新東京ビル歯科クリニック

開業当時は丸の内エリアの開発が一気に進んで、現在の町並みのベースができあがった時期です。煉瓦作りの建物の解体が行われて近代的なビルが立ち並び、大手町と並んで日本の金融・経済の中心地としての役割を担うようになっていきました。丸の内は昼間人口と夜間人口の差が大きく、ご来院いただく患者様のほとんどは丸の内エリアでお勤めのビジネスマンでした。
長期出張に出られる方や転勤される方も多くいらっしゃいましたが、そのような方は治療スケジュールへの配慮や治療の手順に工夫が必要となります。あらかじめスケジュールがわかっている方には、その方に合わせた治療スケジュールをご提案して、無理なく治療を続けていただけるようにしていました。そのような患者様にお越しいただいたことが、現在の当院の短期集中治療などの診療スタイルの素地となっています。

住宅街などにある歯科医院には小さなお子様やご家族連れの患者様が多く見られますが、当院にお越しになる方のほとんどは働き盛りのビジネスマンの方です。これは開業当初から変わっていません。お口を健康に保つことに対して高い意識をお持ちの方が多い印象があり、治療内容をお伝えする際にそのことを実感することもあります。
かつての歯科診療では悪くなってしまった歯に治療を行うことが中心となっていましたが、現在では治療を必要としない状態をできるかぎり長く保つことを目指した予防に診療の軸足が置かれています。
当院にも、歯科衛生士によるお口のメンテナンスを受けるためにご来院いただく方が多くなっております。お口の健康に向けた取り組み方が変わっても、患者様のお口への意識の高さは変わっていないのだと感じています。

ほとんどの方はできるかぎり歯科医院で治療を受けたくないと感じながら、必要に迫られて歯科医院にお越しになります。お越しいただいた患者様と最初にお話しをする際には、できるかぎりフレンドリーにやさしく接することで、緊張が緩和されたできるかぎり落ち着いた状態で治療に臨んでいただけるようにしております。この姿勢は私だけでなく歯科衛生士などのスタッフにも同じように求められるものです。
また、治療を行う前にはわかりやすく具体的な治療の内容をお伝えするよう心がけています。自由診療による治療を希望される方には治療に使用する材料をお選びいただけますが、素材ごとの特性を言葉でお伝えするだけでなく、実際の材料を手に取ってご覧いただくようにすることで、治療結果をより明瞭にイメージしていただけるようにしています。また、丸の内エリアは地域柄、自由診療を中心として治療を行う歯科医院も少なくありません。
しかし、当院では保険診療を中心に治療プランをご案内し、患者さまのご希望に応じて自由診療による治療を組み合わせるようにしております。どのような方にも気兼ねなくお越しいただきたいと思っています。

ビジネス街である丸の内エリアは土日や祝日に歯科医院にお越しになる方がほとんどいらっしゃらないため、休みの日には気分転換をはかって英気を養うよう努めています。遠方に出かけてゴルフなどで身体を動かすこともありますが、私の子どもが千葉や静岡で歯科医院を開業しているため、土曜日にはそれぞれの歯科医院に出向いて診療をサポートすることが多くなっています。
私が父から歯科医師としての姿勢を学んだように、私も子どもたちに伝えられるものがあればと思っています。

お口のケアにしっかり取り組んで歯周病などを予防し、健康に保つよう意識していることはもちろんですが、歯にかぎらず親からもらった身体は大切にすべきだと考えています。健康増進を目的としてとくに取り組んでいることはありませんが、身体に良くないことを避けるようにしています。歯科医師には定年がないため、体力が続くかぎり診療に携わっていたいと思っています。
日々、さまざまな診療ニーズに対応するなかで頭を使いながら手先を動かし、緊張感を持って患者様の症状の改善に取り組むよう心がけています。