大学病院に長きにわたって勤務し、主に歯周病学を中心に、研究、留学、診療を行ってきました。その経験を生かし、近年相談が急増している歯周病の治療に力を入れています。歯周病は、歯を支える骨が溶け、歯が抜ける病気です。一見、口の中だけの病気に見えますが、実は全身疾患との関わりが深いことが分かってきました。例えば、糖尿病患者は歯周病を高頻度に発症し、病状の進行が早く、重篤化しやすいのです。歯周病は、網膜症、腎症、神経障害に続く糖尿病慢性合併症に指定されています。その他にも、循環器疾患(高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞)、慢性腎臓病、低体重児出産・早産、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症、認知症といったさまざまな疾患との関係が明らかになりました。
歯周病を放置せず、正しいケア、治療、メンテナンスを行うと、歯は自然と残ってきます。そのためには、患者さまがご自身で行う「セルフケア」がとても重要です。当院はセルフケアの方法をしっかりお伝えしています。基本治療をしっかりと行うことを大切に、日本歯周病学会が推奨しているガイドラインに沿った基本に忠実な治療をしております。病状が安定したら定期的なメンテナンスをしていきましょう。
歯茎から出血がする、腫れる、歯茎がやせてきた(=さがってきた)、歯が長くなったような気がする、物がはさまる、口臭がするなど少しでも気になることがありましたら、ぜひご相談ください。