さまざまな歯科治療の中で特に力を入れて学んだことは何ですか? その理由も教えてください。
予防については、深く学んできました。学生時代に仲のよかった先生が予防を学んでいたこともありますが、私自身この科目が好きでした。
歯の治療の中でも生活により深く関わってくる分野であり、怠ると生活の質が落ちてしまいます。歯磨きの仕方だけでもさまざまな方法があり、患者さまに合わせていくことで、健康を守ることにつながります。予防に力を入れて取り組むことで、患者さまの笑顔はもちろん、生活の質を守り続けることができると考えています。
今まで診てきた患者さんで心に残っている、印象的なエピソードがあれば教えてください。
当院を開業して間もない頃にお越しいただいていた小さな女の子が、現在、歯科医師になっていることはとても印象的です。
歯科医師や歯科衛生師が学生の頃は、定期的に歯医者での実習に使用する歯をもらいに行きます。女の子がその目的で当院に来たとき、顔を見た瞬間に「あの女の子だ」と分かりました。つながりがあるのかは分かりませんが、当時私の治療を受けて歯科医師の道を選択してくれたのだとしたら、とてもうれしいことです。
初めて来た患者さんに対して心がけていることがあれば教えてください。
なによりも不安を与えないことです。私も初対面なので、初めての患者さまの治療を行うときは緊張します。しかし、患者さまはそれ以上に緊張や不安を抱いていると思います。そのため、ゆっくりと分かりやすく話すことや、難しい言葉をなるべく使わないように心がけています。
いきなり治療を行うのではなく、まずは患者さまと十分にお話をして、良好な関係性を築くことからはじめています。
歯医者嫌いのお子さまのために行っている工夫は何かありますか?
今は、女性の歯科医師に治療を任せることが多いです。男性よりも女性の方が、お子さまもリラックスして治療を受けられると考えているからです。
しかし、以前から当院に通っていただいている方のなかには、私に診てほしいという方もいらっしゃいます。そのときはなるべく恐怖心を与えないように、まずは機器に触れる練習からはじめることで、治療が怖くないことを理解していただけるように努めています。
お年寄りへの配慮は何かありますか?
分かりやすい言葉で説明することです。また、耳の遠い方にはホワイトボードを使ったり、大きな声で説明することもあります。
このほか、待合室から診療台への移動で負担にならないように、入り口から近い診療台にお通ししたり、足腰の悪い方にはスタッフが付き添うこともあります。患者さまの負担をできるだけ軽減できるように配慮しています。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
全体的に患者さまへの配慮がしっかりしていることが、私の思う自慢できる点です。指示がなくても、自発的に患者さまのためを考えた行動をしてくれるので、気持ちよく過ごしていただくことができると思います。
例えば、開業当時から勤務しているスタッフは、私の考えていることを読み取り、先回りして動いてくれます。これにより、治療を滞りなく進めることができ、患者さまの負担が軽減することにもつながります。また、まだ勤務して間もないスタッフも気が利くスタッフばかりでとても助かっています。
院内のデザインや空間でこだわったところがあれば教えてください。
開業以来、院内の雰囲気は大きく変わっていません。変わった点は、各ユニットに仕切りを作ったことです。これによって、患者さまも周囲の目を気にすることなく、ご自分の治療に集中していただけるようになりました。
また、院内の至るところにちょっとした小物を置いています。私が買ってくることもありますが、大半は私の妻が置いてくれます。中には患者さまからいただいたものも飾っています。
休日はどんな過ごし方をされておりますか?
家族と出かけたり、家でゆっくりすることが多いです。娘の買い物に付き合うこともよくあります。患者さまの笑顔を見ることには喜びを感じますが、家族の笑顔には癒しを感じ、また頑張ろうと意気込むことができます。
治療では患者さまを笑顔にすることに励み、休日は家族の笑顔で仕事への活力を養っています。
リラックスできる時はどんなときですか?
なにもせずにくつろいでいるときや、家で犬と戯れているときです。治療中は、患者さまのためにどのようにするかを常に考えていることもあり、家に帰ったときは十分にくつろいで、頭や体を休ませるようにしています。犬を飼っていますが、好きな犬と一緒に戯れるときもリラックスできます。
休むときは休んで、治療を行うときは集中して、患者さまのために取り組めるように準備しています。
先生の思う歯科医院選びのポイントを教えてください。
仲の良い方や知り合いに紹介していただくのも、選択肢の一つだと思います。今は、インターネットで多くの口コミを掲載しているサイトがあり、患者さまも情報が多すぎて選ぶのに迷ってしまうことがあると思います。その中で行きたい医院が見つかれば問題ないですが、見つからなかった場合は知り合いに聞いて見るのも手だと思います。
気の知れた方が紹介する医院であれば、気軽に行きやすいのではないでしょうか。