Q. 歯科医師を目指したきっかけを教えてください。
家があまり裕福ではなかったので、親に大学へ進学するなら国公立の現役合格で、しかも就職しやすいところと条件づけられていました。なかなか厳しいですよね。こうした条件の中で大学選びをしているとき、歯学部が目に留まったんです。卒業後は勤務医をしていましたが、スタッフが多いところだとどうしても自分の思うようにならないことが出てきてしまい、それがだんだん気になるようになりました。たとえば、お子さまの治療についても、おさえつけて無理やりにでも治療したほうがいいのか、治療ができる状況になるまで待つ方がいいのかなど、スタッフの中でも考え方が食い違うことがしばしばあったんです。当初はずっと勤務医でいるつもりでしたが、そういうこともあって、だんだん開業を考えるようになりました。歯科医院過剰の時代と言われている中で、思い切って開業しましたが、こういう歯科医院でありたいという目標の環境をつくれるので、開業してよかったと思っています。また、スタッフが働くうえで思ったことを言いやすい職場であることを心がけています。普段は患者さまへの対応でなかなか時間はとれませんが、朝の準備のときや夜の片づけのときなどにスタッフとコミュニケーションをとり、気づいたことを話してもらって、患者さまへのご対応へも生かしています。
Q. 歯科医院を目指していた時と現在とでは歯科医師に対する考え方で変化したことはどのようなことですか?
治療法がいくつかあるときなど、自分がこうだと思う意見を強く押し出すことはしなくなりましたね。もちろん、良い方法があったらそれをおすすめしたいのですが、どんな方法にもたいていメリット・デメリットがあります。患者さまの状況や考え方も人それぞれですから、その患者さまに合ったものを見つけてあげることが重要だと気付いたんです。たとえば、虫歯は放っておいても改善できませんが、患者さまがこのままにしておきたいという場合は、写真を撮って残しておいて、次に検診できたときに広がり具合をみてみることにして、手を入れない場合もあります。次にいらっしゃったときに虫歯が広がっていたら、患者さまも納得したうえで早く治療をしたほうがいいなとなりますよね。また、患者さまへの選択肢は当院ではできないことも含めて提案するようにしています。どこでどんな治療にあたるかということは、その後のメンテナンスも含めて患者さまご自身に判断してもらえばいいと思っています。そのうえで当院を選んでいただければうれしいですし、もちろんご納得いただける治療をいたします。進行した歯周病についても、歯茎をけずりとって歯周ポケットを浅くする方法もありますが、患者さまの生活習慣が途中で変わるなど、進行が食い止められそうな場合は、できるだけ治療をせずにケアしていく方法も提案しています。
Q. 初めて来院してくれた患者さんに心がけていることは何ですか?
患者さまがお子さまであれば歯医者に対するトラウマ意識を持たせないこと、大人であれば歯医者に対するトラウマ意識を取り除いてあげることを心がけています。自動ドアから院内に入る時点で大泣きしているようなお子さまに対しては、よっぽど早急な対応が必要な場合でない限り、無理に治療しない場合もあります。まずは座って話ができるところまで、二回目は治療に使う機械や器具を見せるところまでとし、三回目くらいから様子を見つつ痛みの少ない治療から始めていきます。このように段階を踏んでいくと、最初は大泣きしていて治療どころではなかったお子さまも、笑顔で帰っていくようになるから不思議です。年配の方はお子さまと違って治療や痛みに不安があっても我慢している方が多いと思いますが、億劫がらずに通えるような歯科医院でありたいですね。そのためには、患者さまに納得してもらうまでしっかりと説明し、疑問や不安に思うことを払拭できるようにしたいと考えています。
Q. 滋賀県のおすすめスポットを教えてください。
「びわ湖こどもの国」というところに、フリーフォールすべり台というのがあるんですが、これがすごいんですよ。地面に対してほぼ直角な面をすべり下りるんです。これは大人でもちょっとこわいと思いますが、一度挑戦してみてもよいかもしれませんね。こちらには、ほかにも小さな子が楽しめるような遊具もたくさんありますし、バーベキューもできるので、ご家族連れで行かれるとよいと思います。車だと道が混雑することもあるので、朝一番に向かって午後の早い時間には帰ることをおすすめします。