鈴木歯科医院

私の祖父も父も歯科医師だったからということが大きいですね。ここ山科で開業してから、私で3代目になります。
とはいっても、私はすんなりと歯科医師になったわけではないんです。

歯科医師になる前に1年ちょっとサラリーマンをしていた時期があるんですよ。でも他の仕事をしてみると分かってくることなんかもあるでしょ。違う業種や分野の環境で仕事をすることで、誰かのためになる良さに気付きましてね。
自分の仕事がより直接誰かのためになるということは、私に向いていたということでしょうね。
歯科医師というのは、患者さんを相手に直接治療するという仕事ですからね。それでがんばってみようかなと思って勉強を始めたんです。

歯科医師になって、初めて患者さんに「ありがとうございました」と言われたときはうれしかったですね。
虫歯なり、歯周病なり、歯のトラブルを抱えた患者さんを治療して、感謝されてお金をいただくというのが、医者の仕事やと思ってます。
こういう経験は大きく、やりがいを強く感じますね。

地元で長く診察してるので、親世代から子世代まで患者さんとのおつきあいがあるんですよ。
そんなことで「歯がちょっと痛いんやけど」くらいの、相談がしやすい雰囲気はあると思います。
歯は一定のお手入れが必要やから「治療して、はい終わり！」ということはありません。なるべく身近な何でも相談できる歯医者でありたいですね。

やはり先生の人柄を重視しますね。患者側の話をじっくり聞いてくれるかどうか。
ちゃんと分かりやすくていねいに説明してくれるかどうかなんかで判断しますね。

こちらが話しやすい対応をしてくれるかも大事なことです。
いかにもドクターとして、上から見下ろすような人に診てもらうのはいややね。専門用語を並べられても分からんでしょ。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあるけど、今の時代はちょっと違ってる先生も多い気がしますね。
実際に病院なんか行くといるもんね。「おいおい、もっと説明してよ」って先生がね。

だから私は反面教師にしてるの。なるべく分かりやすく噛み砕いて何でも説明するようにしてね。


私はたくさんの患者さんに「優しい」なんて言われたりするんですよ（笑）。
「治療もこないにていねいに説明してもらったん初めてや」ってね。あたりまえのことですのにな。
自分が患者になったら、技術は自分と同じレベルで、謙虚な姿勢の先生を選びますね。

三つ挙げるとしたら、まずは「随心院」かな。観光でも知られてるでしょ。小野小町ゆかりのお寺です。
次は景観が美しい「毘沙門堂」やね。ここはほんまにきれい。歴史のあるお寺は趣があって、見てるだけで心に沁みますね。
若い時分に見た印象と、年を取ってから見る印象は風景の見方・見え方が違ってきて、だんだん好きになる。自分も「ああ、年取ったなぁ」と感じますわ。

後は、すぐお隣にありますわ。京都ではいくつかのお店がある洋菓子屋さん「BAIKAL（バイカル）」ね。
私はあまりケーキとか甘いもんは食べませんけどね。それでもプリンやシュークリームなんかはいただく。
バレンタインの時期の生チョコケーキはおいしいですわ。

あれ？歯医者がチョコの話っちゅうのはあかんか、まぁかめへんわな。
食べたらしっかり歯を磨きましょうってことで。

歯の健康を保つために特に大切なことは、定期的に検診を受けることです。これに勝るものはない。

こまめな人は1～2カ月ごとに来てチェックしますけどね。それは人それぞれで、来る人と来ない人がいます。
大方の皆さんはうっかり忘れてしまうんですね。
前はハガキを出してお知らせもしてたんですが、それでも忙しかったり、何となくまだいいやという気持ちで忘れてしまう。

それでなるべく検診を覚えててもらうために、せめて誕生日のある月くらいは「歯の掃除」をするつもりで歯科に来てもらうようにお伝えしてます。「ずっと忘れてても誕生日くらいは覚えてるやろ」って言ってね（笑）。年に1回くらいは、誕生日とセットで歯の健康を意識してもらえたらいいですね。

口の中には虫歯や歯周病だけでなく、全身に影響を与える菌が潜んでいる場合があるから、
お口の環境は甘く考えてはいけません。

健康診断で内科の病気は調べてチェックするでしょ。それと同時に歯科の定期検診も受けてほしい。
健康体を目指すなら、ぜひとも口の中や歯にも気を使ってほしいと考えています。