このお仕事を目指したきっかけを教えてください。
私の家族は医療従事者が多いです。その中で過ごしてきたこと、自分が歯科医院に通っていたこともあり、歯科医師の道を選択しました。
小学校の卒業アルバムには「将来の夢は歯科医師」と書いており、中学生の頃から歯科医師になりたいと思い始めたように感じます。その頃から変わらずに志していた職業に就けたことは、幸せなことだと思っています。
学生時代に重点的に学んだことは何ですか?
私が通っていた大学では、お口の問題と全身の関連について詳しく教えてくれました。
例えば、歯周病であれば、心筋梗塞や動脈硬化などの病気を誘発してしまいます。全身の抵抗力が下がると、お口の抵抗力も下がるなど、細かい部分まで詳しく教えていただいたので、現在の治療でも全身状態を考慮しながら治療を行うよう心がけています。私が持っている知識や技術が、患者さまの健康を守る役に立てば幸いです。
患者さまとお話しするときに気をつけていることはなんですか?
患者さまに理解していただいた上で治療を受けていただくことを何よりも大切にしており、そのためにわかりやすい説明を行っています。
そのひとつとして治療の説明では、なるべく「例え話」をするようにしています。例えば、「おろしたての靴は履きにくいですが、時間が経つにつれて足になじんでくるようになります。入れ歯はその逆です。入れ歯が変形することはなく、歯茎が入れ歯に合わせようと変わってくるため、使用するまでに時間がかかるのです。」など、「入れ歯」を「靴」に置き換え説明します。
やはり「痛い」というのが歯医者から遠のく原因だと思うのですが、痛みに関する対策があれば教えてください。
痛みが伴う治療では、あらかじめ麻酔を施し、患者さまが痛みを我慢しないように取り組んでいます。
また、パンパンに腫れてしまっていたり、痛みがとても強かったりする場合は、あえて麻酔をしないこともあります。痛みを和らげるための麻酔が、逆に痛みを強めてしまうことがあるからです。状態を見ながら痛みをコントロールできるように、麻酔の使用をしっかりと見極めて行っています。
今医院を構えている町屋とはどんな町ですか?
「昔ながらの下町」という印象です。地域の皆さまはざっくばらんな方が多く、気軽にお話しできる雰囲気があります。私はこの場所の出身ではありませんが、とても過ごしやすく、良い町だと思っています。
様々な患者さまと接する機会が多いと思うのですが、その際に気をつけていることを教えてください。
とにかく患者さまに笑顔で帰っていただくことが第一です。「何を求めてご来院されたのか」をしっかり把握するために、患者さまのお声に耳を傾け、患者さまに寄り添うように診療することを心がけています。
また、できるだけ患者さまのご要望に添えるように治療計画を立てていきます。患者さまが治療を望まなければ、こちらから無理に行うことはありません。「患者さま第一」の診療を大切にしています。
最後に、患者さまへのメッセージをお願いします。
虫歯や歯周病は、患者さまご自身の力で予防できるものです。そのため、患者さまには、歯磨きなど日々のケアを継続していただきたいです。毎日の歯磨きを行うことは予防につながり、あわせて定期的に歯科医院で検診を受けていただくことで、よりきれいな状態を維持できるからです。
「お口に痛みを感じる」「違和感がある」場合は、気兼ねなくお越しください。患者さまのお口を見て、ケアのアドバイスやご要望に添った治療を提案いたします。
今後の目標や展望を教えてください。
予防に力を入れて、虫歯でお越しになる患者さまが少なくなっていただければ何よりです。そのために必要なブラッシング指導をこれまで通り継続することで、患者さまご自身でもお口を守っていただけるでしょう。
また、患者さまが笑顔でお帰りいただけるように努めています。「噛める」「痛みが少ない」「長く持つ」ことを意識し、患者さまのためになる治療を提供してまいります。