これまでどれぐらいの患者さんを診てきましたか?
考えたことがないので「分からない」というのが正直なところです。一人ひとりの患者さまに誠心誠意向き合うことに集中していますので、患者さまを数字で考えたことは一度もありません。とてもたくさんの方とのご縁をいただいています。
今まで診てきた患者さんの中で心に残っている、印象的なエピソードがあれば教えてください。
「歯を削らないこと」「歯を抜かないこと」「歯を悪くしないこと」です。いったん歯を失うと入れ歯の取り外しやメンテナンスが必要になります。そのほかの治療においても時間や手間、費用などの面において患者さまの負担を避けることは不可能です。医療の進歩により、歯を治療する技術は、昔より良くなっています。しかし、どれだけ医療技術が進んでも、手の施しようがないほどまでに悪くなった歯を復活させることは不可能です。患者さまの負担をなるべく抑えた状態にするには「治療せずに歯を長持ちさせること=歯を悪くしないこと」に徹するほかありません。天然の歯に勝るものはないと考えているため、もしトラブルが発生したとしても、残せるのであればなるべく残すといった方向で治療をしています。
院内のデザインや空間でこだわったところがあれば教えてください。
白一色で統一してしまうと患者さまの緊張感が増えますので、清潔感を保ちつつ、少しでもリラックスできるような色使いになるよう意識しました。歩きやすさや足音を考慮し、患者さまが移動されるエリアは絨毯にしています。また、靴の脱ぎ履きの煩わしさを解消するため、靴のまま診療室まで入っていただけるようにしました。小さなお子さまをお連れの方が気兼ねなくお過ごしできるようにベビーカーを置くスペースを設け、キッズスペースにはたくさんのおもちゃを準備しました。間接照明やダウンライトを多く使い、柔らかい空間に仕上げています。治療しているところを見たり、見られたりしないように半個室にて診療を行っています。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
院内でいろいろな決め事をするとき、みんな自主的にミーティングを行ったり、素早く行動に移ってくれたりします。周りの意見に耳を傾け、より良い方向へ物事を運んでくれる姿勢は仕事に対する姿勢にもつながっています。
スタッフのモチベーションを高めるためにしていることは何かありますか?
患者さまのお役に立てるような存在になることをスタッフ全員が目的としており、それに向けての協力体制には目を見張るものがあります。全員が高い意識を持っているので、特別なことをしなくとも相手の言動から刺激を受け、自らも刺激を与えるような関係です。
スタッフ教育で力を入れているところはありますか?
患者さまに不快感を与えないための最低限のルールは「マナー」ですが、そこに「心」が加わると「ホスピタリティ」になります。ホスピタリティは誰かに言われて行うものではなく、自らの感性で動く部分でもあります。そのため、感性を磨くように意識してもらっています。たとえば暑いときにお水をお出しすることや、雨が降っていたらタオルをお渡しするといった行為はそれぞれの感性に基づくものだと思っています。相手の立場に立って考え、自分にできることはないかと問いかけることが大事です。
おすすめのデンタルグッズはなんですか。
目的が虫歯の予防なのか、歯周病の予防なのかなどによっておすすめのデンタルグッズが変わりますので、選ぶときには相談してほしいです。現在、お口のケアに気を付けていらっしゃる方が大変多いですが、その中でも見落とされがちな部分は「舌」です。歯磨きのついでに舌のケアを行う方も多いですが、かえって舌を傷つけてしまい口臭が増える原因になるので、専用クリーナーの使用をおすすめします。ほかには虫歯予防ができるタブレット(錠剤)もあります。お口にかかわることは全部ご相談いただけると嬉しいです。
尊敬する人物はいらっしゃいますか?
今までの歯科経験の中でいろいろなことを教えていただいた先生方です。
今後力を入れていきたいと考えている治療があれば理由とともに教えてください。
今までも、これからも「歯周病の治療・予防」と「虫歯の予防」に力を入れていきます。