Q.様々ある歯科治療の中で特に力を入れて学んだのは何ですか?その理由は?
力を入れて学んだのは歯周病です。大学を卒業する際に、歯周病と入れ歯のどちらをさらに専攻していくか悩んでいる際に、歯周病を専攻した先輩に「どうして歯周病を専攻したのか」を聞きました。
「入れ歯って、型とって歯科技工士さんが作って、それを入れるものであって、歯科技工士さん主体なんだよね。歯周病はきちんと理解してないと治療することはできないものだ。」と言われて納得しました。
治療方法や、歯を抜かないためにはどうしたらいいかということは学生のときの授業では習いません。歯周病を専攻した方が歯を残すためにどういった治療があるかを学べるのではないかと思い、歯周病を専攻することに決めました。これからの時代、歯をどうやって残していくのかが大切になる時代になるため、歯周病を専攻した方がいいと当時判断しました。今まで診てきた患者さんで心に残っている、印象的なエピソードがあれば教えてください。
大阪にいたときの話ですが、歯周病の再生治療をさせていただいた患者さまがいました。そのときは別に「ありがとう」などの言葉を言われることはありませんでした。しかし、私がしばらくして東京に移ってきたある日、電車でその患者さまが隣に座られていました。
そこでお話をしたのですが、「ああやって先生に治療してもらってよかったです。ありがとうございます。」と言ってくださって、すごく嬉しく思いました。
大阪にいたときは、そのようなお話はせずにさよならをしてしまいましたが、偶然出くわしたときは鳥肌が立ちました。
初めて来た患者さんに対して心がけていることがあれば教えてください。
初診の方に対しては初めに歯科衛生士さんが全部確認します。
その後、私が行ってお話して、一通り説明させていただきます。そのときに、聞きにくいこともあると思いますが、不安に思っていることなどを聞くようにはしています。また、私に言いにくいご相談があった際には、治療ができるな、と思うまではひたすら歯科衛生士さんと練習をしてもらいます。スタッフにも私にかわる前に「何か聞いときたいことありますか?」と聞くようには伝えています。
特に問診に「怖い」とか「歯科恐怖症」とか書いている方には、多く声掛けをするようにしています。このように患者さまが少しでも通いやすいと思ってくれる環境を作ってあげたいと思っています。
休日診療を始めた理由は何ですか?
平日にお仕事をしている方が多いと思います。仕事のあとに夜しか来られないとなると困ってしまいますので、土日も開院することでお役に立てればと思って始めました。
やはり医療従事者である限り、痛い痛いとなるとかわいそうだと思ってしまいますから、少しでもそういう方のために診てあげられたらいいなという思いで診療にあたっています。たとえば金曜日の夜に痛くなって、週末耐えて待ってというのはつらいと思います。 歯の痛みは耐えがたいものなので、そこを考慮しています。
歯医者嫌いのお子さまのために行っている工夫とは
歯医者が怖くて痛いものだというイメージを持たれるといけないので、無理やり治療を行うことはありません。
治療ができるな、と思うまではひたすら歯科衛生士さんと練習をしてもらいます。まず椅子に座ってもらって、口の中で機器を少しずつ動かす練習をします。
多い子は3、4回行っています。時間をかけてでも苦手意識を持たれないよう気を配っております。
今後力を入れていきたいと考えている治療があれば理由とともに教えてください。
今までもこれからも、力を入れていきたいと思うのは歯周病治療ですが、それを患者さまにどう上手に伝えていくかを考えています。その中でも、どう治療していくかの説明が伝わりにくいところです。歯周病治療は「早期発見・早期治療」が大事です。
虫歯に関しては、傷を詰めるだけなんです。歯周病治療は2年単位ほどの治療になるので、取り返すのにすごく時間がかかります。そこをメインにしたい気持ちはあるのですが、やはり患者さまの歯周病に関する意識もまだ低いので、その啓発活動をもう少しどうにかしたいなと思っています。
院内のデザインや空間でこだわったところがあれば教えてください。
歯周病治療などをやっていくうえで、奥に歯周病のための手術室のような特別診療室をつくりました。
その際にプライバシーの問題があるので、上は隙間があるのですが、ほかの患者さまからは見えないような個室にしております。また、落ち着いて治療を受けてほしいというのも個室にした理由です。
スタッフの自慢
勉強熱心なところです。資格を取得したり、パワーポイントや患者さまのレントゲン、写真整理して全部まとめてくれたりします。
プランまで立ててくれて、それを患者さまに話してくれるので助かります。全部貼り付けて、全部問題を出してくれます。
開業したときからいる方ですが、志が高いです。
この町の好きなところ
生活している人がみんな仲良くやっているっていう感じが好きです。
患者さま同士の仲もいいので、そこもつながってた、みたいなことがあります。またそういう人がどんどん紹介してくれるので大変助かってます。