上下の歯でしっかり噛むための噛み合わせは、ちょっとした生活習慣で少しずつずれてきます。例えば、虫歯が痛むときに痛くない方で噛む、頬杖を突く、歯を食いしばる、噛み締める、歯ぎしりをするといったことです。ほとんどが、無意識に行われていることだと思います。また、歯科治療で詰め物をした方の中には、その詰め物が摩耗したことで噛み合わせがずれるということもあります。
当院では、噛み合わせを考慮し、「よく噛めること」を基本的なゴールと考えています。しかし、患者様ご自身にもゴールとお考えになるところがあると思います。「よく噛めるようにするための治療」と、患者様ご自身がお考えになるゴールが異なることもありますので、そのようなときには患者様のゴールを最優先に考え、治療をご提供するよう心がけています。
良い噛み合わせを作り、しっかり噛めるような治療であったり、患者様のゴールに近しい治療を提供していくには、根本的なところですが、患者様のお話をよくお伺いすることが大切だと思っています。いかに「患者様が求めているもの」を早く掴めるかが、治療プランを考える上でカギになるからです。
もちろん、治療を重ねていく中で患者様のご希望が変わっていく場合もありますし、患者様の治療に対するモチベーションが変わっていくこともあります。そのため、初回の治療時に限らず、患者様へのご説明とヒアリングにはかなり多くの時間をかけます。診察はなく治療のみの回であっても、コミュニケーションを取らずに治療を行うということはありません。説明に時間をとるようにしています。説明の時間を多く取ることで、患者様の治療に関するご理解が深まっていけば、うれしく思います。
噛み合わせが良く、しっかり噛めるお口になるということは、トラブルが起きにくくなるということです。前述したように、噛み合わせはお口の中のトラブル、お顔のトラブルに関連する可能性があるものです。
また、当院で噛み合わせの治療を行う際は、虫歯の治療や合わない詰め物を取るなど、お口の中全体を治療しています。虫歯などの治療を行った後に噛み合わせの治療を行うことで、噛み合わせの治療もスムーズに進み、治療終了後の維持もしやすくなります。包括的に治療を行うことが、トラブルが起きにくいお口の環境を作れると考えています。
当院では、影響を及ぼす噛み合わせを重要視し、「よく噛めること」を基本的なゴールと考えています。しかし、患者様ご自身にもゴールとお考えになるところがあると思います。「よく噛めるようにするための治療」と、患者様ご自身がお考えになるゴールが異なることもありますので、そのようなときには患者様のゴールを優先に考え、治療をご提供するよう心がけています。
これは噛み合わせに限らず、当院の治療全般に言えることです。患者様のご希望が「取れてしまったものを付け直す」ということであれば、当然そちらが重要になってきます。患者様のニーズにお応えし、プラスアルファとしてさらに一歩進んだ治療をご提供できることを喜びと思っています。