八重歯矯正で美しい口元！見た目よりも大きい矯正のメリット

八重歯は顎の成長途中で永久歯が生えるときに充分なスペースをとることができず、生えるのが遅い犬歯が歯列から外に押し出され、生えてくる歯です。また、虫歯などによって抜けてしまった両側の歯が内側に倒れ、その結果、後から生えてくる永久歯のスペースがなくなり外側から生えることもあります。

いずれにせよ、歯が重なって生えてしまうためブラッシングがしにくく、食べカスが残ってしまいがちで虫歯や歯周病、口臭の原因となります。またとがった犬歯が外向きに生えているため、口の中を傷つける危険性もあります。歯列の外にある八重歯は咬み合わせにも悪影響を与え、周りの歯に負担が多くかかってしまい、周囲の歯への負担を増大させ知覚過敏の原因になることもあります。

日本では昔から八重歯がチャームポイントとなることもあり、可愛いイメージがありますよね。しかし、海外では可愛いというイメージはほとんどなく、吸血鬼のような歯として、良いイメージはなく、矯正で治療をするのが一般的です。

※（C）にあたる部分が八重歯の位置です。

八重歯を矯正して失うと、口元だけでなく顔全体の印象も大きく変わります。しかし、それ以上に大きなメリットがあり、ずっと健康で暮らすためにも八重歯の矯正を考える方は少なくありません。

ブラッシングが楽になる

矯正が完了すると歯は綺麗に整列をします。重なり合う部分がなくなりブラッシングが隅々まで行き届き、食べカスを減らすことができます。虫歯や歯周病の原因となる菌は、歯に残った食べカスから酸を生成し、プラーク(歯垢)や歯石となり歯にこびりつきます。

そして、虫歯や歯周病となり、やがては歯や歯茎をむしばみ、歯を失う原因となるのです。矯正でブラッシングがしやすくなると口腔内ケアがしやすくなり、お口の中を清潔に保ちやすくなるため虫歯や歯周病の予防ができます。

他の歯に影響しない

前歯から数えて3つ目にある犬歯が外に向かって生えているのを八重歯といいます。もともと犬歯は咬み合わせの顎の動きを支え正しい位置に誘導する働きがあるため、根が深く、丈夫で過度な負担にも耐えることができるようにできています。

しかし、八重歯は外を向いているためその役割を果たすことができず、周囲の歯がその代役をしなければなりません。犬歯以外の歯の根は犬歯ほど深くなく、丈夫にはできていないため、大きな負担がかかり寿命を縮めることもあります。さらに、犬歯より後ろにある歯がその代役をする場合には、顎の動く角度が大きくなり顎に過度な負担がかかる危険もあります。

八重歯の矯正で咬み合わせを正しくすると、犬歯が本来の働きをすることができ、他の歯への影響を減らし過度な負担を取り除くことができます。

日本では八重歯がかわいいという考えがあり、わざわざ手術などにより八重歯を付ける「付け八重歯」が流行るほどです。しかし、海外の八重歯の評価は低く「吸血鬼の歯」と呼ばれ、敬遠されています。八重歯は狭いスペースに歯が治まりきらず重なって生えている状態のため、ブラッシングがしにくく虫歯や歯周病の原因ともなるため矯正治療が必要です。

ブラケット治療

八重歯を治す方法のひとつとしてブラケットを使っての矯正治療があります。中学生以上であれば八重歯の奥にある第一小臼歯を抜歯し、矯正を行うのが一般的です。八重歯は、神経が深く丈夫な歯のため抜歯しないケースが多いです。ブラケットは従来の金属製のものの他、目立ちにくい透明のプラスチック製のもの等、種類豊富にあります。金属製のメタルブラケットは他の矯正方法に比べると比較的安価なのがメリットですが、目立ってしまうことや金属を使用しているためアレルギーの心配があるのがデメリットです。

少し高額になりますが、白や透明のブラケットを使用すると目立ちにくくなるだけでなく金属を使わないものもあるので金属アレルギーの心配はなくなります。患者さんの症状によっては、できない矯正治療もあるのでまずはカウンセリングにて相談することをおすすめします。

費用：￥600,000～￥800,000程度
期間：2～3年程度

舌側矯正

歯の裏側、つまり舌の方にブラケットを付ける矯正方法です。表側からは見えないので目立たないこと、最終的にはきれいに矯正が完了するのがメリットですが、矯正器具に舌が当たるため慣れるまでに少し時間がかかるデメリットがあります。また発音がしにくく、コンプレックスに感じることもあるようです。表側よりも技術が必要なため、通常のブラケット矯正よりは高額になります。

費用：￥1,000,000～￥1,200,000程度
期間：2～3年程度

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを付けて行う矯正方法です。ブラケットは使わないため取り外しが自由なのがメリットです。装着感がよく、発音に影響がありません。また食事やブラッシングの際には外すことができます。しかし、1日に決められた装着時間を厳守しないと思うように歯が動かせず治療ができません。自己管理をしっかりしなければなりません。また、重度の八重歯の場合、歯を大きく動かすことができないためマウスピースでの矯正は困難です。

費用：￥700,000～￥800,000程度
期間：半年～1年程度

顎の骨が狭く、すべての歯がきれいに並ぶスペースをつくれない場合、八重歯を抜歯しなければならないこともあります。八重歯となる犬歯は他の歯よりも根が深く何かが触れたときに敏感に感じ取ることができる歯です。

また咬み合わせの時に鋭く下の歯と咬み合い、全体の咬み合わせのバランスをとる役目もあります。このような歯を抜歯するということは、口の中に大きな影響を与えることも考えられるためそのメリット、デメリットをよく理解したうえで歯医者さんと抜歯するかどうか相談をしましょう。

八重歯は見た目だけの問題ではなく、歯列を乱して咬み合わせに悪影響を与えます。重なり合うように生えている歯は細かい部分のブラッシングがしにくくなります。お口の中に残ってしまった食べカスは、虫歯や歯周病の原因となることも多く、矯正によって治療することはお口の中の健康を保っていくためにとても大切なことなのです。

「八重歯に口紅が付いて残ってしまう…」「虫歯になりやすい。口臭が気になる…」と感じている方は、歯医者さんでの検診に行ってみましょう！