けやき台鈴木歯科

父が医師だったのが大きいと思います。父はとても穏やかな人で、私がたまに病院に遊びに行ったときも、患者さまと和気あいあいと話していましたね。病院というのは本来、誰でもあまり行きたがらない場所だと思います。しかし父の周りには、そんなネガティブな空気がありませんでした。子どもながらにそんな優しい父が誇らしかったのは、よく覚えています。

そして、私自身手先が器用だったこともあり、父のように誰かの役に立てる職業を探した結果、歯科医師にたどりつきました。

補綴治療に力を入れてきました。補綴とは、歯の失った部分を人工物で補う治療のことです。私が補綴にこだわったのは、それが歯の見た目と機能を両立させる大切な治療であるからです。欠けた歯に入れるものは当然、しっかり噛めて機能的である必要があります。しかし、機能が良くても見た目が悪ければ、治療を受けた甲斐がありませんよね。

補綴治療は見た目と機能、そのどちらのご要望にも応える事を目指せるという点に、魅力を感じています。また、患者さまの様々なニーズを拾えるという点も、補綴を学んで良かったと思うポイントですね。

たとえば入れ歯が合わない・痛いという患者さまの中には、北海道や沖縄からはるばる来られる方もいらっしゃいます。それだけ食べるのに不自由したくない、という患者さまの気持ちが切実に伝わってきます。ですから、治療を提供する者として、その思いにしっかりと応え、喜んでいただけるように努めています。

患者さまに喜んでいただくには、まずその方の思いをくみ取ることからはじめないといけません。そのために、患者さまとのコミュニケーションをとても大切にしています。こうして患者さまの望みをつかんでいくことで、自ずと治療計画もその方に合ったものをご提案できると考えています。

コミュニケーションを重視し、患者さまが気軽にお話できる環境を整えることがモットーです。はじめ来られたときは不安でも、最後には笑顔でお帰りいただける歯科医院を目指しています。

当院のスタッフは白衣を着ずに、清潔かつてきぱきと動けるような服装で患者さまをお迎えしています。このような工夫から、いかにも「病院」という怖いイメージをなくそうと努めています。また、医院の設計にもこだわり、閉塞感の少ない空間作りをしています。こうして患者さまとの良い関係を築き、良い治療につなげられるように努めています。

患者さまのお気持ちをくみ取るために、日頃からスタッフ皆で頑張ってくれているところです。

医院に来られた患者さまが、はじめに顔を合わせるのは受付のスタッフです。問診をさせていただくのは歯科衛生士ですし、治療は歯科医師が行います。本当に良い対応をするために、どのメンバーも欠けることなく一緒になってお互いをサポートできるようにしています。

また、週に1度は医院の皆とミーティングをして、情報共有をしています。それぞれのスタッフの良い特色を調和させて、良い色に溶け合うような努力を惜しまず協力しあっています。ここまできてはじめて、患者さまのニーズに合った治療が提供できると感じています。

患者さまの求めていることに、いかに近づけるかは大切です。そのために、診療科目のバランスには気をつけています。様々な診療を行うことで、一人ひとりの患者さまの、様々なお悩みに対応できるよう努めています。

選べる治療が多いのは、患者さまにとってメリットだと思います。こちらから治療を押しつけることはしません。ぜひご自身に合った治療を、ご自身で選んでください。

お子さまを治療するときは、親御さまになるべく見ていていただくことを心がけています。お子さまがどんな治療を受けているか、気になるのは当然のことでしょう。そのため、大切なお子さまをお預かりする身として、親御さまのご理解を大切にしています。

私には、自分に合った環境を探しながら仕事をしている時期がありました。その結果、お子さまからご年配の方まで通っていただける歯科医院を作りたいと思うようになりました。患者さまと一緒に年を重ねていけるような歯科医院が目標です。

今では、小さかったお子さまの成長を見ることができたり、久しぶりに実家に帰ってきた方の診療ができたりと、地域の皆さまと同じ時間を共有できることをうれしく思います。願っていたことが少しずつ叶ってきたかな、と実感できる瞬間ですね。