当院では、矯正は永久歯への生え変わりが始まる、6歳くらいから取り組むことをおすすめしています。将来的に歯並びが悪くなりそうかどうかということは、永久歯に生え変わり始める小学校低学年ぐらいでだいたいわかります。
そのため、小学校低学年くらいのお子さまを持つ親御さまから歯並びに関するご相談をよくお受けします。以前はそのようなご相談に対して、硬めの食べ物をきちんと噛み、自然な発育を促してください、といったアドバイスをさせていただいておりました。
しかし、なかなか自然にしっかりと発育していくことは難しい場合が多く、永久歯への生え変わりが終わる小学校高学年の頃には、やはり歯並びが良くないという状態になりがちです。
永久歯への生え変わりが終わってから矯正を始める場合、せっかくの歯を抜く必要が出てきます。そうならないためには、小学校入学前後くらいからマウスピースを用いた矯正を行うことが有効になってくるのです。
マウスピースを用いたお子さまの矯正とは、正常な歯並びを模したシリコンのマウスピースを毎日一定時間装着することで顎の発達を促進し、正常な歯並びに近づけていく、という方法です。
日中1時間と夜寝ている間装着するだけなので、学校にマウスピースを持って行く必要はございません。比較的新しい矯正法ですが、当院でしっかりと行ってくれているお子さまには、良い結果が出てきております。
マウスピースを用い、6歳ぐらいから矯正を始めるメリットは数多くあります。例えば、通常のワイヤー矯正では矯正器具が見えるため見た目が気になりがちですが、マウスピースであれば常時装着しているわけではないので、見た目での抵抗が少なくなります。
そして、矯正にかかる費用も、ワイヤーを用いた矯正よりも抑えることができます。そして何より、永久歯への生え変わりが終わってからワイヤー矯正を行う場合と違い、健康な歯を抜かずに済むことが大きなメリットだと当院では考えております。
メリットの多いマウスピースでの矯正ですが、一つ難しいところがございます。それは、お子さまの協力がないと良くならないということです。マウスピースはお子さまご自身で着脱できることから、お子さまご自身の意思で入れていただく必要があります。どうすればお子さまにより矯正に協力していただけるかなどは、今後も対応が必要な部分だと考えております。