診療のモットーを教えてください。
開院以来「患者さまには優しく、ていねいに、誠実に」という言葉を掲げています。お一人おひとりの患者さまを大切にし、何を主訴としているのかということは見逃さないように心がけています。
必要な治療についてお話しする際は、症状を見ながら患者さまに適した治療をいくつか提示させていただいています。現在の状態とこれからの治療内容についてしっかりと話し合いながら一緒に治療計画を立てていくことを大切にしています。
また、通院回数を減らすことも意識するようにしています。歯科医院が敬遠される理由として、時間がかかることが挙げられると思うので、そのデメリットを解消するために治療回数を少なくできるシステムを取っています。これも「患者さまに優しい」という点に当てはまるのではないかと考えています。
初めて来た患者さんに対して心がけていることがあれば教えてください。
今は自分で情報を入手することが容易な時代ですので、患者さまは事前に下調べをした上で来院くださっていると思っています。当院での治療に期待を抱いていらっしゃるわけですから、それ以上のものでお応えしないとご納得いただけないかもしれません。ですので、スタッフの対応や説明、治療など一つひとつを丁寧に行い、治療を終えた時にこの歯科医院を選んでよかったと思っていただけるような対応を心がけています。
説明・カウンセリングで重要視していることはなんですか?
専門用語ではなく噛み砕いたわかりやすい言葉で、理解できる説明を心がけています。あまり長く説明しても焦点がずれてしまって結局お伝えしたいことが伝わらないということもありますので、端的に、短時間でわかりやすい説明を方針としています。
様々ある歯科治療の中で特に力を入れて学んだのは何ですか? その理由も教えてください。
高齢者歯科医療、有病者歯科医療、顎関節症です。学生時代から高齢者の歯科にかかわっていこうと考えていたのですが、高齢者はなんらかの病気をお持ちの方が多いです。全身管理ができないと高齢者を診ることができないと感じたため、高齢者歯科医療に付随する形で有病者歯科医療を学びました。
顎関節症に関してはより強く興味を持った分野です。実は非常に難しく、対応できる歯科医師も多くありません。大学病院に行かなくてもある程度の治療はできるよう、研鑽を積むことに努めました。症状が重い、外科治療が必要なケースに関しては信頼関係を築いた医師に紹介できるルートもありますので、相談していただきやすい環境は整っていると思います。
女性の患者さまに配慮していることがあれば教えてください。
周りの目を気にすることなく歯磨きやお化粧直しをしていただけるよう、パウダールームを設置しています。
ほかには、すべての患者さまへしていることではありますが削る治療や水が飛び散るような治療の際にはタオルをかけさせていただいています。顔になにか飛んでくることや身なりが汚れてしまうことは、みなさま気にされることだと思います。その不快を感じずに治療に集中していただけばという思いからです。
それから、各診療チェアにブランケットをご用意しています。足元が寒くないよう使っていただけますし、ブランケットをかけることで少しでもリラックスしていただきたいです。
歯医者嫌いのお子様のために行っている工夫はありますか?
不安感を取り除くことと、信頼関係を築くことは大切にしています。
小さなお子さまは「この人はいやだ」と感じたらなかなか口を開けてくれません。「この人はちゃんとしてくれる人だ」と口を開けてもらうためにはしっかりコミュニケーションを取るようにしています。最初から拒否反応を示すお子さまであれば、怖さなのか、甘えなのか、治療中であれば痛みからなのかということは注意して様子を見るようにしています。
治療ができそうにないと判断した場合にはまず不安を取り除く第一歩として、フッ素の歯磨き粉でのブラッシングから入ります。日ごろ家でやっているようなことから入れば、肩の力が抜けることもあるからです。
優しくお声かけして、まずは歯科医院はいやなところではないと思っていただくことも大事にしています。
院内のデザインや空間でこだわったところがあれば教えてください。
以前の医院の天井が低かったことが気になっていたので、移転の際に天井を高くして開放的な空間にすることはこだわりました。
加えて、人がより落ち着く色合いがピンク色だということが最近わかってきたようで、壁をピンク色にしました。看護師の方が着ていらっしゃる制服にピンク色が増えてきたこともそういった意味もあるようです。視覚でリラックスしていただいて、治療を受けてもらえればと思います。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
すべてのスタッフが本当に患者さま第一であることです。その患者さまにとっていまなにが大切なのか、なにを望まれているのかを、私が指示しなくても能動的に取り組んでくれています。思いやりの心を忘れずに、自ら進んで行動してくれるので、非常に感謝しています。
今後力を入れていきたいと考えている治療があれば理由とともに教えてください。
ウェルエイジング部門の拡充に努めてまいります。
ウェルエイジング(Well Aging)とはその名のとおり、「上手に年を重ねる」ということです。見た目を若く保つことに注目されがちですが、こちらはその年齢なりの美しさを目指す考え方です。メディカルエステとしてみなさまに関わっていければと思います。
もうひとつは先制医療です。いまは健康な方であっても、将来的にどのような病気にかかるかはわかりません。本人が気付いていない部分や、これから起こりうるリスクをあらゆる方角から見つけ、発病を予防する医療です。発症を待つのではなく、こちらから先制攻撃をかけていくこの治療法はこれから主流になると思っていますので、歯科人間ドックという形で力を入れていこうと思っています。