を動かしていくため、前歯の歯並びが悪い場合にも有効です。
費用は上の前歯だけの場合、15万円〜40万円程度で、期間は半年から1年程度かかります。
ブラケットには、金属製の「メタルブラケット」や、樹脂製・セラミック製で目立ちにくい「審美ブラケット」という種類があります。
審美ブラケットは矯正装置が目立ちにくいというメリットがありますが、その反面、メタルブラケットより高額で、強度の面で若干劣ると言われています。
部分矯正の種類と費用/リンガルブラケット矯正
「リンガルブラケット」とは、歯の表面ではなく裏側に装着するブラケットです。
歯の裏側に装着するため、正面から見たときに目立ちにくいのが利点です。
ただし、装着したばかりだと舌にブラケットが当たり違和感を覚えたり、喋りづらかったりすることがあります。
費用は上の前歯だけの場合、40万円〜60万円程度で、期間は半年から1年〜2年程度かかります。
歯の裏側に装着する技術が必要なため、歯の表につけるブラケット矯正より費用が高くなります。
部分矯正の種類と費用/マウスピース
自分の歯の形に合わせたマウスピースを装着し、矯正を行います。
マウスピースの素材には、透明か半透明なものが用いられます。
ワイヤーや金属を使用しないため、不快感が少なく、装置が見えて目立つということもありません。
ただし、指定された装着時間を自己管理できないと、治療の効果が薄れてしまいます。
治療ができる範囲が、通常の表側の矯正と比べると限られているのもデメリットです。
費用は上の前歯だけの場合、30万〜40万円程度で、期間は半年から1年程度かかります。
部分矯正の種類と費用/矯正用インプラント
インプラントと言えば、歯が失われた部分に歯を作る治療のイメージがありますが、矯正治療でも使用します。
インプラント矯正を行うことで、抜歯が必要なほど悪い歯並びも、抜歯をせず治療できる場合があります。
治療期間が短いのも特徴です。
ブラケット矯正と組み合わせて用いることもあります。
費用は上の前歯だけの場合、18万円〜43万円程度で、期間は半年から1年〜2年程度かかります。
部分矯正のメリット
費用が安い
部分矯正は全体矯正より施術箇所が少なくいため、全体矯正と比べると、治療費用を抑えることができます。
一般的に、矯正治療は健康保険が適応されませんが、先天性疾患(生まれつき持った疾患)が原因である矯正には、保険が適応される場合があります。
短期間での治療
部分矯正の治療期間も、全体矯正と比べて短い期間で済みます。
全体矯正の場合、その名の通り全体の歯を矯正するので、どうしても時間がかかります。
矯正が完了するまで、2年~3年程かかるケースもあります。
全体矯正と比較すると、部分矯正(特に前歯の部分矯正)は、歯の矯正のしづらい奥歯が施術範囲に入らないため、長くても2年程で治療が完了します。
早いと、治療完了まで半年かからないこともあります。
気になるところだけ治せる
前歯の部分矯正であれば、他の歯(特に奥歯)のかみ合わせはそのままで矯正することが出来ます。
そのため、全体矯正と比べて費用が安く、治療期間も短く済みます。
矯正装置を装着する範囲も狭いので、痛みや違和感を覚えることも少なくなります。
部分矯正と医療費控除
「医療費控除」とは、確定申告の際、「病気の治療」が目的の場合のみ、税金の一部が控除されるというものです。
医療費控除の対象は「1年に10万円以上医療費がかかった」場合のみです。
前述した通り、「先天性疾患」を原因とした場合、矯正にも健康保険が適応されるケースがあります。
ただし、美容(見た目のきれいさ)を目的とした歯並びの矯正には、保険適応されません。
部分矯正と全体矯正の違い
部分矯正は、全体矯正より「費用が安く」「治療期間が短く」「施術箇所が少ない」というメリットがあります。
このような利点を知っていれば、矯正治療をする際の選択肢の一つとして検討することができますね。
しかし、歯並びの悪さの程度によって、部分矯正が可能か、それとも全体矯正の方が良いかを判断する必要があります。
部分矯正のデメリット
部分矯正では、治せないものもある
費用が安く、期間が短く、施術箇所が少ないなど、良いこと尽くめのような部分矯正ですが、部分矯正を適用できるケースは限られています。
部分矯正は文字通り、部分的な歯のずれや乱れを治すのに向いている方法です。
全体的に歯並びが悪い場合には、適用できません。
部分的に矯正することで、歯と歯の間に隙間ができることもあります。
まず歯医者さんに歯並びをチェックしてもらい、自分に適した治療方法を提案してもらいましょう。
場合によっては、全体矯正の方がきれいに仕上がる
部分矯正でも歯並びが整うイメージはありますが、部分的な矯正に留まるため、歯の全体を固定できる全体矯正の方がきれいな仕上がりになります。
場合によっては、部分矯正した部分が引っ張られることによって、出っ歯になってしまう恐れがあります。
歯を削る量が多い
矯正治療は、場合によっては歯並びを綺麗にするために、歯を削る必要があります。
部分矯正は全体矯正に比べ、歯を削る量が多くなることがあります。
前歯の矯正の際に、歯のエナメル質を削ることもあります。
歯を削ったために歯が弱くなってしまったり、冷たいものがしみやすくなったりすることがあります。
噛み合わせは良くならないことも
部分矯正は一部の悪い歯並びを整える治療方法であるため、全体の噛み合わせの改善をすることができません。
部分的な歯並びを整えることで、その他の歯にの間に隙間ができてしまう恐れもあります。
ただし、前歯の矯正であればかみ合わせはあまり関係がない為、かみ合わせが以前より大幅に悪化するということはありません。
予定外の費用が発生することも
全体矯正に比べて、部分矯正は費用が安く済むのがメリットです。
しかし、「部分矯正だから安く済むはずだったのに、治療が上手くいかず、歯医者さんに行く回数が増えて、結局お得にならなかった」というような事もあるようです。
歯医者さんへの通院回数が増えると処置費用が発生し、調整費用も追加されることがあります。
部分矯正が向いている人
気になる部分だけ治したい人
部分矯正の良いところは、気になる部分だけを矯正出来るという点です。
基本的には歯並びが良いけれど、一部分(例えば、出っ歯やすきっ歯、八重歯など)があり、そこだけ治したい、という人に向いている治療法と言えます。
早く矯正治療を終えたい
全体矯正より早く治療を終えることが出来るのが、部分矯正です。
器具の装着や調整にかかる時間や、回数も少なくて済むので、「仕事も家事もあるし、他の予定もあるから中々歯医者さんにいけない」という忙しいお母さんやお父さんには嬉しい方法でしょう。
結婚式などの大事な場面に間に合わせたい
歯の矯正でネックになることと言えば、「歯に装着した矯正器具が目立ってしまう」というところではないでしょうか。
せっかくきれいにおめかししたのに、金属性の矯正器具がギラギラと目立つのが気になって思い切り笑えない、なんてことも…。
部分矯正であれば、矯正器具をつける箇所が少なくて済みますし、全体矯正より早く治療が終わるので、結婚式などの大事なイベントまでに治る可能性があります。
部分矯正が向いているケース/正中離開(せいちゅうりかい)
「正中離開」とは前歯の真ん中に隙間がある状態、いわゆる「すきっ歯」のことです。
前歯以外のすきっ歯は「空隙歯列」と言います。
正中離開は比較的矯正治療がスムーズなことが多く、その上、治療後の見栄えがとても良くなります。
部分矯正が向いているケース/軽度の歯列不正
歯並びの凸凹が比較的軽い場合も、部分矯正に向いていると言えます。とはいえ、歯並びの状態は人によって様々です。
部分矯正ではなく全体矯正の方がよい選択かもしれません。
まずは歯医者さんに相談しましょう。
部分矯正の治療の流れ
初診・カウンセリング
治療に入る前、初診時にはカウンセリングを行います。
本当に矯正治療が必要か、いつごろ治療を始めたら良いか、つける矯正装置・治療方法はどれにするか、治療にかかる期間や費用はどれくらいかなど、詳しく説明してもらえます。
小さい子どもや、小学生、中学生、高校生は、お父さんやお母さんと一緒に歯医者さんにいきましょう。
検査
次に、現在の歯の状態について細かく調べます。
歯の型、顔や口の中の写真、レントゲン写真などをとります。
虫歯や歯周病の検査も行います。
この検査と調査の結果をもとに、診断や治療の計画を立てていくことになります。
検査結果と治療計画の説明
出来た歯の型や、検査の結果を元に、歯医者さんが患者さんに合う治療の計画や、治療の期間、治療にかかる費用について改めて詳しく説明してくれます。
部分矯正と全体矯正、また使う矯正装置によって費用や期間、仕上がりが違ってきます。
よく相談、確認をして、しっかりと納得できる治療方法を選びましょう。
治療開始
検査を終え、治療計画が決まれば、矯正治療が始まります。
矯正装置をつけるイミングや、治療の進め方は、歯の状態や歯医者さんによって違ってきます。
矯正装置を装着すると、今までの歯とは違う状態になります。
虫歯や歯周病を予防するため、歯並び・かみ合わせをチェックし、矯正装置のお掃除方法や調整・交換の仕方、歯磨き指導などをしてもらえます。
矯正装置をつけた後は、基本的に3~6週間に1回程度、歯医者さんに行く必要があります。
保定期間
矯正装置をつける期間を終え、装置を外したら、矯正治療がおわり…、というわけではありません。
矯正装置を取ったあとの歯は、そのままだと少しずつ動いてしまいます。
これではせっかくきれいになった歯並びが台無しです。
矯正した歯が安定するまで、保定装置(リテーナー)をつけます。
これをつける期間を「保定期間」と呼びます。
2~6ヶ月に1回ほど歯医者さんに行き、経過をみながら通院する間隔をあけて、保定期間の終了を目指します。
まとめ
どんなに他の歯の並びがきれいでも、前歯の歯並びが悪かったり、すき間が開いていたりしたら、気になってしまいますよね。
そこだけ治せればきれいな歯並びになるのに……という時は、部分矯正がおすすめです。
全体矯正と比べて費用が安く、治療期間も短く、矯正器具による違和感も少ないので、治療を始めるハードルが低いと言えるかもしれません。
ただし、全体矯正の方がきれいな仕上がりにできたり、歯の状態によっては部分矯正ができない場合があります。
自分にぴったりの治療方法は何か、まずは歯医者さんに相談しましょう!
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