お子さまの治療は練習することから始めます。自分から気持ちよく口を開けてくれるまでは、無理に治療を行いません。最初はミラーを入れるだけであったり、お口のなかを見せてもらったりと、少しずつお口を開ける練習をしていきます。練習を重ねて慣れてきたら治療を始めていきます。
初めて歯科医院に来たお子さまは、特に恐怖心を抱きやすいです。そのため、始めの段階では親御さまも一緒に診療室に入っていただきます。治療内容によっては親御さまの膝の上で治療を受けていただくこともあります。しかし、いつまでも一緒に入室していただくわけにはいけません。お子さまの様子をみながら判断をし、1人で診療室に入る練習もしていきます。兄弟でお越しの場合には、親御さまに待合室で待っていていただき、2人で互いの治療をみて治療に対する恐怖心を和らげていただきます。
最初の治療で怖い思いをさせてしまうと、歯科医院は怖いところというイメージが定着してしまいます。怖いというイメージを与えないことが重要です。当院では少しずつステップアップしながら治療をすすめていくので、お子さまにも無理なく通っていただけると思います。
お子さまの虫歯治療の基本は、フッ素塗布とメンテナンスです。
フッ素をお子さまの歯に塗ることで、歯を強くすることができます。そうすることで虫歯になりにくい環境を作り、痛い思いをせずに済みます。歯科医院で塗るフッ素は歯を強化しやすいですが、濃度が濃いです。そのため3カ月に一度のペースでフッ素塗布を行います。併せて、歯科医院で行った状態を維持するためにも、ご自宅でも使用できるフッ素を塗っていただきます。歯科医院でもご自宅でもフッ素を塗ることで、より虫歯になりにくい歯にすることができます。
また、日々のブラッシングがとても重要になります。特に小さいお子さまの場合には親御さまの仕上げ磨きが不可欠です。お子さまだけではできる範囲に限りがあり、磨き残してしまった部分を中心に親御さまには仕上げ磨きをしていただきます。
小学校低学年まではなるべく仕上げ磨きを行ってあげてほしいと思います。それまでは親御さまの仕上げ磨きの出来によって、虫歯の数が変わってきます。お子さまにも仕上げ磨きの大切さをていねいにお伝えいたしますので、親御さまにも協力していただきたいと思います。
歯の治療には痛みがともなうことがあります。当院では表面麻酔を歯茎に塗ってから治療を行いますので、痛みの少ない治療を進めることができます。表面麻酔をしっかりと効かせてから麻酔を注射していくので、針を刺す際の痛みも軽減できます。痛みの少ない治療によって、お子さまも緊張せず、リラックスして治療に臨むことができと思います。治療もスムーズに行うことができますので、治療時間も短縮できるでしょう。
表面麻酔を使用していることで、歯科医院は痛くて怖いところと思っていたお子さまが、無理なく通えるようになると考えます。お子さまも治療を受けられるという自信を持つことにつながってくるので、その後も前向きに歯科医院に通っていただけるようになります。