予防の大切さ
歯の予防というのは「予後」にとても影響を与えるので、とても重要です。「予後」とは治療を行ったあとの状態をいいます。実は治療を行った歯というのは、「虫歯」になりやすいため、治療が終わって治ったというそのあとのケアが、今後の患者様の歯にとってはとても大切になります。治療後に虫歯になってしまう要因としましては、ブラッシングがしっかりとできていないことや、糖分の過剰摂取が原因の一つとしてあげられます。せっかく費用と時間をかけて虫歯の治療をされた方が、定期診療にお越しいただいた際に、再び「虫歯」になってしまっていることは私たちもつらいですし、何より患者様ご自身がつらいことだと思います。ですので、治療が終わってからの、「予防」であるご自宅でのケアに、ぜひ関心を持っていただき、少しでも意識をして予防をしていただきたいです。
当院にお越しいただいている患者様についてですが、「飴」を舐める方が特に「虫歯」になる確率が高くなっています。というのも飴は歯にくっついてブラッシングをしても磨き残してしまうことがあるため「虫歯」になると考えられます。また、飴は長い間口の中にあり、口の中の糖分の滞在時間が長いので、その時間の長さというものが、虫歯の促進につながっていると考えております。この飴の糖分は、唾液と共に治療のしづらい歯と歯の間に入ってしまうので、特に虫歯になりやすいのです。
食べ物を食べたあとのブラッシングのタイミングというのは、歯科医院によって見解が異なり、通われる歯科医院によって言われることが違うかもしれません。食べ物を食べたあと、唾液の中に入っている再石灰化や中和作用があるので、30分程度その作用をまってからブラッシングをするべきだという歯科医院もいます。ただ、私の考えとしましては、生活で食べたあとに30分待ち、そのあとに磨くというよりも、忘れないうちに磨いた方が良いと考えています。特にご高齢の方には、食べてすぐに磨くということを意識しておこなっていただきたいと思っております。
ブラッシングについては、歯科衛生士が主となり、患者様にご指導させていただいております。特におすすめしているのが、歯ブラシを使ったブラッシングと、歯間部清掃という「歯間ブラシ」や「歯間フロス」の併用です。この併用によし、ブラッシングのみよりも高い作用が得られます。歯ブラシにも種類がありますが、毛先の硬いものは歯茎を傷つけてしまうおそれがあるので、毛先の硬さは「普通」のものが良いと考えています。毛先が「柔らかい」ものに関しては、歯茎が傷んでいる時や、悪い時にのみお使いいただくのが良いと思います。
ブラッシング後の洗口(うがい)は1回で止め、それ以上磨かないことが大切だと考えています。また、ブラッシング後30分間は飲食をせず、フッ素の働きを歯に浸透させる時間を作ることが大切です。フッ素については、現在小児歯科でよく取り上げられていますが、もちろん大人の方もフッ素塗布をし、虫歯、歯周病予防をされることをおすすめいたします。ただ、インプラント治療(※)を受けられた患者様に対しては、フッ素があまり良くないという話もありますので、治療を行われた方はお気軽におっしゃってください。
※自由診療です。料金は料金表を確認してください。