歯科医師を目指したきっかけをお伺いしてもよろしいでしょうか。
少し変わっていて、きっかけというには弱いかもしれませんが、理系の高校に入学して、はじめて受けた試験の点数が良かったということがきっかけです。もともと理系が得意で、自分の特長を生かすためには、どのような進路を選べばよいのだろうと考えていたときに、ぼんやりではありますが、医学部や歯学部といった選択肢が浮かびました。ですので、明確にこれといったきっかけがあったわけではありませんが、親のすすめもあり、大学は歯学部に入学しました。
そんな経緯があったんですね!歯学部に進学してみていかがでした?
実際に入学してみると、将来に対して、より明確にイメージできるようになりました。習得した技術で、困っている方を助けられるという充実感が、日々のモチベーションとなりました。私は大学時代ラグビー部に入っていたのですが、正直に言いますと、歯科の勉強よりも部活の大変さの方が記憶に残っています。その代わりに縦のつながりもできて、私の場合ラグビー部の先輩が働く歯科医院に紹介していただき、就職することができました。歯周病治療に力を入れていたその先輩のもとで勉強させていただいたから、今の私があるのだと感じています。体力的に大変なラグビー部でしたが、その先輩に出会わせてくれたと縁のようなものを感じ、今では感謝しています。
このお仕事のやりがいはなんですか?
技術や知識など学ぶべきことが多いので、技術的なやりがいを感じる道のりは長いと思っています。患者さまのために何ができるかを考えて、向上心を持ちつづけていくことが私の使命と感じています。それでもやはり、患者さまに喜んでいただけたときにやりがいを感じます。歯科医師という仕事でしか味わえないことです。多くの患者さまは、歯を悪くして噛めなくなったときに、はじめて当たり前に噛めるありがたみに気づかれます。私の治療で「今まで気づかなかったことに気づくことができた」というお言葉をいただいたときは嬉しかったですし、日々の診療の励みにもなっています。
勉強会にも意欲的に参加したり、スタッフ教育にも力を入れられてますよね?
「まだまだ、まだまだ」という思いで、勉強会には意欲的に参加しています。私が出向くこともあれば、院内でスタッフに向けて開く勉強会もあります。また、スタッフと一緒に参加することもあります。ありがたいことにスタッフも勉強熱心でして、医院全体で向上心を持ちつづける姿勢を大事にしています。ほかにも当院のスタッフは、患者さまへの対応力には定評がありますし、私をしっかりサポートしてくれる心強いスタッフです。このようなスタッフに恵まれて、このような環境で患者さまと向き合うことができて、私は幸せだと思います。
開業までの経緯を教えてください。
私は、そんなに開業願望はない方でした。大学卒業後は、中野にある大学の先輩の歯科医院に勤め、次は多摩にある歯科医院、その次は南大沢にある歯科医院と八王子界隈の歯科医院で勤務医をしていました。あるとき、私に開業をすすめていた友人が亡くなり、そのときに、なぜあんなにも友人が開業をすすめていたか、今私にできることは何なのかをしっかり考えました。ときを同じくして、ここができるという話を聞いて、これは友人の言っていたことを実現する機会なのではと強く感じました。さらに、今の副院長になるのですが、当時私を慕って一緒についてきてくれていたにも関わらず、勤務時間のずれから技術的なアドバイスもしてあげられない状態でした。そんな状態を打破したいという思いも重なり、ここに開業するにいたりました。
内装や設備についてお伺いしてもよろしいですか?
主に歯周病に治療ついて力を入れて学んだということもあり、そこを軸とした歯科医院を作りたいという考えから医院づくりをスタートしました。歯周病治療となると、通院期間が長めになる患者さまが多くなるだろうと思いましたので、患者さまにとって通いやすく、リラックスできるような落ち着いた雰囲気の歯科医院にしたいという思いがありました。また、ご高齢の方や、車いすをご利用の方にも不安なく通院していただけるよう、モニターは見やすいように大きめのものを導入し、院内はバリアフリー設計にし、半個室のゆったりとした診療スペースにしました。
ご趣味はなんですか?
家族旅行です。日ごろなかなか家族サービスできずにいますので、休みがとれたら家族を旅行に連れていって、一緒に思いきり楽しむようにしています。毎年、沖縄に旅行に連れていっていましたが、今年は趣向を変えて北海道にいきました。雪深い冬も魅力的ですが、初夏の北海道も緑豊かで気持ちよかったです。
今後の展望をお伺いしてもよろしいですか?
ここ八王子の方に、予防の大切さを知っていただきたいと思っています。治療が必要になってから通院する保険診療から、脱却を目指してほしいと思っています。痛みが出たので通院し、悪くなった歯を削って被せたり、詰めたりという一連の流れから、治療する必要のない歯にするための予防的治療に通院するという流れにしたいです。それには、歯科医院、患者さま双方の意識を変えていかなければならないので、大変難しいとは思いますが、実現するための第一歩になれるよう尽力していきたいと思います。10年15年先に、予防のために通院する患者さまで当院をいっぱいにすることが夢です。