この記事の目次
歯の矯正中に感じる主な痛みと対処法
矯正の装着時に痛む
<症状>
矯正装置のバンドを歯に押し込む際に痛みを感じる人が多いようです。矯正装置をつけ初めて2~3日はうずくような痛みが生じるのが一般的ですが、その痛みは長く続くわけではありません。個人差はありますが、1週間ほどで痛みはやわらいでくるでしょう。 ただし、矯正装置を調整するたびにこのような痛みを多少なりとも感じることは避けられません。
<対処方法>
基本的に痛み止めを服用するしか手がありません。なにもしていないのに痛みが生じるときには、薬によって痛みを散らしましょう。
歯が動くために痛む
<症状>
矯正装置を装着して3~4時間ほどたつころに歯が動くことによる痛みを感じます。これは神経性の痛みではありません。歯と骨の間にある組織が圧迫されて炎症が起きるために痛みが生じるのです。最初は弱い力が加わる程度ですが、歯が動き始めるとじわじわと痛みが増していくでしょう。
<対処方法>
鎮痛剤は炎症を抑える働きもあるため、歯が動きにくくなってしまいます。ですから、できるだけ鎮痛剤に頼らないほうがいいでしょう。どうしても我慢できない場合には、鎮痛剤を服用しても構いません。ただし、歯が動くことによる痛みは1週間程度で治まってきます。そして、この痛みは子供も含めて矯正経験者すべてが経験しているので心配する必要はありません。
食べるときに痛む
<症状>
矯正中は痛みのために食べられないことがあります。特にかたいものはかむことができないほど痛むこともあるでしょう。
<対処方法>
. 調理法を工夫する 口に入れやすい大きさに切り、片栗粉などでとろみをつけると食べやすくなります。かたいものは下処理をきちんとするとかみやすいので、煮たり蒸したりするなどひと手間加えましょう。肉類は加熱するとかえってかたくなるので気をつけてください。
. やわらかく栄養のある食材を選ぶ やわらかいだけでなく栄養価の高い魚や魚卵がおすすめです。肉類ならひれ肉やささみ、しゃぶしゃぶ用の肉、ひき肉、レバーがよいでしょう。
. しっかり食べて栄養バランスのとれた食事を 痛いからといって食事をとらないなんてことのないように三食きちんと召し上がってください。食欲をそそる「うまみ」を上手にひきだしたり香味をいかしたり、できることがあります。ただし、刺激の強いものは逆効果になることがあるので注意してください。
血行不良で痛む
<症状>
歯が動くときにもつながったままの血管や神経が引き伸ばされて、血行が悪くなります。すると血管内に老廃物がたまって、一時的にジンジンとしびれるような痛みが生じるのです。血の流れがよくなると老廃物も流れていくので、痛みは治まります。
<対処方法>
血行不良による痛みは歯の動きが落ち着いてくると自然にやわらいできます。正座をしたときの足のしびれと似たようなものなので、時間がたつのを待ちましょう。
炎症が起きて痛む
<症状>
矯正装置をつけていると口の中で摩擦が生じて、粘膜が傷つきます。口内炎ができやすく、ピリピリとした痛みを感じることが多くなります。食べ物や飲み物がしみることもあります。
<対処方法>
口内炎ができにくくなるようにビタミンB2を多く含む食事をおすすめします。矯正装置をつけていることでかみにくくなっていることも原因なので、やわらかくてかみやすい食材を選ぶことも大切です。
ほっぺをかんで痛む
<症状>
かみあわせが不安定になっていると、ほっぺの内側をザックリとかんでしまうことが多いでしょう。粘膜が傷ついて口内炎になる可能性も高いです。矯正装置のつけ初めには特に注意が必要です。
<対処方法>
食べるスピードが速いと、どうしてもほっぺや舌をかんでしまいます。ゆっくりと食べるよう心がけましょう。そのうち、食べ方のコツをつかめます。
装置があたって痛む
<症状>
矯正装置の種類によって差はありますが、ブラケットと呼ばれる装置は特にほっぺに接触しやすいので口内炎の痛みを感じやすくなります。歯の内側に装置をつけている人は、舌にあたってチクチクと痛むことがあります。
<対処方法>
矯正装置がこすれて痛いときにはワックスが有効です。ホワイトワックスという粘土を塗って摩擦を抑えます。万が一飲み込んでも問題のない成分ですから、安心して使えます。慣れてくると、ワックスを使わなくても平気になる人がほとんどです。
ブラケットやワイヤーなどが外れて痛む
<症状>
ブラケットが外れると歯茎にあたって痛みます。八重歯の場合、ブラケットのフックが唇にこすれて痛みやすいでしょう。ワイヤーが飛び出て痛みを感じるケースもみられます。ほかにも、バンドの上部分が欠ける、はがれてめくれることで舌などにあたって痛いことがあります。
<対処方法>
ブラケットやワイヤーなどに不具合が生じたときには歯医者さんへ行きましょう。
抜歯の影響で痛む
<症状>
矯正の際に抜歯が必要なケースがあります。抜歯する歯によって痛み方は異なります。 乳歯や普通に生えている永久歯を抜歯した場合には麻酔による痛みくらいしかなく、少しジンジンとした痛みが残ることもありますが、痛み止めの薬で抑えることができます。 歯茎に埋まっている永久歯の抜歯では歯茎の切開や骨を削る必要があるので、強い腫れやズキズキとした痛みが3日~1週間ほど続くでしょう。
<対処方法>
通常の抜歯をしたときと同様、麻酔がきれた後の痛みには痛み止めを服用します。歯茎に埋もれていた永久歯を抜歯した人は傷が治るまで痛みは続きます。
矯正中の痛みを軽減する方法(歯医者/自宅)
レーザー治療(歯医者)
レーザー光の照射により歯肉組織をあたためて活性化する治療です。レーザーにはさまざまな種類がありますが、矯正中の痛み対策には組織に浸透しやすいタイプを使います。これにより痛みを発生させる物質を抑制することができるのです。 抗炎症作用や血行の改善効果も認められているので、口内炎対策にもなります。また、レーザー治療を受けると歯の動きがよくなるともいわれています。歯科治療用のレーザー治療は、ほんの一瞬照射するだけで、放射線を含みません。
高周波治療(歯医者)
周波数の高い電波や音波をあてることで細胞内の状態に変化を起こして、自然治癒力を高める治療です。もともとは整形外科で骨折の治療として行われていましたが、一部の歯医者さんでもとり入れられてきています。 歯の根元の代謝を高めて血行を改善できるほか、歯の移動スピードを速くして痛みを減らす効果も期待できます。痛みのある部分に高周波機器をあてて、10~15分ほど電波や音波を流すだけです。
ソフトプレート(自宅)
ソフトウエハースとも呼ばれるプレートで、歯列に合わせてやわらかい素材で作られています。ズキズキ感があるときにソフトプレートをかむと、痛みがやわらぎます。持ち運びもできるので、痛みが気になるときにすぐに使えるのが魅力です。
プレイスガード(自宅)
頬の粘膜を守るために、矯正装置を覆うものです。慣れるまでは装置で粘膜が刺激されることが多いので、プレイスガードを使ってもよいでしょう。万が一外れて食べてしまっても害はありません。
リップガード(自宅)
トランペットなどの楽器を演奏する際にブラケットがあたって痛みが生じることがあります。そのようなときは、透明プラスチックの細長い板状のリップガードをワイヤーにあてがいましょう。ワイヤーにはめ込んで使えるので、装着はいたって簡単です。
痛み止めの薬(自宅)
痛みがひどくて仕事などに差し支えるときには痛み止めの薬に頼っても構いません。ただし、歯の移動を妨げる可能性があり、胃の粘膜にも負担がかかります。どうしても、というときの手段として長期の服用は避けましょう。
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