ホワイトニングの施術中や施術後に、しみて痛いと感じたことはありませんか?ホワイトニングがしみて痛い原因とは一体なんなのでしょうか?この記事では、ホワイトニングがしみて痛い理由や、なるべくしみないための事前対策、施術後に痛みが出たときの対処法などについて、詳しくご紹介いたします。
ホワイトニングはしみる?原因としみないための事前対策をご紹介
この記事の目次
1.ホワイトニングがしみて痛い理由
ホワイトニングの薬剤で白くする効果の高いものは、「過酸化水素」を主成分としたものです。過酸化水素を主成分とした薬剤を使うホワイトニングでは、施術中や施術後にしみるような痛みを感じることがあります。ホワイトニングでしみる原因について、詳しくご紹介いたします。
一時的に知覚過敏を引き起こしている
過酸化水素は、歯の内部に染み込んだ色素を分解することで、歯を漂白するものですが、歯の表面を一時的に脱灰(ミネラル分を消失すること)させる作用もあります。これにより、知覚過敏のようなしみる痛みを感じることがあります。
神経を刺激している
エナメル質が薄い場合には、過酸化水素が歯の神経を刺激して、施術中にしみて痛みを感じることもあります。エナメル質の下には象牙質があり、その中に神経が通っているため、エナメル質が薄いと刺激を強く感じやすくなるからです。
エナメル質が欠けている
エナメル質が欠けて、象牙質が剥き出しの状態になっていると、過酸化水素が強くしみます。歯ぎしりや噛み締めの癖があって、歯がすり減っていたり、歯に亀裂がある場合には、強い痛みを感じるものです。そもそも、歯のすり減りや亀裂、虫歯や歯周病がある場合には、ホワイトニングを行うべきではありません。
薬剤が歯茎などに付着している
ホワイトニング剤が歯茎や唇などに付着すると、ヒリヒリするような痛みを感じます。歯医者さんで施術を行うオフィスホワイトニングでは、歯茎や唇などをカバーして、ホワイトニング剤が付着しないようにしてします。一方、マウスピースを使って、自分で薬剤を塗布するホームホワイトニングでは、薬剤が口内に漏れ出して、口内や喉がヒリヒリすることもあります。
2.しみる痛みを軽減するための事前対策
歯を白くするためとはいえ、痛みは避けたいという方も多いでしょう。ここでは、ホワイトニングの痛みを軽減するさまざまな事前対策をご紹介します。
エナメル質を健全な状態にしておく
歯が健康な状態でも、ホワイトニング剤によってエナメル質が脱灰を起こすため、多少のしみる感じがするのは、前述したとおりです。ただし、もともと知覚過敏がある方は、より強い痛みを感じるリスクがあります。再石灰化を促す歯磨き粉を使うなど、エナメル質を健全な状態にしておきましょう。
虫歯や歯周病を治療しておく
そもそも、重い虫歯や歯周病がある場合は、過酸化水素成分のホワイトニング剤を使うのは控えるべきですが、軽度の虫歯や歯周病でも、しみるリスクがあります。まずは、虫歯や歯周病を治療することが先決です。
しみる部分をカバーする
歯ぎしりや噛み締めなどで歯がすり減っていたり、亀裂が入っている場合には、そうした部分を治療しておく必要があります。軽度の損傷はレジンなどでカバーすることで、しみるのを防ぐことも可能ですので、事前に歯医者さんに相談してみましょう。
ホワイトニング剤の濃度を下げる
歯医者さんで扱うホワイトニング剤は、高濃度の過酸化水素成分を扱うことができ、最大で35%程度の濃度となります。単純に、濃度が高ければそれだけ、しみる可能性も高くなります。低濃度薬剤でのホワイトニングが可能かどうか、事前に相談してみましょう。
過酸化水素系のホワイトニングを避ける
過酸化水素以外の成分のホワイトニング剤であれば、しみる痛みはなく、虫歯や歯周病があっても施術できるものもありますので、歯医者さんに相談してみましょう。
ただし、過酸化水素系の薬剤と比べると、白くなる効果は低いものとなっています。過酸化水素系以外のホワイトニングには、下記のようなものがあります。
ポリリン酸ホワイトニング
ポリリン酸は、市販の歯磨きにも配合されている成分なので、しみる心配はありません。ポリリン酸配合の薬剤を塗布して、ホワイトニングを行います。
セルフホワイトニング
酸化チタン配合のジェルを塗布するのが、セルフホワイトニングです。こちらも、過酸化水素を含まないので、もともと知覚過敏がない限り、歯がしみることはありません。
3.施術後に痛みが出たときの対処法
過酸化水素を含んだ薬剤によるホワイトニングは、一時的な脱灰を起こすものなので、時間とともに、自然と再石灰化されていきます。従って、施術後に痛みを感じても、次第におさまってくるものです。ここでは、施術後の痛みへの対処法についてお伝えします。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
市販の知覚過敏用の歯磨き粉は、カリウムイオンの働きによって、歯の神経が過敏になるのを抑える働きがあるので、ホワイトニング後の痛みにも対応できます。また、フッ素配合のジェルなどで、再石灰化を促すことで、痛みを軽減することも可能です。
痛み止めを服用する
どうしても耐えられない場合には、市販の痛み止めを服用しても良いでしょう。また、事前に歯医者さんに相談しておけば、鎮痛剤を処方してもらうこともできます。
冷たいものや刺激の強い飲食物を避ける痛みがある間は、冷たいものや刺激の強い飲食物は避けて、安静にすることが肝心です。安静にしていれば、早くて数時間程度で痛みが和らいでくるでしょう。
4.まとめ
過酸化水素を薬剤として使うホワイトニングでは、多少のしみる痛みを感じるものです。強い痛みを感じる場合には、もともと知覚過敏があったり、エナメル質がすり減っていたり、亀裂があったりと、何らかの問題があるはずです。事前にこうした問題を解消しておくことが、しみる痛みを軽減するポイントです。
また、過酸化水素を使わないホワイトニングもありますが、総じて白くする効果は低いものとなっています。歯医者さんに事前によく相談したうえで、ホワイトニングの施術を行うようにしましょう。
監修医
矢島 昇悟先生
青山通り歯科 院長
経歴
2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る