天然歯にはお金には換えられない大きな価値があります。当院の診療で大きな目的は、皆様に1本でも多くご自身の歯を残していただくことです。治療を行っても、またすぐに治療が必要になる状態になってしまわないように、さらに治療を順調に進めるためにも、当院ではまずブラッシングの指導を行います。患者様一人一人に合っている磨き方は異なりますので、じっくり時間をかけて指導いたします。しっかり磨くようになると初めは時間がかかるかもしれませんが、慣れれば時間をかけずにできるようになります。ブラッシングは、ご自身の歯を残していただくための第一歩です。
自分の歯に勝るものはありませんが、やむなく抜歯することになった場合は、インプラントをおすすめしています。歯の美容に関心が高まっていることもあり、機能面だけでなく審美的な意味でもできる限りご自身の歯に近い状態で改善させたいと多くの患者様からご要望いただいております。よりしっかり物を噛めて見た目も自然なインプラントは、第二の永久歯ともいわれ、入れ歯に代わる新しい歯として、現在では広く利用されている治療法です。入れ歯では実現が難しかった食べる、話すことも、インプラント治療によってご自身の歯と同じような感覚を取り戻すことができます。
当院では、噛み合わせほど重要なものはないと考えています。噛み合わせが悪いと、頭痛、肩こり、腰痛など全身に悪影響を与えることもあるためです。詰め物やかぶせものを入れた後に、違和感を抱くことがあるのは噛み合わせが合っていないことが原因と考えられます。当院で行うプロビジョナルレストレーションとは、最終的にできあがるかぶせものが入るまでに一時的に装着する、いわゆる仮歯のことです。この仮歯をしばらく装着して、噛み合わせの位置や歯の形など様々な側面から患者様の口に合っているかどうかを見ていきます。また、この間に歯周組織などを安定させることもできます。このように問題がないことを確認したうえで、最終的なかぶせものを装着します。
当院では痛くなく、身体に侵襲の少ない治療をモットーにしていることから、麻酔にも注意しています。通常用いられるのは浸潤麻酔という麻酔ですが、当院で用いるのは伝達麻酔といって、麻酔を打つ場所は一カ所ですが同時に数本の歯にも麻酔がかかるというものです。治療対象の歯以外も感覚がなくなりますので、痛みを感じることはほぼありません。特に下の奥歯は骨が密で湿潤麻酔が効きにくいこともありますが、伝達麻酔だとしっかりと効かせることができます。
当院でも最近評判のよいマグネットデンチャーとは、磁石を使った入れ歯です。これは、残っている自分の歯に磁石と相性がいい金属(キーパー)、入れ歯側にごく小型の歯科用磁石を取り付けることで、磁石が金属に強く引き付けられる力を利用し固定するという仕組みになっています。力点が低いところにあるほうが安定する磁石の性質上、入れ歯の根元で磁石を固定できるためとても安定します。磁石ですので装着が容易で、バネなどもないため見た目がとても美しく、付け心地も非常に自然です。シンプルな構造ですのでお手入れも容易とメリットも多いのですが、前提として歯根が残っている必要があり、さらにキーパーを取り付ける歯の神経を抜かなければなりません。また、健康保険の適用外となるため自費治療になることも注意が必要です。