ＴＯＳＨＩ　ＤＥＮＴＡＬ　ＣＬＩＮＩＣ

長い間、受診を先延ばしにしていたほど歯科医院を嫌いな患者さまがいらっしゃいました。当院にお越しになったときも、うつむき加減で診療室に入って来られたのですが、不安や恐怖をしっかりとお伺いして少しずつ治療を進めていきました。最後には笑顔を取り戻していただき、「ありがとう」という言葉までいただくことができました。その患者さまのことはとても印象深く覚えていますね。

歯の治療を受けることに抵抗を持っている方でも、大きな不安を感じることなく治療を受けていただきたいと思っています。私自身も歯の治療に苦手意識があるので、できるかぎりリラックスした状態で診療に臨んでいただけるように、患者さまの不安な気持ちに寄り添うことを日頃から強く意識しています。

また、患者さまにどのようなことでも遠慮なくお話しいただける雰囲気作りを心がけています。診療室に入ってしまうと、緊張などから歯科医師や歯科衛生士に思っていることをうまく伝えることができなくなってしまう方もいらっしゃると思います。そのような方の思いや気持ちも、丁寧に汲み取れるよう心がけています。

高校時代の担任の先生の言葉がひとつのターニングポイントになっていると思います。自分の進路を決めなければならない時期に、尊敬する先生から「好きなことを仕事にできる者は幸せ者。嫌いなことを仕事にする者は人を幸せにできる者。君はどちらを選ぶのかな？」と声をかけていただきました。この言葉をいただいてから「自分の嫌いなこと…歯医者かな」と意識するようになっていきました。この言葉は「仕事」というものに対する、私の考え方の根本的な部分に大きな影響を与えてくれたように感じていますね。

歯科医院が嫌いな人も、気軽に通うことができるような歯科医院であり続けることです。これは、私が歯科医師を目指すようになった出発点であり、日々の診療にあたる姿勢の根幹を表すものであると思っています。怖くて歯科医院になかなか通うことができないという方は、一度当院までご相談にいらしてください。

大切にしたポイントは「歯科医院らしくない空間作り」です。堅苦しい空間は、歯科医院が苦手な方の不安を強めてしまうことがありますので、なるべく治療設備が目につかず、威圧感を強く感じないように配慮しました。内装も木目調にして、「医療機関らしさ」とは真逆の雰囲気になるように配慮しました。そして、あまり無駄なものを院内に置かないようにもしています。

また、診療室は半個室タイプにしました。それぞれの診療ユニットには、専用のモニターを設置していますので、治療の説明なども半個室の診療室内で行えるようになっています。

自分で考えて行動できるスタッフが揃っています。私があれこれと指示を出さなくても仕事を進めてくれるので、その自主性を尊重するようにしています。そのような点は自慢できるポイントのひとつかもしれませんね。また、どのスタッフも皆個性を持っていて、患者さまとも仲が良いですよ。矯正治療の診療は、私の妻が担当しています。矯正はとても専門性の高い治療分野のひとつですが、いつも頼もしく感じています。

歯科関連の学会に参加するほか、セミナーや勉強会にも参加しています。新しい知見や技術に触れることで、毎日の診療の水準がさらに高まればという思いで取り組んでいます。多くの先輩方から指導していただけることは、とても貴重な経験ですし、ときには相談に乗ってもらうこともありますね。

歯科医院選びのポイントはたくさんあると思いますが、やはり最後は歯科医院に足を運んでみなければわからないことのほうが多いはずです。また、治療そのものに対する評価も治療から何年も経なければわからないことも少なくないので、これから歯科医院を探そうとしている方は、とても迷ってしまうはずです。

私自身は「お口の状態や治療内容を丁寧に説明してくれるかどうか」をポイントにして歯科医院選びをするのが良いと考えています。十分な説明や患者さまの納得もなしに治療が始まってしまうことは、本来あってはならないことです。ときには治療そのものよりも、時間をかけて説明をしてくれる歯科医師なら、信じて任せられると思います。また、治療の結果もしっかりと見せてくれる先生が良いと思います。私自身も、そのような姿勢を大切にして診療にあたっています。