先生の幼少期の頃のエピソードを教えてください。
幼少期の思い出は、模型作りがとても好きだったことですね。それが今現在の職に反映されており、患者さまの喜びにつながっているのだとすれば、幸いなことです。
歯科医師を目指したきっかけを教えてください。
小学校のときに思い描いた将来の夢を覚えています。医師か歯科医師か、外交官か商社マンの4択でした。大きくわけると、医療の道で皆さまを救うことができる職業と、世界を股にかけて活躍する職業というところでしょうか。そのどれかになりたいと考え続けていましたが、実際に歯科医師になることができた今、夢を現実にできた喜びを感じると同時に、夢の通りに歯科医師として患者さまの思いをしっかり受けとめきれているかを日々自身に問いつつ、診療にあたっております。
様々ある歯科治療の中で力を入れて学んだことは何ですか?その理由も教えてください。
私は、ぴったりと合う被せ物をご用意するため、これまで学びを深めてきました。被せ物を必要とする治療の場合、その見た目を重視されるケースが多くなります。
しかしせっかく治療を行っても、それがぴったりしたものでない限り、その隙間から汚れや細菌などが入り込むリスクが高まります。それが原因で再治療を要することにもなりかねないため、治療後の状態を維持したい、再治療を要しない治療をご提供したいと考えると、患者さまの歯一つひとつにぴたりと合う被せ物のご用意が欠かせないのです。
被せ物に限らず歯科医療は、その美しさと機能性の両面を高めつつ全体的なバランスにも気を配る必要があります。そうした意味でも、歯科医師は己れの知識や技術に納得することなく、日々の学びを深めていくことに貪欲である必要があると考えています。
今現在、高齢化社会へと突入しようとする時代を私たちは生きています。歯を部分的に、もしくは全て失った患者さまが必要とされるのは、噛みやすい義歯です。これまで以上に違和感がなく、ぴったりと合う入れ歯をご用意できるよう努めてまいりますので、どうぞご期待ください。
診療のモットーを教えてください。
患者さまのお口はそれぞれで異なり、同じものは決してありません。また、患者さまご自身のお考え、ライフスタイル、治療に際して望まれるものも同様です。当院では、患者さまお一人おひとりのお口の状況、治療へのご要望、ライフスタイルなどに即した治療方針をご提案することをモットーとしております。
先に挙げたようなさまざまな側面から、患者さまそれぞれにとってよりよい治療を追求していくことは、患者さまのお喜びにつながります。患者さまの10年後、20年後を見据えた長期的な歯科医療をご提供するためにも、患者さまにご納得いただき、噛める心地よさを知っていただくことは重要です。
今後も、患者さまお一人おひとりにとってよりよい歯科医療をご提供するため、患者さまのお話にしっかり耳を傾けつつ力を尽くしてまいりますので、ご期待ください。
この街で開業に至った経緯を教えてください。
私は、このウェルシティ横須賀歯科診療所を2000年に開業いたしました。それまで、この地にご縁が深かったわけではありません。
仙台の東北大学を卒業後、さまざまな医療法人に勤めて知識の吸収と技術の習得に努めておりましたが、分院長というかたちで下北沢や多摩で治療にあたるようになり、保土ヶ谷で開業したのが1991年です。その後、ご縁を得て、この横須賀で開業するお話をいただきました。
開業するまでさほどご縁はありませんでしたが、この地で開業してすでに20年近くになります。さまざまな分野での修行を積んできた成果を患者さまに還元し、患者さまの大切な歯を守るお役をお任せいただいて、20年近く――そう考えると、長いようで短い期間です。今後もますますこの近隣の患者さまのために力を尽くしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
患者さまの傾向を教えてください。
開業してから20年近くの歳月が流れました。開業当初から考えると、近隣にお住まいのお子さまの数はずいぶん減ったようにも思います。高齢化社会への道をひた走る日本を象徴するかのように、ご年配の患者さまが増えました。私自身も、20年近くの年を重ねてきたことを思わざるをえません。
その中で、今後重視していかねばならない分野、需要のある分野は、義歯や入れ歯ではないかと考えています。義歯や入れ歯を作ってからも、何十年にわたってその義歯や入れ歯とともに歩んでいかねばならない時代です。それだけに、患者さまのご体調や生活習慣などをしっかり把握しながら、それに即した義歯・入れ歯をご提案できる歯科医師、歯科医院が求められるようになると考えています。
私どもも、この地域の皆さまの中に受け入れていただき、皆さまとともに20年近くを歩んでまいりました。その積み重ねを、患者さまにとってよりよい義歯・入れ歯のご提供につなげてまいりますので、入れ歯の製作や修理に際しては、ぜひお気軽にご相談ください。
訪問診療も行っていますが、その際の注意点はありますか?
横須賀という土地は、ご年配の患者さまの通院に適しているとは言えないのが実状です。道が狭く、坂があって、駐車スペースもない。階段が多くて、雨が降れば通院はさらに大変になります。こうした条件をクリアして通院するのは、基礎体力が落ち、何かしらの疾患をお持ちの患者さま方には難しいため、当院では訪問診療を行ってまいりました。
訪問診療に際しては、患者さまの全身疾患の状況をしっかり把握し、主治医とも連携して治療を進めること、ケアマネージャーなど患者さまと関わりのある方と密な連絡をとることを重視しております。
通院は難しいけれど、口の中をきれいに保ちたい、快適な噛み心地を得たいとおっしゃる患者さまのため、今後も力を尽くしてまいります。
院内のデザインや空間でこだわったところがあれば教えてください。
当院のインテリアは、患者さまに温かみのある雰囲気を感じていただけるようにと、暖色で色合いを統一しております。歯科医院として連想されがちな冷たいイメージを取り除き、リラックスしてお過ごしいただける環境をご提示することで、より身近に感じていただける歯科医院を目指してまいりました。
当院のスタッフは全員が歯科衛生士の資格を有しており、人生経験を積んでいる者が多いです。主婦でもあり、お子さまの扱いや患者さまとの接し方が丁寧で優しいといったお言葉をいただいています。患者さまとしっかりコミュニケーションを取り、心地よい空間を提供してまいりますので、どうぞお気軽にご来院ください。
子どもの歯を守るために何に気を付ければよいかアドバイスをお願いします。
顎の小ささにも現代のお子さまの特徴はあらわれています。噛む回数が少なくてすむような食べ物が食卓に並ぶようになった結果、2歳児健診でみえるお子さまでも、その歯がきれいに並んでいるケースが増えてきました。これは、永久歯と比較すると小さな乳歯の段階で、隙間があかずに並んでしまうほど顎のスペースが小さいことを意味します。こうした状態で永久歯に生え変わると、歯並びや噛み合わせの問題があるだけでなく、歯が重なった部位で虫歯のリスクが高まります。
私どもは、顎の小さなお子さまとその保護者さまに対して、食生活の改善をアドバイスしております。歯ごたえのある食べ物を摂ったり、大きめに切った野菜を用意していただいたり、ジュースやお菓子の摂り方などについても、よりよい方法をお教えしてまいります。
また、お子さまが小さなうちに、定期的に歯科医院でお口の状態を診てもらう習慣を身につければ、治療に際して大きな痛みが出ることも少なく、歯科医師や歯科医院への恐怖心を抱かずにすむことは大きなメリットです。これが、成人してのちにもストレスなく通院するための素地となり、お子さまの将来のお口をお守りすることにもつながるのです。
お子さまが10歳程度になるまで仕上げ磨きを続け、食生活を改善し、定期検診にお連れくださること――これらを保護者さまにお願いし、ご協力を仰いでおりますので、よろしくお願いいたします。