イッコウ歯科医院

開院当初から強く意識していたのですが、単に心地のいい空間を目指すだけでは歯科医院としては不十分ですよね。歯科医院である以上、患者さまが抱えていらっしゃる苦痛や悩みを和らげていくことが特に大事だと思っています。そのためには、CTやマイクロスコープなどの機器を導入しました。そして、大画面で画像をお見せし、患者さまに現状をお伝えしたうえで、治療法について丁寧にご説明しています。つまり、インフォームドコンセントを徹底し、患者さまへの思いを「こだわり」として表しているのです。また、とにかく患者さまと対等な立場で真剣に向き合う病院にしたかったんです。優しく接するのは当たり前のことで、患者さまの健康を考えたうえで、いかに真剣にお付き合いしていけるか。当院では私だけでなくスタッフもみな同じ考えなので、熱意を持って患者さまに接しています。時には一緒に涙したり、大声で笑いあったりもしていますね。院内のテーマカラーは落ち着いた青ですが、スタッフのイメージを色で表すと情熱の赤と言えるかもしれません。

最後の治療が終わった瞬間、涙を流した患者さまがいらっしゃいました。納得のいく形で最後まで歯科医院に通うことができたのは、これが初めてだとおっしゃっていました。その方は歯の見た目にコンプレックスがあり、いつもマスクをつけておられたんです。基本的な治療が済んで、最後に歯が入ったとき、やっと自信を持って笑うことができたんですね。そのことにご自身がとても感動されて、涙があふれてしまったようでした。その姿に私もスタッフも思わずボロボロともらい泣きしてしまいましたね。その患者さまは、当院の入り口のところまでいらっしゃったのに、勇気が出ずに帰られたことが４回あったそうです。５回目でやっと中に入ることができ、そのときのスタッフの対応のおかげで、通院できるようになったとおっしゃっていました。歯科医院に対し、強い恐怖心を抱いていたんですね。人と話すときは手で口を隠す、外に出るときはマスクをつけるという生活をずっとされていたとうかがいました。特にうれしかったのは、治療完了後、今までずっと会えなかった同級生たちにやっと会えたとおっしゃって、そのときの写真を持ってきてくださったことですね。

何かひとつでも、これだけは誰よりも自信があるという治療分野を持つ歯科医師のことだと思います。また、治療の内容や経過、そして結果などを患者さまにプレゼンテーションできる歯科医院は良いと思います。当院では、患者さまへのプレゼンテーションのために大きなモニターをご用意しております。ここで言うプレゼンテーションとは、患者さまに視覚的に見せながらわかりやすくご説明をするということですね。当院は、治療中の動画を拡大してお見せすることもできるんです。こうすることで、患者さまご自身がどんな治療をされたのかがよくわかり、落ち着いて通っていただけるようになります。手前みそですが、こういうことができる歯科医院は良い病院だと思っています。

患者さまの歯を残すために、さらなる努力をしていきたいです。現在、当院には県外からも患者さまがいらしています。残せないとあきらめかけた患者さまが、歯を残すためにわざわざ遠くまでいらっしゃっている方も多いんです。これはもうだめだから歯を抜こうというハードルが、今の日本ではとても低いと感じています。あらゆる角度から診察し、有効な治療を施すことで、患者さまの大切な歯を１年でも２年でも長く残してあげたい。そう考えて、マイクロスコープを使った精密な根管治療を行っています。当院はインプラント治療も行っていて、これは一見すると根管治療とは対極にあるように思えるかもしれませんが、数年後多くの歯を失わないためにくさびを打つような意味でインプラント治療をすることもあります。そういった考えもなく、簡単に抜いてしまおうという風潮が強いことにはかなり危機感を抱いていて、私自身がこの流れをとどめる最後のとりでになりたいと考えています。

お口の中の健康について、何か悩んでいらっしゃることがあれば、まずはお気兼ねなくご相談していただきたいです。当院がそういう窓口になれるのでしたら、それはとてもうれしいですね。具体的な治療をするしないに関わらず、どういうことで悩んでいるのかをお伝えいただければ、何かしらお力になれることがあると思います。少しでも患者さまの心が楽になるのでしたら、それは私たちの喜びですので、ぜひご相談ください。