ごあいさつ
私の父親は歯科医師でした。私は医者になろうか、それとも歯医者になろうかとすごく悩んだ時期があったのですが、父親の「医者が本当に治療するというのは2%。98%は自然に症状が改善する。逆に歯科治療では98%が歯科医師の腕にかかっている。だから、腕さえ良ければ98%は治せる」という言葉で、歯科医師になることを決意しました。
さらに、歯科医師の場合には一目瞭然で証拠が残ります。実際に父親が治療した患者さんの口の中を見てみると、他との違いを感じました。それは一種のプライドですね。外を見れば中身が分かるという物の道理がありますが、父親はまさにそのような治療をしていました。歯科医師になってからの修行時代にこのような治療を垣間見れたことは幸せでした。また、私にとって父親は偉大であり、哲学者でもあり、歯医者でもありましたが、医学の知識もすごく持っていました。
今の歯科大学は国家試験に受かるための講義になっており、医学のことは一通りさらっと学ぶだけで大して知識も習得できませんが、昔は医学と歯学を同時に学び卒業する直前に医者になるか、歯医者になるか進路を決めていました。従って、医学の知識も兼ね備えた父親の元で歯科医師として修行をし、父親のことを誇りに思っていました。私は二代目として継承するにあたり、父親を人としても歯科医師としても越えなければならないと、強く思っていました。しかし、偉大な父親を乗り越えることはなかなか難しいです。毎日が勉強の日々であり、父親を知っている患者さんからお父さんを超えたね、と言われるようになりたいものです。
歯医者となった以上、ただ単純に治療を行うのみではなく、患者さんの健康に貢献できる治療で貢献したいと思います。本当の貢献とは、その病を本当に治療してあげる事だと思っているので、そういう貢献をしたいなと思っていますし、歯科医師として恥ずかしくない、悔いのない人生を送りたいと思っています。