親知らずは正常に生えてこないことが多く、周辺の歯茎が痛くなったり、腫れたりすることも珍しくありません。しかし、歯茎の痛みや腫れを放置しておくとさまざまな悪影響を及ぼすので注意が必要です。
この記事では、親知らずの周辺の歯茎が腫れた時の症状や治療方法、腫れがひどい時の応急処置などを詳しく説明します。親知らずが生えてきた方、また腫れなどのお悩みをお持ちの方、ぜひ参考にしてください。
親知らずは正常に生えてこないことが多く、周辺の歯茎が痛くなったり、腫れたりすることも珍しくありません。しかし、歯茎の痛みや腫れを放置しておくとさまざまな悪影響を及ぼすので注意が必要です。
この記事では、親知らずの周辺の歯茎が腫れた時の症状や治療方法、腫れがひどい時の応急処置などを詳しく説明します。親知らずが生えてきた方、また腫れなどのお悩みをお持ちの方、ぜひ参考にしてください。
親知らずの周辺の歯茎の腫れ、炎症を智歯周囲炎(ちししゅういえん)といいます。親知らずとその周辺の歯肉の間に食べかすや細菌が入り炎症を起こすことが原因です。体力や免疫力が低下している時起こりやすくなります。
智歯周囲炎になると、歯茎が腫れるだけではなく顔が腫れたり口が開きにくくなったり様々な症状がでます。次の章で、智歯周囲炎の症状を詳しくご説明していきます。
智歯周囲炎は親知らずの周辺の歯茎だけでなく、全身にも影響を及ぼすことがあります。進行度別に症状を詳しく見ていきましょう。
うずく感じや痛み、歯茎や頬が腫れるなどの症状のほか、口臭が出てくることがあります。軽度の場合、自然に膿が出て数日で症状が治まりますが、再発し何回も繰り返すことが多いです。
痛みや腫れ、膿が出るようになります。症状が進行すると、口が開けにくくなり、痛みのためものを飲み込むこともつらくなります。
顎の下のリンパ腺や扁桃腺、顔が腫れてきます。また、炎症が舌の下へと広がることで、38度から40度の高熱や痛み、呼吸困難などの症状を伴う口腔底峰窩織炎や、心筋炎を引き起こすこともあります。体のだるさ、熱、のどの痛みなどから風邪だと思い込み、治療が遅れることもあるので注意が必要です。
智歯周囲炎の治療方法をご紹介していきます。症状が進んで呼吸困難を起こしてしまった場合には、気管切開や、入院治療が必要になることもありますので、重篤にならないうちに歯科医院を受診しましょう。
体が疲れている時や、弱っている時に悪化しやすいので、まずは安静にすることがとても大切です。また、口腔内を不潔にしていることが原因なので、病院では炎症を起こしている部分をきれいに洗浄し、抗菌剤や抗炎症剤、鎮痛剤、胃薬、うがい薬などを使用して治療を進めていきます。軽度の場合には、これで症状が治まることが多いです。
歯肉を切り取って親知らずを磨きやすくする治療法です。比較的軽度な症状の時に行われ、炎症を繰り返さないために有効な方法です。
炎症や症状が一時治まっても、親知らずが生えている間は、繰り返し炎症を起こします。そのため、炎症を投薬などで抑えた後や、症状が落ち着いている時に抜歯をするとよいでしょう。
ここでは、ご家庭でできる応急処置をご紹介します。応急処置は、あくまでも一時的なものです。次の方法で痛みを和らげられたとしても、できる限り早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
炎症は体が疲れていたり弱っていたりする時に起こりやすくなるので、まずは安静にしてゆっくりと休養、睡眠をとることが大切です。
鎮痛剤の服用も効果的です。口の中が痛いと何も食べられず、体力が削られてしまいます。痛みは鎮痛剤で抑え、睡眠や食事をきちんととるようにしましょう。
歯茎の汚れや細菌などを除くため、殺菌効果のあるコンクールやイソジンなどのうがい薬でうがいをしましょう。
口内を清潔に保つことも重要です。腫れている時には、柔らかい歯ブラシを使用し優しく磨きます。多少の出血はあっても次第に落ち着いてきます。症状が落ち着いたら普通の固さに歯ブラシに戻します。
濡れたタオルや、冷却ジェルシートなどで頬を冷やすと、痛みが軽減されることがあります。冷やしすぎると痛みが強くなることもあるので、注意しながら行ってください。
親知らずが生えてくる時には、腫れや痛みを伴うことが多いので炎症も安易に考えられがちです。しかし、放置しておくと症状が悪化し、命の危険さえあることが分かっていただけたかと思います。親知らずが生えてきて腫れや痛みがあるときには、早めに歯科医院を受診しましょう。
監修医
尾上 剛先生
ごうデンタルクリニック 院長
経歴
出身校:神奈川歯科大学
卒業年月日:2009年3月
2010年 新潟大学付属医歯学総合病院 勤務
2011年 神奈川歯科大学付属横浜クリニック 入局
2013年 斉藤歯科クリニック 院長就任