お子さまの成長を利用して取り組む小児矯正
小児矯正は、顎の骨が成長する時期に矯正装置の装着やトレーニングをすることで、お子さまの歯並びや噛み合わせを整えることを目指す歯科治療です。成人矯正では歯の位置を動かすのに対し、小児矯正は歯を支えている顎の骨そのものにアプローチするのが主な目的となります。
小児矯正には、Ⅰ期治療とⅡ期治療があります。Ⅰ期治療では、永久歯が真っすぐに生えてくるために必要なスペースを作ります。つまり、永久歯が正しい位置と方向に生えてくるよう、土台作りをするイメージです。
土台作りのためのⅠ期治療ですが、開始時期は早ければ早いほど良いというものでもありません。お子さまによっては、Ⅰ期治療はせずⅡ期治療からのスタートをご提案するケースもあります。治療の必要性と開始時期をご家庭で判断するのは難しいため、小児矯正をご検討中の親御さまには、まずは一度お子さまと一緒にカウンセリングを受けていただくようご提案しています。
Ⅱ期治療は、Ⅰ期治療終了後の歯並びと噛み合わせをチェックし、改善点が認められた場合に行われる、成人矯正と同じ装置を使う治療です。基本的には、第二大臼歯が生える12歳から14歳頃から開始する治療となります。
Ⅰ期治療を受けていると、ある程度土台が整った状態から矯正治療を開始できることになります。そのため、Ⅱ期治療を受ける際に、永久歯の抜歯が必要になるリスクを下げることができます。また、成人矯正単体で行う場合よりも、治療期間の短縮が期待できます。
顎の骨の成長が順調なお子さまや、第二大臼歯が生える前後のタイミングで矯正治療を開始するお子さまの場合、あえてⅠ期治療を行わずⅡ期治療のみご提案することもあります。
Ⅰ期治療は、永久歯が問題なく生えてくるようにするための土台作りの期間です。そのため、この時期に叢生(ガタガタした歯並び)や上顎前突(出っ歯)、反対咬合(受け口)など、お口元の問題点と原因を突き止めて治療をすることで、歯並びと上下の噛み合わせのバランスを整えやすくなります。
大人になってから成人矯正をする場合、顎が小さくて歯を収めるスペースが足りないと、健康な永久歯を抜歯する必要があります。しかし、小児矯正でⅠ期治療を受けていると、矯正装置で骨格を整えておけることから、抜歯せず歯並びを改善できる可能性が高まります。
また、矯正治療中は定期的な歯科検診とクリーニングのために通院していただくことから、トラブルの予防にもつながります。
「歯並びや噛み合わせが悪いのは生まれつきの問題」と思われがちですが、実はお子さまの何気ない癖が、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えているケースもあります。
例えば、指しゃぶりの癖があるお子さまの場合、開咬(上下方向で隙間が生じている歯列)や出っ歯になることがあります。また、舌先で歯を押す癖があることで出っ歯になったり、口呼吸が受け口につながったりする可能性があります。
こうした癖が習慣化してしまうと、歯並びがどんどん悪くなってしまいます。せっかく矯正治療を受けても、癖が残ったままだと歯並びが後戻りを起こしてしまう恐れもありますので、小児矯正では癖の有無もしっかりチェックしていきます。
問診・ヒアリング
まずはお子さまのお口の中を見せていただき、お口元のお悩みやご希望、ご予算を伺います。そして、矯正治療の流れ、それぞれの矯正装置のメリットやデメリットをご説明します。このとき、費用や治療期間、問題点、治療における課題についても、その場で分かる範囲で大まかにご説明します。一度持ち帰ってご検討いただいても構いませんので、気兼ねなくお越しください。
精密検査
矯正治療を前向きにご検討いただける場合には、お口元の状態をより詳しく調べる目的で、精密検査を受けていただきます。精密検査は、歯の型取り、CT撮影、精密な写真撮影(口腔内、顔面)、セファログラムの撮影を行います。
治療計画のご提案、方針の決定
精密検査の結果をご説明します。その後、精密検査の結果を踏まえて、治療期間や費用、お子さまにとってより良い治療方法が何かをご相談の上、実際の治療について具体的にお話しします。ご説明やご提案に際し、不明点などがありましたら遠慮なくご質問ください。
矯正治療開始
口内のクリーニングを行ってから、歯にブラケットを装着します。矯正期間中は装置により歯磨きがしづらくなるため、今まで以上にていねいなブラッシングが必要となります。そのため、矯正期間中のブラッシング方法をブラケット装着後にご説明します。
調整
月1回程度のペースで通院していただき、矯正治療の進行チェックや装置の調整、クリーニングを行います。通院を怠ると、治療が長引く原因となります。きちんと定期的に通院していただきますようお願いいたします。
保定、経過観察
治療計画通りの位置まで歯が動いたら、その位置を維持するための保定期間に入ります。保定期間中は、保定装置を装着し過ごしていただきます。3カ月から4カ月に1回程度ご来院いただき、歯科検診と保定装置のチェック、クリーニングを行います。治療経過と歯並びの状態によっては、永久歯が生えそろってから成人矯正をご検討いただくようご提案する場合もあります。
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