肉体を形づくる栄養や、人の腸内に生息する細菌、ウィルスなどの病原菌も、もとを辿ればその多くが口から入ります。ですから入り口であるお口が不健康な状態だと、取り込んだ物にも悪影響が出てきてしまうのです。虫歯や歯周病によってよく噛めずにお口を通った食べ物は、消化不足となり栄養を吸収できないまま体外へ出ていきますし、お口の中にばい菌が蔓延していれば、それもまた体内へと飲み込まれることになります。当院では口内環境を改善するよう、日々の診療に取り組んでいます。
身体の中で、お口ほど極端な試練に日々さらされている場所はなかなかありません。食べ物に含まれる酸に耐え、アルカリに耐え、さまざまな物が押し寄せる中で歯は何十年もその役割を果たしています。残念ながら、虫歯の治療に用いられる詰め物や被せ物などの人工物は、どんなに良い素材で作られていても自然歯と同じほどの耐久性は期待できません。日常生活で当たり前のように与えられる過酷な刺激にしっかり耐え得るものは、ご自身の歯以外にはないのです。
積み木をいくつか、縦に積み上げていく様子を想像してみましょう。下から何番目かの積み木を、中心から少し右にずらして置いたとします。すると、そこから上に積む積み木は、今度は少し左にずらしてバランスを取らなくてはなりません。人間の身体の骨格でも、腰・肩・顎といった部位は良い姿勢を取る上での大切なポイントです。腰が歪めば肩が歪み、やがて顎の噛み合わせのずれにも繋がってくるのです。当院では体患者様のさまざまなお口の症状に対する原因を探り、より良い治療を行っていくよう努めています。
虫歯や歯周病そのものの治療は歯科医師の役割ですが、治療後のセルフケアや生活改善に関しては、患者様ご自身の前向きな取り組みが大切です。とはいえ、具体的には何をどう変えればいいのかわからないといった場合もあるかと思います。当院では歯の治療面だけでなく、食生活面でのアドバイスをさせていただいています。食材の選び方や食べ方、消化を良くするための良い姿勢の保ち方など、健康づくりのための身近なご提案をしていますので、気になることは何でもお気軽にご相談下さい