当院では、訪問診療に力を入れています。たとえ高齢や病気などで、通院できない方でも自分の口で食事を楽しんでもらいたいという思いがあるからです。
訪問診療と聞くと応急処置的な治療をイメージするかもしれませんが、院内で行う治療とあまり変わらない本格的な治療をご自宅や施設で受けることが可能です。訪問診療での具体的な診療内容としては、虫歯の治療や義歯の作成及び調整、クリーニングなどの口内のケア、嚥下に関するリハビリテーションなどがあげられます。
訪問する際には、持ち運びできる歯科用のレントゲンや、歯や義歯を削るためのポータブルユニット、喉の具合をみるための聴診器などを持参するほか、患者さまの状態によっては、血圧や酸素飽和度を測定するためのモニターなども準備します。
ご本人やご家族、施設の担当の方などから訪問診療の依頼があった場合には、最初に訪問した時に状態を詳しく検査し、治療の方針をご提案します。治療の流れや治療期間、費用、その他の選択肢などを詳しく説明し、同意を得られたら次回の訪問時から実際の治療を開始します。患者さまや、ご家族などの周囲の方の希望に沿った形で治療を行うことが、当院のコンセプトです。
なお、初回の訪問については、費用は発生しません。
私達は、患者さまが「自分の口でしっかり美味しく食べる」ことにこだわっています。私達にとって食事は、健康を維持するためには欠かせないものです。特に高齢者にとっては自分の口で食べるということは、効率よく栄養を摂取し免疫力を上げ、生活の質を高める上でも非常に重要です。噛むことは脳にも良い刺激をもたらし、食べる楽しみは生きるモチベーションにもつながります。
訪問診療では、訪問した際に患者さまの実際の食事の様子を見せていただいています。むせていないか、のみ込む力が衰えてないか、噛むための筋力は十分かなど、「食べる」こと全般において、どの点に問題があるのかを探るためです。歯科の治療を通して私達が目指しているのは、自分の口で、しっかり美味しく食べること。食べるという行為を行う場合の問題を明確にした上で、虫歯などの治療や義歯の調整ばかりでなく、口内ケアや喉の筋肉を鍛える運動、声帯を鍛える発声練習など、その方にあった嚥下リハビリテーションを行います。場合によっては食べる姿勢を変え、食材を細かく刻みとろみつけなど工夫するといった、食事指導を行うこともあります。
ご家族や、ケアマネージャー、看護師など、患者さまに関わる人達と密に連携を図りながら医療を提供します。
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