予防歯科の目標は、「いつまでもご自分の歯でおいしいものを楽しく笑顔で食べられるようにする」ということです。虫歯や歯周病で失われた部分は人工の材料で補われます。しかし、天然の歯に勝る素材はありません。それくらい天然の歯というのはとても大事なものなのです。私たち歯科医師は永くご自分の歯で食事をしていただけるようにと願って診療に注力しています。
ただ、予防の主役はあくまでも患者さまです。こまめに歯科医院に通って歯のケアをしていても、日頃のブラッシングが上手くできていなければ、虫歯や歯周病になってしまいます。虫歯や歯周病の原因である歯垢(しこう)は、歯ブラシなどでないと取り除くことができません。そのため、汚れをできるだけ残さないブラッシング方法を歯科医院で習い、しっかりと身に付けましょう。
今からでも遅くはありません!定期的に歯科検診を受診し、歯周病や虫歯を早期発見・早期治療し、ご自身で自分の歯を守っていこうという意識が大切です。
虫歯は自然には治りません。もしも虫歯になってしまったら、できる限り患者さまの天然歯を残す治療に努めるとともに、治療後の再発防止にも力を入れています。
初期の虫歯は痛みなどの自覚症状がほとんどありません。「歯が痛む」「しみる」と感じる頃には、ある程度進行してしまっている可能性があります。そのまま放っておくと、さらに虫歯は進行していき、治療にも手間がかかるようになります。最悪の場合、顔が腫れたり、他の病気に影響を及ぼしたりすることもあります。「たかが虫歯」と思わず、早めに受診するようにしましょう。
「歯が痛い」「しみる」といった症状を放置してしまうと、症状が悪化し、治療の選択肢が狭まったり、治療に多くの時間がかかってしまったりします。そうならないよう、お口のことで困った時には決して我慢せず、ぜひ当院にご相談ください。
歯周病は、歯垢(しこう)に含まれる病原菌に歯周組織が感染し、炎症を起こす病気です。初期は自覚症状があまりありません。歯茎が腫れたり、ブラッシングなどの際に出血が見られたりするようになると歯を支える骨を溶かしていき、最終的には歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。しかも、歯周病で失われた骨は自然に元に戻ることはありません。
さらに進行すると、毛細血管を伝って歯周病菌が全身に運ばれてしまいます。その結果、心疾患、肺炎、糖尿病などの発症リスクを高めたり、病状を悪化させたりするとも考えられています。全身の健康を保つためにも、日頃から歯周病をケアすることが大切です。
治療としては、家で毎食後歯磨きをしていただき、病院では歯垢(しこう)や歯石など、日頃のブラッシングで落とし切れない汚れを取り除きます。症状がなくても定期的に検診を受けるようにしましょう。
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