徳田歯科医院

私の実家は京都の西陣の帯屋でして、元々は家を継いで帯を作っていました。ちょうどオイルショックがあり時代の流れが激変していた頃で、西陣が成り立たなくなってきたんですね。それで私は歯科技工士に転職したんです。
仕事には一生懸命取り組みましたが、歯科技工士じゃ患者さまの口の中は触れませんので、何とかしてあげたいと思ってもできない。これは私にとって大きなストレスになりました。自分が作ったもので、実際に患者さまがきちんと咬めているかどうかがわからないですからね。ドクターからは、「喜んでおられた」とか、「あの入れ歯の具合が悪かったなぁ」など間接的に聞くことはできるんですが、直接患者さまと会話して、どう具合が悪いのか何が問題かを聞かないと、細かい要望は伝わりません。そのうち夜なべ仕事が続いて体調を崩し、胃潰瘍になっちゃったんです。そうしたら家内が、「歯科医師になるためにもう１回勉強して、大学に行ってみたら」と言ってくれたことがきっかけで、歯科医師になる決意をしました。
子供もいましたので、家内と私とで支え合って大学に6年間通いながら子育てをしたような状況でした。家内もよく思い切ってくれたと思いますが、転機になるきっかけを作ってもらい感謝しています。

日々前進するという姿勢で取り組むことですね。
今でも歯科知識の勉強はしておりますし、新しい材料が出たら取り入れるようにしています。正直なところ経営的には銀歯を使用した方がよっぽど楽ですけど、患者さまのことを考えると金属は入れられないなぁと思います。
歯科医療は日進月歩ですから、どんどん新しい知識・技術・材料が出てきます。その進歩を吸収して対応していかないと、患者さまの要望には応えられえません。厳しい部分でもあるし、やりがいにも通じる面白さでもあると感じますので、こうして歯科医療で患者さまに貢献する以上は、責任を持ってより良い治療をするように心がけています。

「pd診療」のpdとは、「proprioceptive derivation」の略で、人の固有感覚に基づいて誘導する診療方式です。 よくある、患者さまが座った椅子が後ろに倒れるというタイプではなく、フラットに横になっていただく診療台を使用したり、器具や器材の位置関係やドクターの姿勢にまで人間工学に則ったシステムになっています。
視野や手元が安定して手元のブレを軽減する事が可能です。また、ドクターサイドからは、腰に負担がかからないので無理のない姿勢で治療に集中できます。
「ゼロコンセプト」とは、医療の必要がない健康な状態を「ゼロ＝0」とし、マイナスをなるべく「0（健康）」に近づけるために診療しようとする考え方です。0を維持させるために、これからも精進してまいります。