インプラント
患者さまの置かれている条件を確認してから
当院ではインプラントの機材を取りそろえ、ご希望の患者さまにはインプラント治療（※）をしています。
ただインプラントをするには、年齢や骨の状態やブラッシングの習慣、糖尿病を患っていないかなど、いくつかの条件があります。この条件がそろわない限りは、仮に患者さまが希望されても基本的にはお勧めしていません。そもそもなくなってしまっている歯をインプラントで補おうとするのは、交通事故など物理的なことでの欠損の場合はともかく、歯を失う何らかの原因があり口腔内はあまり良くない状態だという前提で考えて検査、判断をします。インプラントをする前に、行うべきことはないだろうか、これが当院のスタンスです。
※自由診療です。料金は料金表を確認してください。
より良い治療、されどインプラント
私はここを開院する前の勤務医時代に、今でいうところの訪問歯科診療ですが、患者さまのもとによく往診に出向いていました。ある日、ある施設に行ったところ、初期のインプラントをされていた方が数名いらっしゃったのですが、そのうちの認知症の患者さまの口の中を診たところ、口腔ケアができないために歯茎がパンパンに腫れあがってしまっていました。これがもしも入れ歯であれば取り外しができるので、スタッフの方でもきれいにしてあげることが可能だったのですが、インプラントがあるがために十分なケアができなく、つらい思いをされていたご様子でした。そうした事例を診てきていますので、インプラント治療というのは歯科治療の領域を広げた良い治療ではありますが、十全なものではないと思い至った次第です。これからの時代、健康寿命が延び、入院や施設に入ったりした場合に、インプラントによる弊害は現実のこととして受けとめておく必要があり、当院の患者さまにもこうした事情を丁寧に説明し、アドバイスをさせていただくつもりでいます。
