お子さまでも3歳以上であれば、出来る限り意思の疎通を図っています。いきなり、口を開けて治療を始めるのではなく、器具を一つひとつお見せして、治療方法をご説明します。お子さまが泣くのは未知のものへの恐怖心から来ることが多いので、明確にすることで恐怖心を取り除くことができると考えています。大人のペースで進めずに、出来るだけ明るく優しく接することが重要です。
「自分が話したいことをきちんと聞いてくれる」「意味もなく怖いことをする訳ではない」と理解していただければ、ほとんどのお子さまが抵抗なく通院できるようになります。お子さまから「また来るね」と声を掛けてくださることもあり、とても嬉しく思います。
お子さまの治療にあたっては、すぐに治療を行うのではなく、まずていねいに話をして理解し合うことを大切にしています。そのため当院では無理やりの治療は行いません。また親御様へのご理解を求めることも重要です。小さいお子さまであれば、ご本人が治療方針などを管理できる訳ではありません。なぜ削るのか、といったことは親御さまに説明をして同意をいただきます。
1歳から2歳半くらいまでであれば、親子を離さずに、親御さまと一緒に椅子に座っていただきますし、3歳以上であれば出来るだけお子さまおひとりで座ってもらいます。もちろんその場合も親御さまに付き添っていただくことは可能です。このように、お子さまというより一人の人間として接していれば、自然と通院の習慣は育っていくものだと思っています。
お子さまには恐怖を与えないことを目的として「これから何をどのくらいやるのか」といった注意が必要ですが、親御さまに対しては、まずお子さまのお口の状況の説明をていねいに行います。きちんと磨けているか、虫歯ができやすい環境になっていないかなど、その瞬間の状況を理解していただくためです。もし磨き残しが見受けられるようであれば、ブラッシングのアドバイスなども行います。もちろんお子さまのお口の中に関連する疑問や質問などにも、出来るだけ分かりやすくお答えするようにしています。
その上で治療方針などを説明します。親御さまへの理解が得られない状態では治療は提供できませんので、お子さまへの理解と並行して、詳細な説明を大切にしています。