当院では患者さまと治療目標を共有することを第一に考えており、じっくりと話し合ってから治療を進めております。まずは、患者さまにも「良い噛み合わせ」とはどういう状態かを知っていただくことから始めています。
一般的に噛み合わせとは、上下の歯が接触して成り立っています。下顎の周りについている筋肉がリラックスした状態での自然な位置と上顎の位置が、一致していることが望ましいとされています。また、食事の時(顎を上下左右に噛んだ時)に、関節、筋肉、歯、歯を支える骨がバランス良く機能している状態が、良い噛み合わせといえます。
噛み合わせが悪い状態の時には、一部の歯や歯を支える骨に負担がかかってしまい、顎が開かない、動きにくい、顎関節がカクカク鳴るなどといった症状がある、顎関節症を引き起こします。顎関節症は年齢に関係なく起こる可能性があり、悪化すると激しい痛みに見舞われることもあります。
当院ではまず、上下の歯並びの模型を作製する、「模型分析」を行います。顎と歯並びの位置関係や動きを、装置を使ってシミュレーションを行い、上下それぞれの歯や歯並びの形、大きさを診査します。また、正面と側面の顎顔面部のレントゲンを撮って骨格を分析する「セファロ分析」をすることにより、その人に合ったオーダーメードの治療も可能です。
当院では、顎関節の動きをトレースして顎の機能を分析するために、「顎機能咬合診断システム」を使用しております。口を開いたり閉じたり、前に出したり戻したり、発音、嚥下、咀嚼、歯ぎしりといった運動をする時の関節の動きをトレースし、機能的に不正がないかを分析します。
これらの検査には時間や費用の負担はありますが、カウンセリングだけでは把握することができない、潜在的に持っている疾患を把握することができます。そのためこの検査は治療を進めるにあたって、必要な検査となります。