江並歯科

大学卒業後、臨床研修のときには大学病院と開業医院それぞれに行きます。よくあるのが大学病院に8カ月、開業医院に4カ月というスケジュールなのですが、私はその反対を選びました。つまり開業医院に8カ月、大学病院に4カ月です。わざとそうしました。

というのも、大学病院はたくさんの歯科医師が在籍しているために、見ることができる患者さまが限られます。開業医院の方が、たくさんの患者さまを見ることができるのです。桁が違うぐらいです。その分、大学病院の方がていねいに診療にあたれるというメリットはありますが、私は継承することが分かっていたので、できる限りたくさんの患者さまを見て学びたいと思っていました。

研修先として選んだ開業医院は、インプラント（※）とレーザー治療に注力している歯科医院でした。見学をさせていただいた際に先生から、「失った歯は入れ歯やブリッジでも治療できるが、自分の歯のように噛めるのは現段階ではインプラントしかない」と聞き、「これだな」と感じましたね。将来的にインプラントに力を入れたいと思いました。

その先生はインプラント治療に詳しい歯科医師として貢献されていました。この人を目標にやっていこうと思える先生が近くにいたからこそ、現在の診療スタイルができたかなと思います。

※自由診療です。料金は料金表を確認してください。

日々診療が忙しくなってくると、場合によっては手を抜きたくなる人もいると思います。でも、私自身は手を抜くことはいたしません。いつでも患者さまと真剣に向き合って治療にあたりたいと思っています。どんなときでも妥協せずに患者さまを見ていきたいですね。

あと、心がけていることは、タッチをやわらかくすること。特に初めての患者さまに対しては強引に治療を進めるのではなく、負担を感じない力の加減に気を付けています。

患者さまによっては「歯科医師には言えないが受付スタッフには言える」ということも多いと思います。気になっていることがあっても歯科医師には言い出せなかったというときに、受付スタッフなら聞き出せることもあるでしょう。ですから、受付スタッフには細かいご要望も引き出せるような明るく優しい雰囲気を大切にしてほしいと話しています。

これらの設備がないときは、治療をどんなに全力で行っても限界を感じる場面が多くありました。例えば、根の治療をちゃんとしていても患者さまの症状がひかない、根の先までお薬が届かない、などの壁にぶつかって、私自身もストレスを感じていました。突き詰めると、やはり設備が原因なのです。マイクロスコープや歯科用CTを使っていれば、妥協せず治療を進められますね。

ですから、歯科医師として全力で向き合い、機器を活用しても、どうしてもできないとなったときに初めて治療を諦めます。そのときは別の提案をします。そうでなければ自分自身も納得がいきませんし、患者さまを納得させることもできないと思います。

当院では早く精密な治療をご提供したいという思いから、開業早々にこれらの機器を導入しました。自分が受けたい治療をするというのがモットーなので、そのためには不可欠でした。すべては患者さまのためです。これらの機器のおかげで、胸を張って診療にあたることができています。

歯科ユニットウォーターライン除菌装置とは、歯科医院の診療台で使う水をきれいにする装置のことです。

以前、「歯科医院の水は汚い」と耳にしたことがきっかけで採用しました。でもただ耳にしたからという理由ではなく、自分が受けたい診療を考えてのことです。

診療中にはタービンという歯を削る器具からも水が出ていますし、お口の中を見やすくするためにお水を流すこともあります。常にお口の中には水がかかっているんですね。そのときの水がきれいな方が良いと考えて、導入を決意しました。

特に根の治療では、根っこの中を清潔に保たなければいけません。治療時に汚い水を使ってしまうと、せっかくきれいにしてもまた汚染される可能性があります。けして目に見える変化があるわけではありませんが、歯科ユニットウォーターライン除菌装置を導入することも、歯科医師として堂々と診療にあたれる一因になっています。