さまざまな歯科治療の中でより力を入れて学んだのは何ですか?その理由も教えてください。
幅広く対応できる技術は身につけてきたつもりですが、勤務医時代に入れ歯を製作するチームを作りました。そこでは、ディスカッションしながら患者さまに合ったものをご提供していました。インプラントという選択肢もありますが、今の時点ではまだ費用も高額なので、すべての患者さまが利用できるわけではありません。全身疾患などさまざまな背景から恐怖心をお持ちの方もいらっしゃいます。
そのような方にもしっかりと歯で噛んで食事をしてほしいと思い、入れ歯について力を入れて学びました。
診療のモットーを教えてください。
患者さまが痛みを感じることなく食事をしていただけることを大事にしています。
どのような治療においても、しっかりと噛んで食事を楽しめることが最終的な目標になるのではないかと思っています。もちろん患者さまのニーズに沿う治療をしますが、しっかりと噛めることを見据えて治療を行うことは常に考えています。
初めて来た患者さまに対して心がけていることがあれば教えてください。
初診に限らず、説明の時間はきちんと取って、丁寧にお話することに心がけています。
写真撮影した上で患者さまの今の状態を説明して、治療の選択肢を提供していきます。選択肢すべてにどういったメリットとデメリットがあるのかを詳しくご説明します。長い目で見ながら一緒に治療法を考えていけたらいいなと思っています。
患者さまは不安や治してほしいという気持ちを抱えながら来られています。落ち着いていただけるよう、まずはじっくり話を聞くようにしています。疑問に思った部分や悩みなど、気軽に相談できる関係になっていければと思います。
今まで診てきた患者さまで心に残っている、印象的なエピソードがあれば教えてください。
80~90代ほどのご年配の患者さまでしたが、車いすで来院されました。歯が1本もない状態だったので上下に総義歯を作ったところ、痛みに苦しむことなくご使用いただけたようです。もともとは、車いすから少しの距離しか歩けませんでしたが、その後だんだん歩ける距離が長くなっていった時は驚きました。これは義歯が入って噛めるようになったたからということだけではなく、いろんなタイミングが重なったり、気持ちの問題もあったりでたまたまだとは思いますが、今でもスタッフとの会話に出てくるほど印象に残っている出来事です。
お年寄りへの配慮は何かありますか?
ユニットに寝た状態での治療がつらい方であれば、立ったまま治療を行います。また、来院が大変だという方は1回の治療時間を長く取ります。
しかし、ユニットに長時間座っていることも大変ですから、それも一長一短であります。大切なことは、それぞれの患者さまに合わせることだと思います。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
いいスタッフに恵まれているので、自慢できる点はすべてです。私が気づかない点も気づいて動いてくれます。患者さまに対しての気配りもできていますし、本当に頼りがいがあります。
また、歯科衛生士が行う、歯石を取り除くための「スケーリング」という治療がありますが、患者さまからお褒めの言葉をいただくことが多いですね。
スタッフ教育で力を入れているところはありますか?
患者さまがお待ちいただいている間に、体調が変化した方はいないか、麻酔をして気分が悪くなっている人がいないかなど、お声がけをして把握するようにということはよく伝えています。
小さなお子さまがいるお母さんに、お子さまの歯を守るために何に気をつければよいか教えてください。
やはり歯磨きが大切ですが、私にも子供がおりますので、歯磨きやお口の中を触られることを嫌がるお子さまがいらっしゃることは分かります。
まだ小さなお子さまでしたら、今のうちからお口の中を触る機会を増やしておくことで歯磨きを導入しやすくできます。
また、親御さまから、歯を磨けない場合はどうすればよいか、という質問をよくいただきます。乳歯は歯と歯の間から虫歯になることが多いので、寝ている間に口が開いているようだったら、本人が知らない間にデンタルフロスでお手入れをされるといいです、というお話はしています。
おすすめのデンタルグッズはなんですか?
歯間ブラシやデンタルフロスです。
虫歯予防にも、歯周病の悪化防止にもよいものだと思います。
健康的な口内環境を保つためにも、歯ブラシと併用していただきたいです。
ストレス発散法を教えてください。
自分の子供たちと遊ぶのは本当にストレス発散になります。
休みの日は一緒にどこかに遊びに行くことが多く、先日もテーマパークへ出かけました。
混雑していて疲れましたが、やはり一緒に過ごせる時間はすごく楽しいです。