医療法人　彩真会　岡崎歯科

きっかけのひとつは、父親が歯科医師だったということがあります。 もうひとつは、小さい頃から物を作ることが好きで、その作った物を相手に提供して喜んでもらう仕事に就きたい気持ちが強かったからです。 だから一時期は、家やビルを設計する建築士や、フランス料理のシェフになりたいって思ったこともあります。

歯科の仕事も患者さんのお口を治療して構築するという点と、実際に喜んでいただけるという部分で重なっていると感じます。 自分の仕事で人に喜んでほしいという想いは小学校の頃からありましたね。 ただ、親の仕事が歯科医師だったのでずっと身近に感じていましたし、将来像としてイメージしやすい道でした。

最終的には父の背中を見て、自然にこの分野に進んだという感じです。 父は当医院の開業の少し前に亡くなり、見てもらうことができなかったのは残念でしたが、遺志を継げるようにがんばっています。

治療内容によって、その道に詳しい先生に診てもらうでしょうね。私の場合、色々な学会やセミナーにて演者や講師をさせていただいてる関係で、どの先生が、どの分野で優れているのかを把握しているので、その中で『このケースは彼に任せられるかな』という理由で判断すると思います。

一般の患者さまが歯科医院を選ぶポイントとしては、やはり歯科医師の人間性が重要だと思います。一般の患者さまは歯科医師の技術が良いか悪いかを、なかなか分からないと思うので。

当院のコンセプトにも掲げていることですが、その患者さんの人となりを理解するということ。 患者さんがどんな考え方をして、どういう結果を求めているか、いかなるビジョンを持ってここへ来られたか。 患者さんのご希望をまずしっかりお聞きして、それを叶えるためにどう進めていくかを話し合ってコミュニケーションを取ることが大切です。
そこを外してしまうと、患者さん中心の治療じゃなくなってしまいます。 やはり患者さん主体の医療をするためには、患者さんのキャラクターやニーズ、生活環境まで把握することが重要だと歯科医師・スタッフには伝えています。

僕は補綴医なので、最終的にはすべて僕がデザインをします。 例えば、矯正をする患者さんがいて矯正医に診てもらうときも、「こういう形で並べてください」と具体的にデザインして伝え、できる限り希望通りになるようお願いします。 補綴医というのは、「コンダクター（指揮者）」になるので、治療を成功に導くためのキーを他の歯科医師にオーダーするのです。 資料などはすべて共有して、紹介する先生にも患者さんを理解してもらい、ひとつの目標に向かう。その陣頭指揮を執るのが私の仕事です。

治療に際して修復物を成功に導くためには4つのコンセプトがあります。 まず「体に優しい材料＝生体反応が良い素材」で、次に「壊れない＝長持ちする」、「しっかり噛める＝機能性が高い」、そして「見た目を兼ね備える＝見た目の美しさ」です。 このコンセプトを各分野の歯科医師と共有して、患者さんに提供することを心がけています。

僕はカンボジアの孤児院へ行くんですけど、子供達は歯科医療を受けるお金がないので、虫歯になったら我慢するだけなんです。 虫歯ってなった人は分かるでしょうけど、痛くてどうしようもないでしょ。だから年に1～2回は行ってあげたいというのがありますね。

仲間の先生にも声をかけて毎回行ける人員を連れて行き、50人ほどの孤児達を診ています。 電気がないので日が落ちる前の明るいうちしか治療はできず、人手は多い方が良いです。

日本みたいに物が揃っていて、手を伸ばせば何でもあるという国じゃないけれども、 純粋な気持ちで暮らす人々と接することで僕らもいっぱい勉強することがあるし、心が洗われます。 子供達が年々大きく成長していく過程を見られるということも喜びになります。 ボランティアは支援するばかりじゃだめで、自立させることが最終目標になるので、少しでもその手助けをすることができればと続けています。